カンノンチクは、漢字で観音竹と書きますが、タケではなくヤシの仲間です。強くて育てやすいカンノンチクは、ほふく茎を伸ばして子株を増やします。植え替えの方法に合わせて、株分けの方法も紹介します。
カンノンチクとは?カンノンチクの魅力
カンノンチクの魅力は、一年中青々とした美しい葉を楽しめるところです。比較的管理がしやすく、丈夫なことから初心者にもおすすめの植物です。
また、自然と子株が増えていくところもカンノンチクの楽しみです。
カンノンチクの基本情報
学名 | Rhapis excelsa |
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英名 | Lady palm |
科名 | ヤシ科 |
属名 | カンノンチク属 |
原産地 | 中国南部 |
カンノンチクの植え替えが必要な理由は?
カンノンチクは、2年から3年に1回のペースで植え替えをします。特に鉢の底から根が出てきている場合は、早めに植え替える必要があります。
根詰まりと乾燥が続くと、葉の先から枯れてしまいます。そうなる前に定期的に植え替えをしてあげましょう。
こちらのカンノンチクは、葉が重なり合って、鉢が窮屈に見えますね。鉢底から根も出始めていますので、植え替えをおこなうことにしました。
カンノンチクの植え替えに適した季節
カンノンチクの植え替えに適した季節は、5月から6月です。株分けをする時は同時におこないます。ヤシの仲間なので寒い季節に根を傷めないよう、暖かくなったこの季節におこないましょう。
カンノンチクの植え替えで今回用意したグッズを紹介
カンノンチクの植え替えで用意したグッズを紹介します。
- 鉢
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 赤玉土
- バーク堆肥
- 化成肥料
- 菜箸
- 園芸シート
それぞれの用途を説明します。
鉢
元の鉢の大きさより、ひと回り大きい鉢を準備します。今回は株分けすることにしましたので、同じ大きさの鉢をもう1つ準備しました。
鉢底ネット
素焼きの鉢は鉢底穴が大きいので、土や鉢底石が流れ出ないように、鉢底ネットを敷きます。今回は古くなった網戸で代用しました。
鉢底ネットは、サイズにカットされているものや、自分で大きさに合わせてカットして使うものも売られています。
鉢底石
市販の砂利を鉢底へ敷きました。鉢底石を敷くことで土の流出を防いだり、水はけが良くなります。
赤玉土
カンノンチクは水はけの良い土を好みます。元々の土に赤玉土を加えることにしました。
バーク堆肥
我が家ではバーク堆肥をよく使いますが、腐葉土でも良いですね。バーク堆肥は保水性に優れているので、カンノンチクには少量加える程度にします。
化成肥料
元肥として少量混ぜるほか、生育期には鉢のまわりに置き肥として使用します。
菜箸
鉢から植物がなかなか取り出せない時に土をほぐしたり、土を押し入れる時にも菜箸があると便利です。
園芸シート
作業するときに園芸シートがあると便利です。四隅をボタンでとめることができ、立体的になりますので、土がこぼれず作業がしやすくなりますよ。
カンノンチクの植え替え手順
- 鉢を選びます。
- カンノンチクを鉢から取り出します。
- 鉢を洗い、鉢底ネットを敷きます。
- 鉢底石を入れます。
- 土を混ぜ合わせます。
- 株分けをします。
- 植えつけます。
一つ一つ見ていきます。
①鉢を選びます
植え替えをするときは、写真のように元の鉢よりひと回り大きいサイズの鉢を準備します。カンノンチクは水はけの良い環境を好みますので、素焼きの鉢もおすすめです。
素焼きの鉢は、鉢の側面からも水分が蒸発しますので、通気性が良い環境になります。
②カンノンチクを鉢から取り出します
園芸シートの上で作業します。鉢の内側を菜箸でほぐしながら、取り出しました。
根が張っていて、とても元気そうですね。子株も増えていますので、株分けすることにしました。
③鉢を洗い、鉢底ネットを敷きます
今回は株分けすることにしましたので、元々の鉢と、もう1つ同じくらいの鉢を準備して、2鉢に分けることにしました。まずは鉢を綺麗に洗います。
鉢底穴に鉢底ネットを敷きました。写真のように、古くなった網戸をカットしたものでも代用できます。
④鉢底石を入れます
鉢底石を3cm程の高さまで入れます。我が家では市販の砂利や、畑から取り除いた石を使っています。
⑤土を混ぜ合わせます
元々の土を使う場合は、混ざっている根などを取り除きます。そこへ赤玉土、バーク堆肥を混ぜ合わせました。
カンノンチクは、専用用土も市販されていますので、それを使うのも安心ですね。そこへ少量の化成肥料を加えました。
⑥株分けをします
写真のように、根をほぐしながら分けます。ほふく茎がつながっている場合は、ハサミで切り分けます。
2つに分けることができました。
⑦植えつけます
鉢へ土を入れ、植え替え前と同じ植えつけ高さになるように土を入れていきます。カンノンチクは、やや深めに植えつけます。
菜箸で土をつついて、根の間にも土を入れていきます。同じようにもう1鉢も植えつけしました。
カンノンチクの植え替え完了!管理について
カンノンチクの植え替えが完了しました。植え替え後は、水やりをします。
カンノンチクは戸外の半日陰、または室内のカーテン越しの光が当たる場所に置きます。日陰を好みますが、室内ですと徒長気味になることがあるので、できるだけ野外に置くとがっしりした株になります。寒い冬の時期は、室内へ取り込むと良いですね。
我が家では、北側の明るい窓側に一年を通して置いています。風が当たらない場所なので、葉が折れることもなく、快適そうです。できるだけ無風のところへ置くのがおすすめです。
時折、葉水をしてあげることで、葉の乾燥を防ぐことができてツヤがでますね。特に乾燥する夏場は、葉水をしてあげましょう。
カンノンチクは祖父が大事にしていた株で、今回は2度目の株分けでした。前回株分けした鉢は友人が気に入り、大事にしてくれています。カンノンチクは増やす楽しみがありますね。