収穫いっぱい!ハヤトウリの育てかたとコツ。いくつ採れるかな?!

ハヤトウリは熱帯アメリカ地域原産のウリ科の野菜です。
病害虫に強く、収穫量も多い事から初心者の方でも楽しみながら栽培することができます。
クセのない味で、スープや漬物など幅広い料理に使うことができます。

今回は、そんな美味しいハヤトウリの育て方と栽培のコツを分かりやすくご紹介します。
食べ方についてもご紹介しますので、是非挑戦してみてください!

ハヤトウリの基本情報

学名Sechium edule
英名Chayote・Chayote Squash・Choko・Christophene・Mirliton・Vegetable Pear
その他別名ハヤトウリ・隼人瓜・千成瓜(センナリウリ)・チャヨテ・チョチョ
科名ウリ科
属名ハヤトウリ属
原産地メキシコ・中南米などの熱帯アメリカ

ハヤトウリの特徴

ハヤトウリはメキシコや中南米原産ですが、日本に入ってきたのは1917年(大正6年)と言われています。

鹿児島に入ってきたことから、「薩摩隼人のウリ」という事でハヤトウリと呼ばれるようになりました。
1株から100個以上も収穫ができます。

その収穫量から別名、千成瓜(センナリウリ)とも呼ばれています。

食べ方

ハヤトウリはクセがない味で漬物やスープ、炒め物などにして美味しく頂けます。

下処理

皮をむかずに半分に切ります。

断面に少量の塩をふりこすり合わせると、白い泡が出てきます。
水で洗いながしたら、ピーラーで皮をむきます。
むいている時、少しだけ滑りやすいので手を切らないように注意してください。

深い筋が入っている部分は包丁を入れて皮をむきます。
リンゴを切る要領で切ると作業がしやすいです。
真ん中に種がありますので、種の部分を切るように包丁を入れて取り除きます。

スープ

ポトフなどのコンソメスープによく合います。
コトコトと煮ると柔らかくなり、子供でも食べやすくなります。

炒め物

薄切りにして豚肉と中華風に炒めると、シャキシャキした食感がします。
食感を残すため、炒めすぎないようにしましょう。
また、きんぴら風に炒めるのも美味しいです。

煮物

冬瓜や大根の煮物を作るように、ハヤトウリを使っても美味しく食べられます。

漬物

3~5mm位の薄さにうすぎりにします。
浅漬けの元で揉みこむか、塩、胡椒、ゴマ油、白ごまであえてナムル風にしても美味しいです。
ぬか漬けや粕漬けにもできます。

ハヤトウリの種類

ハヤトウリには、白っぽい品種と緑の品種があります。

緑のものより少しだけ小さく、青臭さが少ないです。

果実がたくさんなり、収穫量が多いです。
白いものよりも若干の青臭さがあります。

しかし、栽培において大きな差はありません。

ハヤトウリの栽培・育て方

ハヤトウリは種ではなく、果実を半分土に埋めて発芽させます。
本当に芽が出てくるのかワクワクするでしょう。

ぐんぐん育ち1株から100個以上とたくさん収穫できるので楽しいです。
何株もあるとお世話が大変ですので、1株か2株で十分でしょう。

また、果実がたくさんつくので、園芸用の格子状ネットか棚を組む必要があります。
ネットを使う場合は、果実の重さに耐えられるように、支柱も利用しでネットを支えられるようにしましょう。

プランターで育てる場合は、大きめのものを使いましょう。
60cmのプランター1つに対して1株までにしましょう。

ハヤトウリの育て方情報

分類・形態野菜・蔓性多年草
草丈・樹高4m~10m
開花の時期9月~10月
花色
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途食用
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月~5月
剪定摘芯を数回行う
肥料6月~9月
開花9月~10月
収穫10月~11月

栽培に必要な準備・環境

それでは、ハヤトウリの栽培に必要な物をご紹介します。

必要な物

  • プランター
  • スコップ
  • 底石
  • 野菜・ハーブ用の培養土
  • 元肥用の有機肥料
  • 支柱50-100cmx4本(害虫対策用)
  • 園芸用ネットか棚

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所を好みます。
日光をたくさん浴びれる場所に置きましょう。

水やり

土の表面が乾いてからたっぷりとあげてください。

肥料

植え付け時に、有機肥料や緩効性の化成肥料を元肥として与えます。
その後、1ヶ月に1回、追肥します。

用土

プランターで育てる場合は、野菜用の培養土を使ってください。

畑で育てる場合は、植え付けの2~3週間前に土づくりをします。
植え付けの約3週間前に土に有機肥料を施します。

有機肥料を施すことで、土の中の微生物が増え、ふかふかの野菜作りに適した土になります。その1週間後(植え付けの約2週間前)に苦土石灰(くどせっかい)をまきます。
苦土石灰を混ぜる事で、土壌を弱酸性(pH6.0~6.5)にします。

また、根が伸びやすいように畑を耕します。

温度

あたたかい気温を好みます。
15度~25度が栽培に適した温度です。

ハヤトウリを育てるときのポイント

植え付け

ハヤトウリは種ではなく、果実を土に埋めて発芽させます。
植え付けは、4月~5月の気温15度~25度くらいの間が適しています。

  1. 大きめのプランターか鉢に底石をひきます。
  2. 野菜用の培養土を8割ほど入れます。
  3. ハヤトウリの果実の半分を土に埋めます。
    この時、果実のお尻の方(まるくなっている方)を土から半分出すようにしてください。
    果実の先(とがっている方)は土の中に埋めて、まるい方を土から出すように、若干斜めになるように置きます。
    必ず半分は土から出るようにし、全て土をかぶせないようにしてください。
  4. 水をたっぷりあげます。
    果実に水分が多いため、植え付け後、発芽まではほどんど水やりは必要ありません。
    土が乾いたら水やりをしてください。
    水やりをしすぎると果実が腐って発芽することができません。
  5. 発芽したら水が切れないようにしましょう。
  6. 丈が30cm以上になったら摘芯を行い、蔓をネットや棚に誘引しながら伸ばしてください。
  7. 朝と夕方の一日2回水やりをします。水を切らさないようにしましょう。
  8. 気温が下がり始めた8月下旬から9月に雌花と雄花が咲きます。果実がなるのは雌花の方です。
  9. たくさん収穫するため、収穫が終わるまでは、1ヶ月に1回は追肥をしましょう。

剪定・摘芯

丈が30cm程度、本葉が5~6枚くらいになったら、摘芯をします。
摘芯をすると、子づるが2本伸びてくるので、小づるが1mくらいになったら、再度摘芯をします。

孫づるに果実をつけます。
孫づるを伸ばすことで、たくさんの収穫ができます。
園芸用ネットや棚に誘引して伸ばします。

収穫

開花から2週間~3週間で収穫ができます。
翌年分の種瓜にする場合は、開花から50日以上たったものを収穫します。
新聞紙にくるんで、翌年の植え付けまで冷暗所で保管します。

気を付けるべき病気・害虫

比較的病害虫に強いですが、アブラムシ、ウリハムシ、ハダニがつくことがあります。
また、うどんこ病にかかることがあります。

また、連鎖障害が起きるため、一度収穫したら同じ土壌は続けて使いません。

殺虫剤・殺菌剤

ウリハムシは、きゅうりなどウリ科の葉っぱを食べてしまう害虫です。
ウリハムシ対策として、苗のまわりに4本支柱を立てます。支柱の周りにビニールを張り、行燈(あんどん)で囲います。

上部はあけておきますが、横からの侵入が防げます。

アブラムシやハダニは、牛乳スプレーなどを散布するか、歯ブラシやティッシュで取り除きます。
葉の裏や新芽を頻繁に確認して、早期に駆除しましょう。

葉っぱに白いカビのようなものを見つけたら、うどんこ病の可能性があります。
初期の場合は、木酸液をうすめたものをスプレーしましょう。
手遅れになると葉っぱを取り除く必要があります。