メスの背中にオスが乗っている姿が特徴的なオンブバッタをご存じですか?
微笑ましい姿とは別に、植物にとっては集団になって葉を食害するなんとも厄介な害虫なんです。特に秋植えの植物は要注意!
気をつけないとせっかく植えた苗が全滅なんてことも。
そこで今回はオンブバッタの生態や植物への被害から駆除と予防方法まで詳しく紹介します。
オンブバッタの生態
オンブバッタとはバッタ目オンブバッタ科に分類されるバッタの一種です。
その名前の通りメスの上にオスが乗っている様子から名前が付けられました。
オンブバッタとは?
オンブバッタの成虫の体長はバッタの中では小型です。
オスが25mmほどなのに対してメスは40mm前後と雌の方がオスよりも大きいという特徴があります。
色は緑色か淡褐色の2色か時折ピンク色に近い種類のものも時折見かけます。
多くのバッタは通常交尾以外オスがメスの上に乗ることはありません。
それに対してオンブバッタは交尾以外でもオスがメスの背中にのっている時間が多いという珍しい性質をもっています。
その他にもフンを後ろ足で蹴り飛ばすような行動をとり、体の10倍ほどの距離を後ろ足のキックだけで飛ばすこともできます。
またオンブバッタは他のバッタがいないような都市部の空き地や庭園や花壇などでも飛来して生息しています。
環境が整えば大量発生する場合があります。
オンブバッタの発見方法とは
植物を食害する害虫の中でもオンブバッタの被害だと分かるポイントとしては以下の2つです。
- 葉の表から食べられた跡がある
- 新芽は食べられておらず、大きく成長した葉が主に食べられている
オンブバッタは他の害虫と異なり、すぐに植物を枯らしてしまうような被害はありません。
新芽などは食べずは成長した葉が食害されていたり、葉の表側から食害されている場合はオンブバッタがいるかもしれないと考えましょう。
オンブバッタの発生時期
オンブバッタの発生は年に1回ですが、その成長過程によって食害の被害も異なります。
秋頃のオンブバッタに要注意
オンブバッタの発生時期は5~11月頃です。春頃に孵化し幼虫となった後は約半年かけて成虫へと成長します。
そのため9月頃には幼虫から成虫となるオンブバッタの最盛期であり、その際の植物への食害の被害は大きなものになります。
オンブバッタの発生しやすい環境とは
オンブバッタはあらゆる植物に発生する可能性があるため、発生原因を完全に取り除くことは難しいといえます。
その中でも特に雑草が良く伸びているような管理があまり行き届いていない畑や庭などはオンブバッタが大量発生しやすい原因になります。
オンブバッタによる植物ヘの被害
オンブバッタは主に植物の葉を食害します。オンブバッタがいるからとすぐに植物が大きな被害を受けるということはありません。
少量のオンブバッタの発生であればそれほど問題はありません。
ただし、オンブバッタが大量発生し夏から秋にかけて成虫になった際は注意が必要です。
特に秋植えの野菜の苗など、オンブバッタが大量発生し成虫となる最盛期にあたる場合には要注意です。
数日で植え付けた苗が全滅してしまうなんてこともあるので見つけたら出来るだけ早く駆除することが望ましいでしょう。
オンブバッタが好む植物
オンブバッタはどのような場所でも発生する可能性があります。
その中でも一般的にバッタが好むイネ科やカヤツリグサ科、キク科、シソ科、ナス科、ヒルガオ科などの種類の植物を特に好んで食害します。
その他都市部であっても空き地や庭園や花壇、家庭菜園など植物が多く植えられている場所であれば、花弁や野菜の葉などを食べて生息します。
オンブバッタの駆除方法
オンブバッタは幼虫も成虫も植物の葉を食害するため、見つけ次第できるだけ駆除することをおすすめします。
オンブバッタを捕まえるには?
殺虫剤などを使わず駆除するには、捕まえて駆除することが必要となります。
できれば、夏前までの翅のない幼虫期に発見して、動きが鈍くなる早朝か夕方の気温が下がる時間帯に駆除するといいでしょう。
方法としては網で草をなでるようにして採集すると網で捕まえることができます。
直接手で捕まえることもできますが、手でつかんだ際にオンブバッタの威嚇行動して口から黒い液体を吐き出すことがあります。
殺虫剤を使って駆除する
殺虫剤としてはオンブバッタ専用の殺虫剤というのは特にはありません。
そのため、この殺虫剤があれば確実に駆除できる!というものではなく、弱らせて駆除しやすくなる程度という認識で使用しましょう。
殺虫剤はマラソン乳剤などオンブバッタだけでなくコガネムシやカメムシなど大型害虫まで効果のある殺虫剤を使用するのがおすすめ。
植物への影響も考えてできるだけ使いたくない場合でも、大量発生した場合は殺虫剤も多く必要です。
オンブバッタの発生初期段階でできるだけ少量の殺虫剤を使用してしっかり駆除する方法も有効です。
オンブバッタの予防方法
いつどこで発生するか分からないオンブバッタですが、予防対策をとっておくことで大量発生を防ぐことができます。
おすすめの予防方法は以下の4つです。
- 畑や庭の雑草を定期的に刈りオンブバッタの発生を予防する。雑草地の近くでは家庭菜園などはできるだけ行わない
- 被害の少ない幼虫時期に見つけて駆除しておく
- 成虫のオンブバッタが卵を産み付けないように見つけ次第駆除する
- オンブバッタの好物であるシソ科などの野菜を畑の外側に植えることでオンブバッタの被害を抑える
雑草が生い茂っている環境はオンブバッタの大量発生の原因になるので、できるだけ畑や植物の手入れはこまめに行うことが大切です。
また、被害を防ぎたい植物の周りに合えてオンブバッタの好物を植える方法も効果的です。
ただし、オンブバッタが発生したら早めの駆除が必要ですので、周りの植物が食害されていないか、定期的に観察をしましょう。
まとめ
オンブバッタはすぐに植物に被害をもたらすものではありません。
放置することで大量発生し結果植物を食害し大きな被害となる可能性があるため見つけ次第成虫幼虫ともに駆除することが望ましいです。
特に他のバッタが生息しないような場所でも、環境が整えばオンブバッタが飛来する可能性があります。
普段より家庭菜園や庭の雑草をこまめに除去したり、植物の観察を行うことが大切ですね。