
ケイトウは、ヒユ科ケイトウ属の色鮮やかな花を持つ草花です。
春に種まきをして、夏から秋にかけて花を楽しむ事ができます。
お世話が少なく丈夫なため、放っておいても勝手に育ってくれるので園芸初心者にもおススメです。
どんな植物とも相性が良いので、寄せ植えも適しています。
今回は、そんなケイトウの育て方とコツをご紹介します!
ケイトウの基本情報
学名 | Celosia Cristata・Celosia Argentea |
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英名 | Celosia・Plumed Cockscomb・Silver Cock's Comb |
その他別名 | 鶏頭・セロシア |
科名 | ヒユ科 |
属名 | イトウ属(セロシア属) |
原産地 | 熱帯アジア・インド |
ケイトウの特徴
ケイトウはその見た目がニワトリの鶏冠(とさか)に似ている事から、この名前がつけられました。
また、学名であるセロシアは、ケイトウの花が炎のように見えることからギリシャ語の「燃焼」が語源になっています。
東南アジアやアフリカでは、花や葉を食用とする所もあります。
日本では、お供え花に使われる他、アレンジメントや切り花としても人気があります。
ケイトウの種類
ケイトウは、品種改良が進み、色や形がたくさんあります。
また、いくつかの系統に分かれています。
トサカ系
平べったく扇型の花が特徴です。
花は、一見ベルベッド素材のようにも見えます。
アレンジメントにも使われる品種です。
久留米系
トサカ系の花に似ています。
トサカ系よりもころっと丸い形の花が特徴です。
お供え用のお花にも使われます。
羽毛系(プルモーサ系)
トサカ系、久留米系とはまったく異なる見た目です。
火が燃えているようにも見えます。
キルドシー系(ヤリゲイトウ系)
羽毛のような花がまとまって茎の先に咲きます。
ノゲイトウ(セロシア)
1本の茎の先にいくつかの花をつけます。
紫の花の他、淡い色の花もつけます。
ケイトウの栽培・育て方
ケイトウはお手入れがほとんど必要ない為、初心者にもとても育てやすい植物です。
鉢植えでも地植えでもどちらでも育てられますが、根が弱いため植え替えや移植は避けましょう。
植え付けの時には、これらに留意をして植え付ける場所を決めるようにしてください。
ケイトウの育て方情報
分類・形態 | 草花・一年草 |
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草丈・樹高 | 20cm~1.5m |
開花の時期 | 7月~11月 |
花色 | 赤・ピンク・赤紫・黄色・オレンジ |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花期が長い・初心者でも育てやすい・観賞用・アレンジ用 |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 4月中旬~6月(種まき) |
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剪定 | 8月下旬~9月上旬 |
肥料 | 5月中旬~8月 |
開花 | 7月~11月 |
収穫 | 9月~11月 |
栽培に必要な準備・環境
それでは、ケイトウを育てるために適した環境をみてみましょう。
日当たり・置き場所
基本的には屋外で育てます。
日当たりがよく、風通しのよい場所を好みます。
暑さに強い夏の花ですが、西日は避けてください。
出来れば庭の南側・東側の庭が良いでしょう。
水やり
朝か夕方のどちらか1回水やりをしてください。
真昼の暑い時に水やりをしないでください。
水やりをする際は、根本にゆっくりと水やりをして、なるべく葉には水がかからないようにしましょう。
土からの跳ね返りの水で、灰色かび病にかかる原因にもなります。
肥料
植え付けの際に元肥を与えておけば、その後は肥料をあげなくても元気に育ちます。
元肥がないような栄養のない土に植えた場合は、液肥で追肥をするとよいでしょう。
用土
どんな土壌でも比較的元気に育ちますが、市販の草花用の培養土を使うことをおすすめします。
自分で配合する場合は、赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを6:3:1の割合で混ぜてください。
庭に地植えする場合は、腐葉土と堆肥などの有機肥料を混ぜこみましょう。
また、ケイトウは連鎖障害を起こします。植える際は、2年以上植えた事がない場所や土に植えて下さい。
温度
25度前後がケイトウの発芽に適した温度です。
生育に適した温度は20度から30度です。
寒さは苦手です。
ケイトウを育てるときのポイント
次にケイトウを育てる時のポイントをご紹介します。
選び方
ケイトウの苗を選ぶ時は間延びしていないものを選びましょう。
種まき
ケイトウは種まきから育てることもできます。
草丈を大きくしたい場合は、5月までには種まきをします。
草丈を短くしたい場合は8月に種まき、秋に花を咲かせましょう。
- ポットかプランターに底石をひき、用土を8割ほど入れます。
- 6~9cm前後のポットであれば、5~10粒の種をまいてください。
プランターの場合は、パラパラと種をまきます。 - 約2mm程度、うすく土を被せて水をやります。約1週間~10日で発芽します。
- 発芽してからはお日様によく当てましょう。
- ポットの場合、双葉が開花した頃に根を傷つけないように1本ずつポットに移します。
- 本葉が出たら、1000倍にうすめた液体肥料を1週間に1度与えて下さい。
- ポットに根がしっかりとまわったら、定植します。
根を崩さないようにしましょう。
大型の品種は25cm~30cmの間隔、小型の品種は10~15cmの間隔になるようにしましょう。
65cmのプランターで、苗3つくらいが目安です。 - 種まきから約2か月ほどで開花します。
ふやし方
種まきで増やします。
長く楽しみたい場合は、種まきの時期をずらすことで開花時期をずらす事ができます。
収穫
花から種を採ることができます。
花が枯れて茶色く乾いたら花を切り、紙の上でとんとんとすると黒い種がとれます。
陰干しをしてから紙に包んで保管しましょう。
気を付けるべき病気・害虫
アブラムシ、ヨトウムシ、ハダニがつく事があります。
また、灰色かび病や立ち枯れ病にかかることもあります。
特に新芽や葉の裏に害虫がついていないか確認しましょう。
また、土からの跳ね返りの水で灰色かび病にかかる事もあります。
水やりは、やさしく根本にしてください。
殺虫剤・殺菌剤
アブラムシは見つけ次第、ティッシュや歯ブラシで駆除しましょう。
ヨトウムシは夜になると土のなかから出てきて葉を食べてしまいます。
卵のうちに駆除するのがベストですが、万が一幼虫になってしまったら、オルトラン水和剤やゼンタリー顆粒水和剤などを使い駆除しましょう。
灰色かび病は、かかってしまった葉を切り取りましょう。
立ち枯れ病にかかってしまったら、株を抜き取り病気が広がらないようにするのが重要です。