- パンダガジュマルの剪定手順について理解できる
- パンダガジュマルの剪定が自分でできる
- パンダガジュマルの剪定で準備するものや注意点がわかる
- パンダガジュマルの剪定をして上手に育てることができるようになる
ガジュマルは、沖縄では精霊の宿る木として多くの幸福をもたらすとの言い伝えがあり「多幸の木」とも呼ばれます。金運アップの風水もあるのだとか!
でも、ガジュマルは大きくなりそうで剪定が不安…という方もいることでしょう。
こちらの記事ではパンダガジュマルを誰でも簡単に育てられるよう、剪定手順や準備するもの、注意点などを分かりやすく解説します。
パンダガジュマルの剪定が必要な理由
パンダガジュマルを健やかに育てるには剪定が必要です。どんな樹木もそうですが、剪定をおこなうことにより、丈夫で健康的に育てることができますよ。
剪定の仕方を知らないと億劫になりがちですが、パンダガジュマルの剪定は一度覚えてしまえば簡単なので、ぜひマスターしてくださいね。
剪定する5つのメリットは?
パンダガジュマルの剪定のメリットは
- 樹形が整う
- 背丈を押さえられる
- よく生長する
- 病害虫を防ぐ
- 花や実付きがよくなる
などが挙げられます。
正しい時期に正しい方法で剪定をするだけで、パンダガジュマルを上手に育てられるようになりますよ。
剪定しない5つのデメリットは?
上記のメリットで挙げた5つの恩恵が受けられなくなるのが、剪定をしないことの最大のリスクです。剪定をしなかった場合の5つのデメリットを詳しく見てみましょう。
①大きくなりすぎる
ガジュマルは、沖縄や屋久島など亜熱帯の原生地では、樹高20mにもなる巨木です。鉢植えではそこまで大きくなりませんが、5月~7月は生長が著しく、株が茂りすぎると見苦しく、室内インテリアにそぐわない姿になってしまいます。
②栄養が行き渡らない
枝葉が多すぎると、株全体に栄養が行き渡らず、枝が力なく伸びて、ひょろひょろに。パンダガジュマルの最大の魅力である深緑色の肉厚の葉っぱも活気を失い、色艶が悪くなってしまいます。
③日当たりが悪くなる
パンダガジュマルのように肉厚の葉を持つ常緑樹は、葉が茂りすぎると、自らの葉で日当たりを悪くして日照不足を起こしてしまいます。
パンダガジュマルは耐陰性が高いとはいえ、葉が生い茂ると、株の懐に日光が入らないので、病害虫にたかられ、不健康な株に…。
④病害虫の温床になる
葉が茂りすぎて風通しが悪くなると、カビ菌などの病気の温床になります。また、葉や枝がうっそうと茂っていると、虫にとっては天敵から見つからない心地よい棲家となり、気付いた時には大繁殖しているかもしれません。
⑤花や実が付きにくくなる
パンダガジュマルは、受粉する虫がいない沖縄以北では結実は見込めないので、ほとんどの方には関係ないかもしれませんが、沖縄をはじめとする南国では種取りも可能。
株が弱れば当然、花嚢の付きも悪くなり、種子の数も減ってしまいます。正しい剪定をおこなって種を採種してみてくださいね。
パンダガジュマルの剪定をおこなう時期
パンダガジュマルの剪定をおこなう時期は、5月~7月が適期です。パンダガジュマルが一番好む気候は最高気温が25℃前後の湿潤な環境です。
30℃を超える日本の猛暑はあまり好きではないので、真夏の剪定は避けるようにしましょう。
パンダガジュマルの剪定で準備するもの
パンダガジュマルの剪定に必要なアイテムは、以下の通りです。
- 剪定バサミ
- 園芸ハサミ
- 融合剤
- 防水手袋(ゴム手袋、ニトリル手袋など)
太い枝は剪定バサミ、細い枝なら園芸用のハサミでよく切れます。
ハサミは100円均一でも販売していますが、園芸専用のハサミがあると使い勝手が良く、軽い力で切ることができます。グリップ力があり疲れにくいので作業効率も良くなります。
アルスのミニチョキやクラフトチョキなら値段も高くないので、初心者ガーデナーにも嬉しいですね。
パンダガジュマルには毒がある?
パンダガジュマルはゴムの木の仲間で、剪定すると切り口から白い液が溢れ出てきます。
この樹液に毒性はないのですが、直接触れると皮膚がかぶれてしまうので、特に敏感肌やラテックスアレルギーをお持ちの方は、皮膚に付かないように注意して手袋着用で作業をおこなってください。
パンダガジュマルの剪定の方法は2種類
パンダガジュマルの剪定の方法は大きく分けて
- 切り戻し剪定
- 丸坊主剪定
の2種類があります。
大きさを整える場合は「切り戻し」
交差枝や徒長枝、ひこばえなどの余分な枝を、枝の付け根から切り落すことを「切り戻し剪定」と言います。「透かし剪定」あるいは「間引き剪定」と呼んでもいいと思います。
風通しがよくなるように、枝葉が重ならないよう、向こうが透けて見えるくらいに、バランスよく間引いて剪定をしてみましょう。
新枝を出させたければ、付け根から数ミリ残して切り取ります。完全に枝を止めたければ、付け根ぎりぎりのところでカットしましょう。
弱っている場合は「丸坊主」
パンダガジュマルは生育旺盛。日本の猛暑の蒸れや高温、お手入れ不足などで根っこの量が減ると、茂りすぎた上半身とのバランスが崩れて息も絶え絶えに…。
そんなときは緊急オペもかねて、葉をすべて落とし「丸坊主」にする剪定方法が効果的です。
ちょっと大胆な方法ですが、ガジュマルは丈夫な樹木なので、5月~7月の適期であれば、丸坊主にしてもまた新芽が生えてきますのでご安心くださいね。
パンダガジュマルを切り戻しする手順
パンダガジュマルの「切り戻し剪定」をする場合の手順を、こちらで詳しく見てみましょう。
手順①剪定後の樹冠(アウトライン)をイメージする
ただ漠然とカットするのではなく、どのようなイメージにしたいのか考えてから剪定を始めます。私たちが美容院で「面倒なので短くしてほしい」「式までは伸ばしたい」などとオーダーすることがありますよね。
それと同じで、「ナチュラルテイストにしたい」「個性的な姿にしたい」「とにかくコンパクトにまとめたい」など、剪定後の明確なビジョンを持ちましょう。
手順②不要枝をカットする
樹木剪定の基本は、枯れ枝や徒長枝、交差枝、下り枝、ひこばえなどの不要な枝を取り除くこと。前項でイメージした樹冠を念頭に置きながらカットしていきます。
ガジュマルの剪定では、さらに「気根」と呼ばれる空気中に生える根っこをどうするかが作業に加わります。気根はそのまま残せば意匠性の高い姿になり、すっきりさせたければカットしても構いません。
手順③切り口に癒合剤を塗る
パンダガジュマルは、枝を切ると白いかぶれる樹液が出てくるので、水で洗い流すか、ウェットティッシュなどでふき取ります。
乾くと樹液は止まるので、癒合剤を塗って切り口からバイ菌が入らないように保護しましょう。
パンダガジュマルを丸坊主に剪定する手順
次に、パンダガジュマルを丸坊主剪定する場合の、詳しい手順を見てみましょう。こちらはガジュマルの株が弱っているときや、樹形を大幅に変更したい場合におすすめです。
株自体が元気で樹形も問題なければ、無理しておこなう必要はありませんが、いざというときのために覚えておくとよいかもしれません。
手順①丸坊主にする必要があるか見極める
お手持ちのガジュマルの状態をよく見て、丸坊主剪定が必要かよく考えましょう。現状維持でも特に問題がなければ通常の切り戻し剪定をおこないます。
丸坊主剪定が効果的な株は、どんな状態かというと、
- 自分の思うような樹形ではないので一度リセットしてやり直したい
- 病害虫の大規模な被害に遭い、農薬を撒いても修復不可能なので葉っぱをすべて取り去りたい
- 枝葉の量に対して、根っこが少なすぎる(根腐れなど)
上記画像のパンダガジュマルは、このままでもナチュラルでかわいいのですが、枝がまばらで少し平凡です。足元をもう少し長くすっきり見せて、上の方に葉を茂らせたいと思います。
手順②胴体だけを残し、枝葉をすべてカットする
丸坊主は少し勇気がいる作業ですが、前述したとおり、5月~7月の時期が合っていればすぐに新芽が出てくるので、思い切ってカットしてみましょう。
もし心配なら、ガジュマルが一番活気にあふれている気温(25℃前後)になる5月中に剪定すると良いでしょう。
手順③切り口に癒合剤を塗る
ガジュマルは剪定した切り口からゴムに似た白い樹液があふれてきます。かぶれるので素手で触らないように気を付けながら、樹液を拭き取り、切り口に癒合剤を塗布します。
癒合剤は殺菌剤も含まれているものがおすすめです。
丸坊主剪定の後は、明るい日陰の場所で管理し、時々霧吹きで湿度を与えてあげましょう。
パンダガジュマルを剪定する際の注意点
パンダガジュマルを剪定する際の注意点を事前に知っておけば、慌てずに対処することができます。次で詳しく見てみましょう。
イメージより一回り小さく剪定する
パンダガジュマルは発育旺盛な樹木です。中途半端に剪定すると、徒長枝があちらこちらから伸びて余計に茂り、収拾がつかなくなってしまいます。
自分がイメージしている樹冠より一回り小さくカットすることで、よりコンパクトに、思い通りに仕上がります。
剪定後は明るい半日陰に設置する
剪定が終わったら、明るい半日陰の場所で様子を見ます。植物は光合成をしているので日光浴は大切なのですが、剪定後は次の芽吹きのために体力を貯めてフル稼働しています。
いきなり激しい直射日光に当てると日差しに負けて、枯れてしまうこともあるので、注意しましょう。
まとめ
パンダガジュマルの剪定手順を、初心者にも分かりやすく解説しました。
剪定で準備するものや注意点、切り戻し剪定の手順と丸坊主剪定の手順の違いも分かりましたね。適切に剪定をすれば健康的に育ち、病害虫も隠れ家がなければ近寄らなくなります。
定期的なお手入れをして、パンダガジュマルをよい状態で長持ちさせてくださいね。