
プルメリアは中南米や東南アジアなど熱帯・亜熱帯地域が原産の樹木です。
生長すると10m近くまで大きくなります。
ハワイやタヒチの花輪「レイ」に使われたり、バリのスパなどでも使われています。甘いフローラルな香りを持つため、エッセンシャルオイルや芳香剤の原料にもなります。
また、その可愛らしい花の姿は、アクセサリーや装飾品デザインにも多く使われています。
今回は、そんな素敵なプルメリアの育て方を初心者にも分かりやすくご紹介します。
プルメリアの基本情報
学名 | Plumeria sp |
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英名 | Plumeria(プルメリア)・Frangipani(フランジパニ) |
科名 | キョウチクトウ科 |
属名 | インドソケイ属(プルメリア属) |
原産地 | 中南米・東南アジア等の亜熱帯地域 |
プルメリアの特徴
プルメリアという花の名前は、フランスの園芸家シャルル・プリュミエ(CharlesPlumier)が1600年代に発見し、記述した事からつけられたと言われています。
プルメリアは、ハワイやタヒチの花輪「レイ」や髪飾り、また女性の既婚・未婚を表すものとして使われています。
既婚者やパートナーがいる女性は左に、未婚の女性は右につける事がしきたりです。
また、インドネシアのバリではフランジパニ、もしくはジュプンと呼び、ヒンズー教のお供えに使います。
バリでは、チャナンと呼ばれるヒンズー教のこのお供えを毎日作り、お寺以外にも家の周辺や中などあらゆるところに置きます。
毎日作るため、手軽に入るプルメリア、ハイビスカス、ブーゲンビリア等のお花がよく使われています。
プルメリアの種類
プルメリアは種類が多く、200~300種類ほどもあると言われています。
プルメリア オブツサ
白色で中心が黄色のお花。
プルメリアと言ったらまずこれを想像される方が多い品種です。
プルメリア ディバイン
ピンク色で中心が黄色のお花。
花付きがよい品種です。
プルメリア ドワーフ シンガポールピンク
薄ピンク色に中心が黄色いお花。
コンパクトに成長します。
プルメリア ポールウェッチ
はっきりした黄色と大き目のお花が特徴です。
丈夫で育てやすい品種です。
プルメリア デューク
赤色で中心が黄色のお花。
香りがよくレイにも使われる品種です。
プルメリアの栽培・育て方
プルメリアは、暖かい国々の庭木や公園で特別なお手入れをしなくても、元気よく自生している丈夫な樹木です。
日本では冬を越す必要がある為、庭ではなく鉢植えで育てるのが一般的です。
温度や水やりに気を付ければ、初心者でも育てる事ができます。
但し、日本では花をつける年と、つけない年もあるので気長にお手入れしましょう。
プルメリアの育て方情報
分類・形態 | 熱帯植物・低木・高木 |
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草丈・樹高 | 0.5~10m |
開花の時期 | 6月~10月 |
花色 | 白・ピンク・黄色・赤・複色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性・落葉性・開花期が長い・香りがある |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 4月~6月 |
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植え替え | 4月~6月 |
剪定 | 9月~10月 |
肥料 | 5月~10月 |
開花 | 6月~10月 |
栽培に必要な準備・環境
それでは、プルメリアを育てるために必要な物や環境をみてみましょう。
まず、プルメリアの樹液は毒性があります。
樹液に触れると、かぶれたり、目に入ると大変危険です。
必ず手袋や眼鏡をして作業をしましょう。
万が一、皮膚についてしまった場合はすぐに洗い流してください。
必要なもの
- プルメリアの苗木
- 園芸用手袋やゴム手袋
- 目を保護するための眼鏡やゴーグル
- 鉢(必ず底に穴があるもの)
- 土 (市販の培養土)
- 底石
- スコップ
- 1.鉢に底石を置きます。
- 2.培養土を鉢の1/3ほど入れます。
- 3.プルメリアの苗木を真ん中に置き、周りに土を入れます。
- 4.手で優しくぎゅっと土をおさえ、苗が倒れないようにします。
- 5.直射日光を避け、1週間くらいは明るい日陰に置きます。
- 6.その後は、日当たりの良い場所に移してください。
日当たり・置き場所
日当たりと風通しが良い場所を好みます。
原産地では、たくさんの日光をうけて生育している樹木です。
プルメリアの生育期は春から秋で、この時期は株が生長します。
たくさんお日様にあててあげて下さい。
冬でもカーテン越しになるべく日光をあててあげてください。
但し、冬の窓際は室内でも寒いため、夜間は移動するなどして温度管理にも気を付けましょう。
水やり
プルメリアは乾燥に強い植物です。
土が乾いたら、鉢の底穴から流れ出てくるまでたっぷりとあげてください。
水のあげすぎや常に土が濡れているような状態は、根腐れの原因となります。
冬場は、土が乾くのに時間がかかります。
土の状態を確認し、乾いていたら水やりを控えめにしてください。
特に冬場は乾燥気味に育ててください。
肥料
リン酸が多めの肥料を与えます。
植物の肥料には生長に必要な、窒素(N):リン酸(P):カリウム(K)が主に含まれています。
葉:花/実:茎/根と覚えておくとよいでしょう。
この割合が同じものもあれば、異なるものもあります。
例えば、5:10:5と記載があるものは、真ん中のリン酸の割合が高く、より花に効果がある肥料という事を表しています。
プルメリアには、リン酸(N)が多めの肥料を与える事で開花を促進します。
用土
水はけのよい土を好みます。
市販の培養土を使ってください。
温度
15~25度がプルメリアが生長できる最適な温度です。
寒さには弱いので10度以下は好みません。
冬場は、家の中に鉢を移動してください。
3月か4月頃になり、新芽が出てきたらプルメリアが冬のお休みから起きた合図です。
室内から日光をなるべくあてて、そのまましばらく待ちます。
気温が15度以上になったら外に出してよいですが、夜間気温が下がるような場合は室内に取り込んでください。
一日中15度を超える暖かい日が続いたら、外に置きっぱなしにしてください。
プルメリアを育てるときのポイント
植え替え・鉢替え
2~3年に1回、植え替えを行います。
鉢の底から根が出てきているような場合や、鉢よりもずいぶんお大きく生長して鉢がきつくなっている場合には、2まわり大きな鉢に植え替えて下さい。
植え替えは、苗を植えた時と同じ手順です。
古い土を優しく落としてから、新しい鉢に植え替えて下さい。
また、樹液は毒性がありますので、手袋と眼鏡を忘れずにつけて作業をして下さい。
剪定/切り戻し
大きく生長したら剪定します。
切った枝は挿し木に使えますので、同時に挿し木をするとよいでしょう。
挿し木をする為には、1週間前から水やりを控えるようにしてください。
ふやし方
挿し木で増やす事が出来ます。
樹液には注意をし、15~20cmほど枝を切ります。
切り口の樹液を水で洗い、数日から1週間くらいは日陰で切った枝を乾燥させます。
切り口が乾いたら、培養土にさします。花が咲くまで1~3年前後かかる事もあるので、気長にお手入れをします。
気を付けるべき病気・害虫
ハダニやアブラムシやカイガラムシがつくことがあります。
葉の裏や茎を定期的に見るようにしましょう。
また、水やりの時に葉や葉の裏にもシャワーをしてあげる事で害虫の予防にもなります。
殺虫剤・殺菌剤
ハダニやカイガラムシ等の害虫を早期に見つけられた場合は、牛乳スプレーやニームオイルを使い駆除します。
もしくは、歯ブラシやティッシュを使い、取り除いてください。