落葉低木「紫陽花(アジサイ)」の種類・花言葉と育て方や剪定のコツ【挿し木で増やせる】

紫陽花というと、梅雨のイメージのお花です。

日本原産の花ですが、「西洋アジサイ」として世界で様々な品種が生まれています。

土の酸性度を変えることによって違う花色を楽しめます。

一度植えると簡単なお手入れで育てられるので、初心者にもおすすめのお花です。

紫陽花の基本情報

学名Hydrangea macrophylla
英名Hydrangea
その他別名ホンアジサイ、セイヨウアジサイ、七変化(シチヘンゲ)、八仙花(ハッセンカ)
科名ユキノシタ(アジサイ)科
属名アジサイ属
原産地日本、東アジア、北アメリカ

紫陽花の特徴

紫陽花は、育てやすさや種類の多さから、贈り物にも人気のお花です。

最近では、母の日に贈る方も増えています。

紫陽花には、花形がガク型と手まり型があり、色も青、紫、ピンク、赤、白、緑と豊富なため、梅雨時期の暗くなりがちな庭を彩ってくれます。

鉢植えや庭木としてもきれいですが、ドライフラワーにすると独特の色合いが楽しめます。

紫陽花の種類

紫陽花には、様々な品種がありますが、代表的なものをご紹介します。

ガクアジサイ(額紫陽花)

日本に自生し、最も広く栽培されている品種です。

花の周辺部に額縁のように花咲かせることからその名がつけられたと言われています。

ホンアジサイ

ガクアジサイを品種改良して作られた品種です。

セイヨウアジサイと区別するために、ホンアジサイと呼ばれています。

ヤマアジサイ(山紫陽花)

日本の水の多い地域に自生する種類です。

ヤマアジサイには、多くの園芸品種があります。

ハイドランジア(セイヨウアジサイ)

日本のガクアジサイを品種改良し、ヨーロッパから逆輸入された品種です。

セイヨウアジサイとも呼ばれています。

アジサイアナベル(アメリカノリノキ)

北アメリカ原産のアジサイの仲間で、てまり型の白い花を咲かせます。

アジサイには珍しく「ひたむきな愛」という花言葉があるので、ブーケなどにも多く使われます。

秋色アジサイ

アンティークカラーを楽しむことのできる品種です。

花期が長いのが魅力です。

紫陽花の栽培・育て方

紫陽花の鉢植えや苗木は、3月頃から店頭に並びます。

特に、鉢植えは母の日の贈り物としても人気なので、4月下旬頃にたくさん出回ります。

好みの種類の紫陽花を見つけるには、店頭で開花しているものを見て選ぶとよいでしょう。

紫陽花を育てる時のポイントは、水をたっぷりやることとと、土の酸性度の調整です。

紫陽花の育て方情報

分類・形態落葉低木/庭木
草丈・樹高30cm〜2m
開花の時期5〜7月
花色青、紫、ピンク、赤、白、緑
耐寒性強い
耐暑性やや弱い
特性・用途庭植え、鉢植え、切り花、ドライフラワー
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け2月〜3月、5月〜6月
植え替え2月〜3月、5月〜9月
剪定5月〜9月(開花後)、11月〜2月(休眠期)
肥料7月〜9月(開花後)、12月〜2月(休眠期)
開花5月〜7月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所〜半日陰でよく育ちます。

風通しのいい場所を選びましょう。

西日の強い場所は、葉焼けしてしまうので避けましょう。

また、冬は乾いた風や霜で、枝や芽が傷んでしまうこともありますので注意しましょう。

水やり

梅雨に咲くイメージどおり、水を好みます。

地植えの場合は、ほぼ雨だけで成長します。

真夏で雨がない日が続く場合は、水やりをします。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。

紫陽花は、葉からの蒸発量が多いため、水切れに注意しましょう。

肥料

開花後の夏〜初秋と、休眠期の12月下旬〜2月上旬に与えます。」

開花後は、花が終わって1〜1.5か月以内に、発酵油かすの固形肥料や緩効性化成肥料を与えます。

休眠期は、春からの生育に備えて有機質肥料を与えます。

用土

赤玉土をベースに配合した、水はけがよい用土を用います。

配合例)
青色の場合 赤玉土4:ピートモス4:バーミキュライト2
ピンク色の場合 赤玉土4:腐葉土4:バーミキュライト2

土の酸性度は、種類によって紫陽花の花の色に影響します。

酸性に傾くと、青や青紫色になり、アルカリ性に傾くとピンクや紅色になります。

紫陽花を育てるときのポイント

紫陽花の選び方

紫陽花は様々な種類があるので、好みの花の形や色を確認して購入しましょう。

植え付け・植え替え

苗の植え付けは、3月中旬以降から6月頃が適しています。

鉢植えの場合は、根詰まりを起こすので、1人に1回開花後に植え替えを行いましょう。

> 鉢植え紫陽花(アジサイ)の植え替えと土について|育て方も解説

剪定・切り戻し

10月頃から翌年の花芽を形成するため、開花後なるべく早くに剪定します。

花が咲いた枝のみを切りましょう。

花のつかなかった枝は切らないで残しておくと、翌年花が咲きます。

大きくなりすぎる場合は、好みの高さに適宜切り戻しましょう。

切り戻した花は花瓶に挿して楽しむのがおすすめです。

切り戻したあじさいを花瓶で楽しむ

増やし方

挿し木で増やすことができます。

6月頃に花のついていない枝の先端を15cmくらいに切り取り、鹿沼土に挿します。

半日陰の場所に置き、水やりをしながら1か月くらいで根が出てきます。

ドライフラワーにする時

アジサイアナベルや秋色アジサイなどがドライフラワーに適しています。

梅雨の時期はドライフラワーになりにくいので、紫陽花の中でも秋にかけて咲く花がおすすめです。

切り花にして、一度しっかりと吸水させたあと、新鮮なうちに頭を下にして紐などでぶら下げておきます。

1週間程度で完全に乾燥します。

気を付けるべき病気・害虫

気温の上昇とともにハダニやアブラムシが発生しやすくなります。

葉の裏に潜んでいる場合が多いので、注意して確認し、発生したら葉裏まで殺虫剤を散布します。

また、湿度が高いとうどんこ病や炭そ病、さび病にありやすいため事前に殺菌剤を散布します。

コウモリガの幼虫の被害にあったら、早めに被害に合った枝を切り落としましょう。

殺虫剤・殺菌剤

殺虫剤にはGFオルトランC等。殺菌剤には、ベンレート水和剤等