オダマキは日本で生息するものと、ヨーロッパ原産の西洋オダマキの2種類に分けられ、数多くの園芸品種が作られているお花です。
日本で生息するオダマキは、花弁のもとの部分が突出して距(細長い部分)が伸び花弁が下を向いて花を咲かせる独特な形をしています。
花の形が珍しいことから育てることが難しいように有りますが、実は比較的育てやすい品種でもあります。
今回はオダマキの日本と西洋の種類から育てかたまでご紹介します。
オダマキの基本情報
学名 | Aquilegia |
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英名 | Cilumbine |
その他別名 | 糸操草(イトクリソウ) |
科名 | キンポウゲ科 |
属名 | オダマキ属 |
原産地 | 北半球温帯 |
オダマキの特徴
オダマキは北半球温帯を中心に約70種類もの品種が生息しています。
日本ではヤマオダマキとミヤマオダマキの2種類が山地に分布しています。
よく出回っているのは西洋オダマキの改良種でありさまざまな色の花があります。
オダマキは日本では花の形が麻糸を巻くために使った苧環(オダマキ)に似ていることからその名前がつけられました。
また糸巻きにも似ていることから別名糸繰草とも呼ばれています。
オダマキの英名はヨーロッパの喜劇に道化役のハーレクインと彼の恋人のコランバインが登場し、そのコランバインが持つ盃がオダマキと良く似ていることからつけられたと言われています。
またその道化役に由来して「愚か」という花言葉ができたようです。
その他に、ヨーロッパではライオンがオダマキの葉を食べることから非常に力がある花であるということで、両手でオダマキの葉をこすりつけるだけで勇気がでるとういことから「勝利への決意」という花言葉もできたと言われています。
オダマキの種類
オダマキは日本原産ととヨーロッパ原産のセイヨウオダマキの2種類に大きく分けられます。
日本原産
ミヤマオダマキ
高山帯のザレ地や草地に自生し本州から北海道にかけて多く分布しています。
芽の中心から花茎を伸ばし、直径3㎝ほどの大きさの花を1~5綸咲かせます。
ヤマオダマキ
北海道から九州に広く分布し、山地の林や草地に自生します。
紫褐色または白色の額で花弁は淡黄色、花弁は下向きに咲きます。
西洋オダマキ
一般の園芸品種で花色や花型が豊富にあるため人気の種類です。
ウィンキーダブル
コンパクトは草姿で、花の色は青や赤色があり八重咲きする花弁ににふちが白く花弁が細かく波打ち華やかな花を咲かせます。
ノラバロウ
距がなく桃色の花弁にクリーム色のふち色が入り、花弁は八重咲きで可愛らしい印象のお花です。
ローズバロウ
桃色の細い八重咲きの花弁が下を向いて咲く可憐な印象のお花です。
クレメンタイン
距がなく、花色が豊富にあり八重咲きのクレマチスのような花が上を向いて咲くお花です。
ヴェルヴァエネアナ
葉に美しい黄色の班や掃き込み班が入る園芸品種。花弁は八重咲で花色も豊富にあります。
オダマキの栽培・育て方
育てやすい事が特徴のオダマキですが、基本的に日光が当たる場所を好みます。
ただし夏の暑さや強すぎる日差しは苦手なため、その点に注意すれば元気に花を咲かせてくれます。
またオダマキの種類によって用土も異なるため種類と育て方に注意しましょう。
オダマキの育て方情報
分類・形態 | 草花・多年草 |
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草丈・樹高 | 20~50㎝ |
開花の時期 | 4月~7月 |
花色 | 白・ピンク・赤・オレンジ・黄・青・紫・複色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 落葉性・日陰でも育つ・初心者でも育てやすい |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 2月~3月 |
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肥料 | 3月~7月・9月 |
開花 | 4月~7月 |
収穫 | 4月~7月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
風通しがよく日当たりのいい場所におきましょう。
夏場の暑さや強い日差しは苦手なため夏場は午後は日陰に移すか、明るい日陰におくようにしましょう。
水やり
鉢植えで育てている時は土の表面が乾いたら水をたっぷりあげましょう。庭植えの時は特に水は必要ありません。
ただし、晴天が続いて土の乾燥が目立つときは水やりが必要です。
肥料
植え付けの際は緩効性化成肥料を混ぜて用土を準備しましょう。
肥料にはリン酸やカリウムが多く含まれているものを選んでください。
追肥には、花が咲く5月~9月の期間は1週間~10日に一回液体肥料を施してください。
用土
日本原産のものと西洋原産のもので異なります。
日本原産:市販の山野草用の培養土を準備します。配合する場合は、小粒赤玉土6~7、腐葉土4~3の割足で配合してください。
または後部サイズの硬い質の鹿沼土4、桐生砂4、軽石2の割合でも育てる事が出来ます。
西洋原産:小粒赤玉7、腐葉土3で配合するか、もしくは赤玉土4、鹿沼土3、軽石3の割合でも育てることができます。
どれも小粒のものを選んでください。
オダマキを育てるときのポイント
選び方
開花しているオダマキの苗は3月頃より流通します。
下葉が変色しておらず、茎がしっかりしていて虫食いのない元気な苗を選びましょう。
花芽が出てきている苗であれあば早く開花します。
種まき・植え付け
種も手に入りやすく育てることもできます。
種から育てる場合は育苗箱を用意して小粒の赤玉土を入れて種を重ならない様にまきます。
土は被せずに乾燥しないよう水やりはしっかりおこなって、2~4週間で発芽が観られます。
苗がある程度成長したら植え替えをしましょう。
植え付けは、オダマキの根は直根性という性質のため傷つけない様注意が必要です。
根についた土は崩さずに植え付けてください。
植え替え
鉢植えで育てる場合は毎年もしくは2、3年に一度は植え替えが必要です。
3月か9~10月の間に作業しましょう。
植え替えの際は傷つけない様に丁寧に行い、細長く伸びている根ははさみなどで切り落としてから植えましょう。
庭植えの場合は植え替えは必要ありません。
ふやし方
咲き終わった花から種を取り出すことができます。
また2月~3月の目が出る前に、植え替えと合わせて、株分けすることもできます。
株を土から掘り起こして、根が自然に分かれている時はその部分を優しく手で分けましょう。
根が繋がっている場合は、清潔なナイフかハサミで切り分け、それぞれの切り口に雑菌が繁殖しないように砂金剤を塗って保護してください。
分けた株を鉢に植えて植え替えします。
気を付けるべき病気・害虫
病気
うどんこ病に気を付けましょう。
カビが繁殖して葉の表面が白くなる病気です。症状が出た葉は切り取りましょう。
害虫
ヨトウムシ
夜に現れて葉やつぼみを食べます。
5~7月、9~10月に発生しやすく、成長が早くすぐ増殖するため、卵を見つけたら葉ごと切取るか、幼虫は見つけ次第駆除しましょう。
ハダニ
あたたく乾燥すると発生しやすくなります。
葉の裏に寄生し葉を枯らしてしまいます。
アブラムシ
葉や茎につき栄養を奪い枯れてしまいます。
殺虫剤・殺菌剤
うどんこ病に重曹を溶かした水を散布するか、予防には風通しの良く日当たりのいい場所におくようにしましょう。
ハダニは少量の場合はセロハンテープで除去するか大量の場合は市販の散布タイプの殺虫剤を使いましょう。
庭植えの場合は根元をワラで覆って乾燥を防ぐことも有効です。
アブラムシは市販の散布系の殺虫剤か、水と牛乳を1:1で割ったものを散布することも有効です。