
ダリアは、大きく華麗な花を咲かせ、おしゃれでエレガントな存在感を持っています。
洋風のガーデンや、花束、アレンジメントによく取り入れられており、独特な魅力を加えます。
現在では品種改良が進み、花色、花の大きさ、咲き方にも豊かなバリエーションがあります。
育て方のポイントをおさえれば、初心者にも難しくなく、毎年素敵な花を咲かせてくれるでしょう。
今回はそんなダリアの特徴や栽培方法を詳しくご紹介します。
ダリアの基本情報
学名 | Dahlia |
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英名 | dahlia |
その他別名 | テンジクボタン(天竺牡丹) |
科名 | キク科 |
属名 | テンジクボタン属(ダリア属) |
原産地 | メキシコ~中央アメリカ |
ダリアの特徴
ダリアは、メキシコやグアテマラ原産の球根植物の多年草で、ヨーロッパを経て、江戸時代にオランダから長崎に持ち込まれ、日本に渡来しました。
キク科テンジクボタン属(ダリア属)に属し、花が牡丹(ボタン)に似ていることから天竺ボタンという和名が付いています。
開花時期が長いことが魅力で、初夏から秋にかけて花を咲かせます。
品種にもよりますが、開花のピークは6月、7月になります。
花言葉は、華麗・気品・優雅・移り気・裏切り・不安定。
可憐や気品は、まさにダリアの花姿のイメージとピッタリですね。
一方、裏切りや移り気といったネガティブな花言葉も付いています。
一説によると、ナポレオン一世の娘ジョセフィーヌに起因するようです。
ダリアはフランス革命の不安定な時代に、ヨーロッパで栽培が盛んになり始めたのですが、ジョセフィーヌがダリアをひどく気に入り、周りの人に一切譲らなかったために他の貴婦人がジョセフィーヌの庭から盗んだ、という話が元となり、ネガティブな花言葉が付けられたといわれています。
ダリアの花色には、赤、紫、ピンク、オレンジ、白、藤色などなどさまざまなものがあり、色別の花言葉もあります。
赤いダリアは、栄華・華麗。黄色は、栄華・優美。白いダリアは、感謝・愛情、となっています。
ダリアの種類
ダリアには現在多くの品種が存在しており、デコラティブ咲き、ボール咲き、ポンポン咲き、カクタス咲き、アネモネ咲き、ピオニー咲きなど、16種類に分類されます。その中でも代表的な品種をご紹介します。
皇帝ダリア
木のように育つ、草丈が極端に長いものです。大きいものだと6mまで生長します。キダチダリアとも呼ばれます。
「ギャラリー」シリーズ
中型のダリアで、花にボリュームがあります。
ピンボール
実生系ダリア(種から育てるタイプ)で矮性種。様々な花色があります。
ミッドナイトムーン
銅葉系のダリア(銅のような赤黒い色の葉を持つタイプ)。
ピンクマカロン
ピンクのボール咲きの品種。
ロイヤルクイーン
ピンクと黄色のデコレーションが素敵な、インフォーマルデコラティブ咲きのダリア。
高原の光
黄色、オレンジのグラデーションで、フォーマルデコラティブ咲きのダリア。
ダリアの栽培・育て方
ダリアは、初心者でも比較的育てやすい植物で、鉢植えでも地植えでも栽培できます。
実生タイプもありますが、基本的には球根植物で、春に球根を植えます。
日当たりがよく、風通しのよい場所で育てましょう。
大輪のタイプは、草丈が大きくなるため、庭植えが向いています。
小型のタイプは、庭植えでも寄せ植えや鉢植えにも適しています。
ダリアの育て方情報
分類・形態 | 球根/山野草/多年草 |
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草丈・樹高 | 20~200cm(皇帝ダリアは3~5m) |
開花の時期 | 6月~7月、9月~11月 |
花色 | 赤,ピンク,オレンジ,黄,白,紫,複色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 開花期が長い |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 3月~7月 |
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植え替え | 3月~7月 |
肥料 | 4月~5月、9月~10月 |
開花 | 6月~7月、9月~11月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
ダリアは日光を好むため、基本的に日当たりの良い場所で育てます。
原産地はメキシコなどの熱帯の高地で、夏は冷涼なので、日本の夏の蒸し暑さには向いていません。
真夏の時期は、葉は茂りますが、花はあまりつかないでしょう。
鉢植えの場合は、夏場は半日陰や日陰に移動させてあげることをお勧めします。
水やり
地植えの場合は、定植時にたっぷりと水やりをし、それ以降は降雨でほとんど十分です。
ただ、土がひどく乾燥している場合は適宜水やりを行ってください。
鉢植えの場合は、土の表面が白っぽく乾いたら水やりします。
ただし、花の生育に影響を及ぼすため、花やつぼみに水をかけないように気を付けてください。
冬は休眠期になり、球根が土中に残っていますが乾燥に強いので、特に水やりは不要です。
用土
ダリアは、水はけがよ土壌を好みます。
赤玉土と腐葉土を混ぜた土を用意するか、用土を購入する場合は、市販の草花用培養土で問題ありません。
肥料
植え付け時に、緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。
そのあとは、春と秋に液体肥料などをを与えましょう。
ダリアを育てるときのポイント
選び方
さまざまな品種があるため、植える場所や目的に適したサイズを考慮して決めましょう。
球根を選ぶ際は、芽の出ているもの、腐った部分がないものを選びます。
植え付け・植え替え
ダリアの球根の植え付け、植え替えはともに3~5月です。
ダリアは大きくなるので、隣との距離を取って植えましょう。
また、鉢植えの場合は、1鉢に1つの球根を目安に植えましょう。
大きくなることを想定し、最初から大きめの鉢を用意することをおすすめします。
剪定・切り戻し・収穫
ダリアは、6月から7月に満開を迎え、真夏になると花がいったん咲かなくなります。
このタイミングで、7月、もしくは8月上旬に、切り戻しを行ってあげると、9月ごろに再度花を楽しむことができます。
晴れた日に、地上に出ている部分の3節ほどを残してカットします。
ふやし方
ダリアは、主に分球でふやすことができます。
気を付けるべき病気・害虫
うどんこ病、灰色かび病、アブラムシ、ハダニの被害が生じる可能性があります。
殺虫剤・殺菌剤
アブラムシを発見したら、ガムテープなどで貼りつけて取り除くことができます。
大量にいる場合は、春先にオルトランなどの薬剤をスプレーして駆除しましょう。
ハダニは水に弱いので、葉に水をかけると退治・予防できます。
うどんこ病、灰色かび病にはベニカDXなどが効果的です。