スパティフィラムは、寒さ対策などに少し手間がかかりますが、その分愛着がわく植物です。花が咲かない場合は、光不足が考えられますので、置き場所を変えたり植物の様子を見て管理します。
植え替えの方法に合わせて、日々の管理について紹介します。
スパティフィラムとは?スパティフィラムの魅力
スパティフィラムは、仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる花(苞)です。仏炎苞とは、サトイモ科の花に多い形で、苞が仏像の背後に見られる仏炎に似ていることから、この名前で呼ばれます。
本当の花は、中央の黄色部分になります。
スパティフィラムの基本情報
学名 | pathiphyllum |
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英名 | Spathiphyllum |
科名 | サトイモ科 |
属名 | スパティフィラム属 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
スパティフィラムの植え替えが必要な理由は?
スパティフィラムは、生育旺盛なので根詰まりする前に、2年に一度のペースで植え替えましょう。健康な株は、1年もすると子株が増えて、鉢が根でいっぱいになります。大きな鉢に植え替えるか、株分けしてあげます。
今回のスパティフィラムは、葉が茶色くなり、あまり元気がありません。水の抜けが悪くなっているようで、土の状態が気になります。鉢の裏から根が出てきましたので、急いで植え替えることにしました。
スパティフィラムの植え替えに適した季節
スパティフィラムの植え替えに適した季節は、暖かくなった5月頃で、生育期である5月から8月頃までは植え替えが可能です。
花のついている間は、できるだけ避けた方がスパティフィラムへの負担が少なくて、回復も早いです。
スパティフィラムの植え替えで今回用意したグッズを紹介
スパティフィラムの植え替えに使ったグッズを紹介します。
- 鉢
- 赤玉土
- バーク堆肥
- 化成肥料
- 菜箸
- 園芸シート
それぞれの用途を説明します。
鉢
鉢は、元の鉢よりもひと回り大きい鉢にします。
鉢が大きい場合は、鉢底石を入れて土の量を調節したり、根の状態を見て鉢の大きさを決めましょう。
今回植え替えに選んだプラスチック鉢の底は、メッシュ状になっていますので、鉢底ネットを使いませんでした。素焼きの鉢など、鉢底穴が大きいものは鉢底ネットを準備しておくと良いですね。
赤玉土
赤玉土を加えると、通気性と排水性が良くなります。栄養分が含まれていないので、他の用土と一緒に使います。
赤玉土には、大粒・中粒・小粒があり、粒が大きいほど、水はけが良くなります。
バーク堆肥
我が家ではバーク堆肥をよく使いますが、腐葉土も良いですね。バーク堆肥は、土壌改良効果があり、土をふかふかにします。
化成肥料
化成肥料には固形や粉末などの形状があります。今回は、元肥に粒の小さいものを使い、生育期の肥料に鉢のふちへ置ける粒の大きいものを使いました。
菜箸
古くなった菜箸を、植物用に使っています。
土をほぐすのに使ったり、土を押し入れる時にも菜箸があると便利です。
園芸シート
園芸シートの上で作業をすると、土がこぼれず後片付けもしやすいので便利です。四隅をボタンでとめて立体的にすることができます。折り畳んで片づけられる点もおすすめですね。
スパティフィラムの植え替え手順
スパティフィラムを植え替える手順はこちらです。
- 鉢を選びます
- スパティフィラムを鉢から取り出します
- 鉢を洗います
- 土を準備します
- 植えつけます
一つ一つみていきます。
①鉢を選びます
鉢は、元の鉢よりもひと回り大きい鉢を選ぶか、株分けする場合は2鉢準備します。今回は株分けせずに、植え替えをします。
青い鉢は、元の白い鉢より下の部分が大きいので、やや容量の大きい鉢になります。鉢がもう少し大きい場合は、鉢底石を敷いて使うと良いですね。
②スパティフィラムを鉢から取り出します
園芸シートの上に鉢を置いて、作業します。まずは鉢の内側の土を菜箸でほぐしながら、優しく取り出します。その時に、茎などを引っ張らないようにしましょう。
取り出してみると、根がたくさん張っていました。あまり元気がなかったのは、根が生長するスペースがなかったからでしょうか。
根をほぐして、下から3分の1ほど古い土を落とします。傷んだ根は、取り除いておきましょう。
③鉢を洗います
鉢をきれいに洗います。こちらのプラスチック鉢の鉢底は、写真のように排水しやすい形状になっています。今回は、鉢底ネットや鉢底石は入れずに土を入れていきました。
鉢の大きさと鉢底の形状、植物の根の状況に合わせて、鉢底石を敷きます。
④土を準備します
培養土に多めの赤玉土とバーク堆肥、化成肥料を混ぜ合わせました。写真下が赤玉土、右上の黒っぽく見えるのがバーク堆肥です。我が家では、バーク堆肥を使っていますが、腐葉土でも良いですね。
そこへ少量の化成肥料を加えます。
⑤植えつけます
鉢へ土を入れていきます。スパティフィラムは、土を多く入れすぎないように、一度株を入れてみて、植えつける高さを調節します。
小さめのスコップや、菜箸があると便利ですね。菜箸で土をつつきながら、土が根の間にも入るようにします。最後に、土を手で押さえてあげましょう。
スパティフィラムの植え替え完了!管理について
スパティフィラムの植え替えが完了しました。
生育期である暖かい時期は、戸外の明るい日陰か半日陰に置きます。秋になりましたら室内の明るいところへ取り込んであげましょう。
スパティフィラムは寒さが苦手なので、冬の温度に気をつける必要があります。寒い時期の管理が、やや難しいですね。
寒さを乗り越えるコツは、夜の間は窓際から離すなど、できるだけ暖かいところに置くことと、水やりは控えめにして乾燥気味に育てることです。
このスパティフィラムも、無事に冬の寒さを乗り越えて、春の植え替え時期を迎えました。花つきが悪いことも気になっていましたので、植え替え後はできるだけ明るい場所へ移動していました。すると2週間が経ち、写真のように花芽が出てきました。
生育期には固形肥料を与えるなど、しっかりとした株に生長させて、冬の寒さに負けないよう、見守ってあげたいと思います。