初心者におすすめ!アロエの種類と育て方のコツ・食べ方

鋭い刀のような力強い姿を持つアロエ。その見た目とはうらはらに食べれば美味しく、美容にも良い効果がたくさん。丈夫なので初心者でもベランダで簡単に育てる事ができます。

今回はおウチにひとつあると便利なアロエについてまとめてみました。

アロエの基本情報

学名Aloe
英名Aloe
その他別名蘆薈(ロカイ)・医者いらず
科名ススキノ科
属名アロエ属
原産地アフリカ・マダガスカル・エジプト・アラビア半島など

アロエの特徴

アロエの歴史

アロエの歴史は大変古く、古代エジプトでも美、健康のための薬草として幅広く利用されていました。

クレオパトラもお肌のお手入れにアロエを取り入れ、美しさを保っていたのかもしれませんね。

また、医者いらずと言われてきたアロエですが、コロンブスが航海に出る際は、万能なアロエを薬のひとつとして積んだとも記録があります。

紀元前から人々の生活に取り入れられてきたアロエは、現代においても私たちにとって万能な植物だと言えます。

お守りとして

アロエにはいくつかの花言葉がありますが、スペイン語では「Sabila」、幸福という意味を持っています。
南アメリカでは、幸福を呼び寄せるお守りとして玄関口にアロエを吊るす事もあるそうです。

アロエの種類

アロエは多肉植物のひとつで世界中に500種類以上の種類があると言われています。手乗りサイズのかわいらしいものから、斑点が美しい観賞用のもの、大きく木のように育つ迫力があるものまであります。

アロエ・ベラ

土から広がって生えていているのが、アロエ・ベラです。葉っぱが大きく、肉厚で食用のアロエとして知られており、食べるとプルプルとした食感ととろみがあります。

アロエ・ベラの美味しい食べ方

  1. よく洗い、皮をむきます。皮をむくとき時、ぬるぬるして滑りやすいので、まな板の上に置き、皮と身の間に包丁を添わせるように切ります。
  2. 皮をむいたアロエを1cm角程度に切り、熱湯で1分ほど茹でたらざるにあげます。
  3. 鍋に戻し、お好みで砂糖やはちみつを入れてさらに2分ほど煮ます。冷ましたら冷蔵庫に入れてください。
  4. ヨーグルトに添えたり、飲み物に入れて召し上がれ。食べ過ぎるとお腹がゆるくなる可能性があります。特に妊娠中や生理中は注意が必要です。

キダチアロエ

茎が成長して木のようになるため、キダチアロエという名前がついています。
90%以上が水分で薬用として使われる事が多いのがキダチアロエの特徴です。

キダチアロエ葉エキスは育毛の促進や美白効果をもたらし、化粧品の成分としてもよく使われています。冬になると、赤い花をつける事もあります。

グラスアロエ

細長い草のように生えているのが、グラスアロエです。ひょろひょろとしていますが、アロエなのでとても強い植物です。オレンジ色の花を咲かせる事もあります。観賞用です。

アロエ・プリティカス

こちらも観賞用のアロエとして人気があります。通常アロエはトゲがある葉を四方八方に葉を広げて成長しますが、アロエ・プリティカスの細長い葉にはトゲがなく、扇型に広がって育つのが特徴です。

不夜城

英語ではAloe Nobilisと言いますが、別名Gold Tooth Aloe(金歯のアロエ)とも呼ばれており、その名の通り金色(黄色)のトゲを持つのが特徴の観賞用のアロエです。オレンジ色の花を咲かせる事もあります。

たくさんの種類から目的にあったお気に入りのアロエを見つけてみるのも楽しいですね。

アロエの栽培・育て方

アロエは水やりやお手入れが比較的少なく丈夫な植物なので、一年中を通して初心者でも簡単に育てられます。

暑さと乾燥にとても強く丈夫ですが、水はけが重要なポイントとなります。生育期の春(4月)くらいから秋(9月)くらいまでがアロエの生育期です。

生育期と冬場では育て方に少し違いがありますので、以下の説明を参照して下さい。

アロエの育て方情報

分類・形態多肉植物・観葉植物・多年草・低木・つる植物など種類による
草丈・樹高20cm前後の小型のものから10m以上になる大型種も
開花の時期12月頃から3月頃の冬
花色オレンジ・赤・黄色など
耐寒性普通・10度以下は室内推奨
耐暑性強い
特性・用途観賞用・食用・医薬品用など
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け3月から9月
植え替え3月から9月
剪定3月から9月
肥料3月から9月
開花3月から9月
収穫3月から9月

栽培に必要な準備・環境

まずは、アロエの生育に必要な環境や条件をみてみましょう。

必要なもの

  • アロエの苗
  • 鉢(必ず底に穴があるもの)
  • 肥料
  • 底石
  • 園芸用手袋
  • スコップ

用土

アロエを育てるには、水はけがよく適度に保湿をしてくれる土を使います。

ホームセンターや園芸店に行くと、多肉植物やサボテン用の土が売られていますので、初心者はこういったものを使うのが便利でしょう。水はけをよくするために、必ず鉢の底に底石をしきましょう。

肥料

肥料はあまり必要としませんが、少量の肥料はアロエが元気よく育つために与えるとよいでしょう。

肥料は生育期の春口に1回と秋口に1回程度あげ、冬場は控えてください。

食用にアロエを育てる場合、化成肥料ではなく有機肥料を使いましょう。有機肥料はあぶらかす、乾燥した発酵鶏糞や牛のたい肥等がおすすめです。

観賞用のアロエであれば、多肉植物・サボテン用の化成肥料を使ってもよいでしょう。植え替えの際に肥料をあげる時は、根に肥料が直接ふれないように注意して下さい。

日当たり・置き場所

アロエはアフリカやエジプトなど暑くて乾燥している地域が原産なため、お日様が大好きな植物です。

暑さにはとても強いので直射日光で育てても問題ありません。たくさん太陽を浴びることで、しっかりとした葉っぱ、強い株が育ちます。

お花屋さんの店内に長く置かれていたものを急に直射日光に当てると、葉焼けしていまう可能性があるので、日陰や明るい窓際から徐々に日光に慣らしていくのがよいでしょう。

アロエは寒さにも比較的耐えられます。ただし水分を多くふくむ為、あまり寒い場所だと凍ってしまいます。特に冬場は直接雨や雪があたるのを避けて、霜がおりない場所に置くか室内で育てる方がいいでしょう。

水やり

乾燥にとても強いので、毎日水をあげる必要はありません。春から秋は週に1・2回程度、土の表面が乾いてきたら水をあげて下さい。

たっぷりと水をあげたら、底穴からざぁっと流れ出すのがよい状態です。あまり頻繁に水をあげすぎると、根腐れをおこしたり、下の方の葉っぱが溶けてきてしまいます。

冬場はほとんど水やりをしなくても問題ありませんので、控えるようにしてください。

温度

暖かい気温を好みます。春から秋は屋外に置いておいて問題ありません。冬場は気温が10度以下になったら、室内にとりこんだほうが凍ってしまうのを防げます。

アロエを育てるときのポイント

選び方

種から育てる方法もありますが初心者がアロエを育てたい場合は、まずは苗から育ててみましょう。良い苗を選ぶ際のポイントは以下です。

  • 葉っぱが肉厚で、トゲがしっかりしているもの
  • 茎が太く土にしっかりと根付いているもの
  • 葉先までピンと張っていて、濃い緑色のもの

植え替え・鉢替え

鉢が割れそうなくらい大きくなってきたら一回りか二回り大きな鉢に植え替えてください。

植え替え時期は、生育期の春から秋がおすすめです。トゲが鋭いので、園芸用の手袋をつけて作業してください。植え替え手順は以下です。

  1. 鉢から土ごとアロエを引き抜く
  2. 根のまわりを手でよくもみながら古い土を落とす。
  3. 新しい鉢に底石をしき、多肉植物用の土を三割ほど入れる。
  4. アロエを中心に置き、手で押さえながら、周りに土をいれる。
  5. 手のひらで土とアロエを優しくぎゅっとさせてぐらぐらしないようにする。
  6. すぐに水やりはせずに、1週間ほど待ってから水やりをする。

ふやし方(株分け・挿し木・葉挿し等)

アロエは株分けや挿し木で増やすことができます。

株分け

株分けをする1週間前は水やりを止めます。植え替えをする時に株分けをするとよいでしょう。

  1. 植え替えの時に古い土を根から落とし、親株の根本から子株を優しくとる
  2. 子株に根をつけたまま、小さめの鉢に植える
  3. すぐには直射日光に当てないようにして、屋外の明るい日陰に置く
  4. 1週間したら水やりをし、少しづつ日光に当てていく

挿し木

挿し木でも増やすことができます。

  1. 茎からゆっくりとはがすように葉っぱをとる
  2. 取った葉っぱは日陰で3日から1週間程度、切り口をしっかりと乾かす
  3. 乾いた葉を土に植えて根が出て安定するのを待つ。必要であれば、支柱を立て支える
  4. 1週間から10日くらいは水をあげずに、明るい日陰に置く

根が出て安定するまで1か月以上かかるので、葉にスプレーで水をかけたりして水分をコントロールしましょう。水をやりすぎて根本が腐らないように注意しましょう。

気を付けるべき病気・害虫

根にネジラミが発生する事があります。

また、カイガラムシやアブラムシがつくことがあります。日頃から葉の裏側や茎をよく観察し、発生したら早期に対処しましょう。ネジラミは鉢替えの時に確認するようにしましょう。

殺虫剤・殺菌剤

ネジラミにはオルトランの薬剤を利用しましょう。

カイガラムシやアブラムシは早期であれば牛乳を霧吹きでかけて退治できます。または、歯ブラシで落としたり、ティッシュで取り地道に退治する方法もあります。