意外と初心者でも育てやすい!【クリスマスローズの育て方を紹介】

クリスマスローズは、名前のとおり、クリスマスの時期(日本では主に1月から3月に開花)に花を咲かせることからその名が付きました。

名前を聞いただけでも、とても魅惑的で興味をそそります。

花言葉は、「慰め」「いたわり」「私の不安を和らげて」。

小ぶりで、うつむき加減の花姿も、どこか優しく寂しげな印象を受けるクリスマスローズ。

実は、意外と園芸初心者さんにも育てやすいお花なのです。

今回はそんなクリスマスローズの特徴や栽培のコツを詳しくご紹介します。

クリスマスローズの基本情報

学名Helleborus
英名Hellebore, Christmas rose
その他別名冬の女王、雪起こし、寒芍薬(カンシャクヤク)
科名キンポウゲ科
属名 クリスマスローズ属(ヘレボルス属)
原産地ヨーロッパ

クリスマスローズの特徴

クリスマスローズは、ヨーロッパ原産のキンポウゲ科クリスマスローズ属(ヘレボルス属)の多年草です。

ヨーロッパでは、クリスマスの時期に花を咲かせることからこの名で呼ばれています。

日本では、多くの品種は、1月から3月の早春に咲きます。

実は、クリスマスローズの花に見える部分はガクなのです。

花としての観賞期間が長いのはそれが理由です。クリスマスローズは早春に咲き、夏は休眠状態になります。

根は活動を休んでいますが、呼吸はしています。寒さに強く、日本の高温多湿の夏は苦手です。

クリスマスローズの注意点は、株全体に毒性があることです。

それほど毒性が強いわけではありませんが、触るとかぶれてしまう可能性があるので、ガーデニング用の手袋をして作業をすることをお勧めします。

クリスマスローズの種類

クリスマスローズには、10種類ほどの品種が存在します。主に、ヨーロッパに自生しています。

咲き方は、一重咲き、八重咲きがあり、色もさまざまで濃い赤色や黒みがかった花を咲かせるものまであります。その中でも代表的な種類をご紹介します。

ヘレボルス・ニゲル

ヨーロッパ原産の原種。草丈は20~30cmで、白い花を咲かせます。

ヘレボルス・フェチダス

黄緑色の釣鐘状の花をつけ、細かい切れ込みの入った葉が特徴です。

ヘレボルス・オリエンタリス

ヘレボルス・ニゲルよりも遅く咲く(3月頃)タイプで、「レンテンローズ」とも呼ばれています。草丈は35~50cmで、丈夫な品種です。

日本クリスマスローズはヘレボルス・オリエンタリスを品種改良した園芸品種がほとんどです。

クリスマスローズの栽培・育て方

クリスマスローズは、難しそうに感じますが意外と初心者でも育てやすい植物で、コツさえつかめば、鉢植えでも地植えでも栽培できます。

夏の日差しや暑さに弱いので、鉢植えの場合は夏場に日陰に移動する、地植えの場合は落葉樹の下に植えるなどして、工夫をしてください。

また、乾燥気味に育てるため、地植えであれば水やりも不要です。

植え替えもそれほど頻繁に必要ではなく、3~5年ほど植えっぱなしで大丈夫です。

クリスマスローズの育て方と植え替え方法とコツを【写真付きで解説】

クリスマスローズの育て方情報

分類・形態宿根草/山野草/多年草
草丈・樹高10~50cm
開花の時期1月~3月
花色白、ピンク、黄、緑、紫、茶、黒、複色
耐寒性強い
耐暑性普通
特性・用途常緑性、耐寒性が強い、日陰でも育つ
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け10月~3月
植え替え10月~3月
剪定3月
肥料10月~4月
開花1月~3月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

基本的に日光を好みますが、暑さに弱いため、夏は風通しの良い半日陰か日陰に移動させましょう。

水やり

乾燥気味に育てます。地植えの場合は、定植時にたっぷりと水やりをし、それ以降は降雨でほとんど十分です。

鉢植えの場合は、土の表面が白っぽく乾いたら水やりします。水の与えすぎには注意してください。

用土

水はけが良く、アルカリ気味の土壌を好みます。

赤玉土、鹿沼土などを混ぜ、有機石灰を加えるとさらに適した土になります。

草花用培養土でも問題ありません。

肥料

肥料は10月~4月の時期に緩効性肥料の置肥や液体肥料などを定期的に与えましょう。

ただし、休眠期の夏の時期に肥料が残らないように気を付けてください。

クリスマスローズを育てるときのポイント

選び方

10月~3月頃に苗が出回ります。

クリスマスローズは実生性のものが多く、一株ごと花の特徴が異なるため、好みの株を選びましょう。

また、葉の数よりも、葉の大きさが大きいものを選ぶと良いでしょう。

植え付け・植え替え

植え付け、植え替えはともに10月~3月に行います。

クリスマスローズは、生育が旺盛なため、購入した苗よりも、2回りほど大きな鉢を用意することをお勧めします。

3年ほどで植え替えが必要ですが、生育が早い場合は、1~2年での植え替えが必要になってきます。

その際には株分けをして、複数の鉢に植え替えましょう。

剪定・切り戻し・収穫

花後に花がら摘みが必要です。新しく咲く花に栄養を回す必要があるので、この作業は面倒でも行ってください。

そして、すべての花が咲き終わったら(3月頃)、花茎を付け根から切ります。

その後に新しい芽が出て、葉も新しいものが出てきますが、それは翌年の花を育てるのに必要なので剪定しないように注意します。

ふやし方

株分けか、種まきでふやします。

気を付けるべき病気・害虫

病害虫には強いですが、アブラムシがつくことがあります。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシを発見したら、ガムテープなどで貼りつけて取り除くことができます。

大量にいる場合は、春先にオルトランなどの薬剤をスプレーして駆除しましょう。