リボーンベジタブル、通称「リボベジ」は、スーパーやコンビニ野菜からでも出来る再生栽培のこと。
キッチンや、窓辺においておくだけの簡単栽培が人気です。今回は、成功率抜群の小松菜を使って栽培します。
そして自作できる「リボベジポット」の作り方や、試験栽培の経過状況を写真でご紹介していきます。
「再生野菜」リボベジとは?
リボベジは、スーパーの野菜などのヘタから再び再生する、水耕栽培方法で有名になった言葉です。
種や苗から購入することもなく、棄てるはずの野菜の切れ端しを水につけておくだけで、もう一度収穫できるのが大きな魅力です。
「再生野菜」リボベジとは?におすすめできる野菜
難しくないものは、気温と日照に左右されにくい植物が簡単でおすすめです。
今回使う「小松菜」は必ず出来きます。小松菜は半日陰栽培も可能な強靭な生命力のへたりにくい葉もの野菜です。
ちなみに、比較的簡単で栽培しやすい野菜には、ネギやレタス、豆苗、水菜、山東菜、チンゲン菜、球根ものだと、たまねぎなどが作りやすい定番野菜です。
屋内や、日照時間が日の半分くらいの時間でも育てられる植物を一覧表にまとめてみました。
「再生野菜」リボベジにおすすめできる野菜一覧と栽培難易度
野菜名 | 再生率 | 環境 |
---|---|---|
小松菜 | ★★★★ | 半日陰、屋内可能 |
水菜 | ★ | 陽向が必須(養分、培養土、日照は必須) |
山東菜 | ★★ | 日照6時間以上 |
チンゲン菜 | ★★★ | 半日陰可能 |
豆苗 | ★★★ | どこでも可能 |
レタス | ★★ | 半日陰可能だが、かなり小ぶり |
ネギ | ★★★ | 陽向だが、発根は日陰でも大丈夫 |
たまねぎ | ★★★★ | 陽向を好むが、球根なので基本どこでも発芽する |
人参 | ★★★ | 人参葉だけなら屋内でも可能 |
大根 | ★★★ | どこでも可能だが、地下茎を太らすには土が必要 |
小松菜で挑戦!ペットボトルで作れる「リボベジポット」の作り方
リボベジポットは、受け皿とメッシュのバットなどがインサートされている立派な市販品もありますが、自作するのも面白いものです。
バスケットの容量や、培養土の工夫でどんな植物にも対応できるので、やさいの特性を加味して作ってみるとよいでしょう。
今回は、発葉期間と移植ポットに使える2つのリボベジポットの作り方を紹介いたします。
〈用意するもの〉
- 300~500mlペットボトル、カップや空きポリ容器など
- ハサミ、穴開けドライバー
- 布の端切れ、または不織布
- 水
- 液体肥料、化成肥料(画像参照)
*使用した即効性肥料と液肥はダイソー「植物の液体活性肥料」です。薄めて給水液に使いました。今回かかった費用は220円(液肥12本入り・2種類のみ)のみです。
ポリ容器を使ったリボベジポット
小松菜や、山東菜など葉ものの水耕栽培初期に大活躍のリサイクルポットです。
数枚葉が開くまでは、寄せ混んで栽培しても大丈夫ですので、葉を間引く頃までそのままでも問題ありません。
⚫作り方
- 手順1 ポリ容器にドライバーで穴を開けます。
- 手順2 下の受け皿に水を張ります。(液体肥料は薄めに作ります。そのまま一緒にいれても構いませんし、発葉してからでも遅くはありません)
今回は葉が2~3枚ついたところで、半分に薄めた液体肥料を溶かしました。
少々浅い目ですが、これに用土を投入してもそこそこ大きくなります。
ペットボトルを使用した「自動給水型リボベジポット」
発根が見られるようになってきたら、土をいれたポットで培養土栽培すると大きく育ちます。
普通の9cmポットで栽培しても勿論いいのですが、常に吸水させると葉が柔らかく仕上がるので、自動給水できるポットを作ります。
こちらも飲み終わったペットボトルや端布、不織布など、簡便なリサイクル素材で作ることができるので、特に買うものはありません。
▲約一ヶ月で4月上旬頃の様子、根張りは充分のよう(^^)このまま地植え出来そうです。
「小松菜」が再生野菜(リボベジ)しやすいオススメな理由
- 葉ものの野菜で半日陰でも栽培できるから
- 緑黄色野菜なので光合成もしやすく、茎も丈夫だから
- 日照不足でも、ベビーリーフとして収穫できるから
- 水だけでも再生、収穫できるから
- タダだから(スーパーで1束98円~)
この給水方法はYoutubeの動画でみた方法なのですが、予想以上でした。
根張りは普通ですが、土も選ばず、植え替えも神経質にならなくとも栽培できるのが良い点です。
更に小松菜は冬でも余裕なくらいなので、温度管理いらずで季節を問わないのも良い点です。
小松菜の再生野菜(リボベジ)の栽培を写真付でレポート
「ペットボトルをカットする」
500mlのペットボトルを適当に2分割します、ひっくり返して載せてみて、安定するところから切ります。
「布で小松菜を半分くるむ」
説明用に切ったばかりの小松菜のヘタを使用していますが、実際はポリ容器ポットの画像ような、数枚葉が開いたものを選びます。
(水耕栽培は、このまま布を下に引っ張り、培養水をセットして終了です)
再生野菜(リボベジ)水耕栽培で葉を出した時「土をいれる場合の手順」
水耕で葉が出てきた頃に、培養土で栽培する場合は以下の手順でポットに土を入れ直します。
①布を中央に二つ折りにしてセットします
②軽石とバーミキュライト+腐葉土を盛ります
③受け底に水をいれて完成です。
このままでも成長しますが、受け底のカップにゼオライトをいれるとポット自体も座りがよくなり、進出した根も安定します。(記事の冒頭1枚目のリボベジポットがそれです、根張りが良いのが葉の大きさでわかるかと思います)
植え替えしやすい工夫は不織布で
大きく育てて発芽率の高い種をとってみるならば、やはり地植えにする方がいいでしょう。
不織布の袋を2重にしてそのまま土をいれて、水耕栽培ポットから移植しても勿論大丈夫です。
小松菜以外の植物で試すときは、自動給水ポット仕立てでも、あらかじめカップのなかに不織布の袋をいれてから土をいれると取り出しやすいです。
でも、試しに小松菜でもやってみました。かなりペットボトル内の通気性がよくなるので、葉っぱが結構大きくなりました(^^)
やはり換気、通気性は大事ですよね。半日陰でもこれだけ再生できる小松菜はやっぱりスゴイです。
再生野菜(リボベジ)小松菜の水やりはこまめにまんべんなく
リボベジポットは毛細管現象で自然に給水されています。
また、根が生えてくると直接降りてきた根っこで吸水されるのですが、3日くらいに1回は(2月~3月栽培時)水を霧吹き、または上呂であげます。
表土が乾く前に軽く霧吹きで吹いてください。
その時に、薄めた液肥を水がわりにあげるのも良いです。
葉っぱの状態と、お好みで水やりをします。
再生野菜(リボベジ)小松菜 1か月後
小松菜も菜の花ですので、董が立つ前に食べるのが美味しくいただける時期かと思います。
このくらいからすこしづつ間引いて食べると、大変柔らかくて美味しいですよ。
▲小松菜の3cmのヘタから約一ヶ月後の栽培の様子(2月下旬~3月下旬に栽培、冬場の気温が低い時期でも栽培可能です)
再生野菜(リボベジ)小松菜4ポット分の収穫量は?
再生野菜(リボベジ)小松菜4ポット分の収穫量は、開花種取り用に、多少葉を残しておいた2本分を除くと大体このくらいです。
小松菜の美味しいレシピ
リボベジで作った小松菜は「おひたし」や「菜の花のからし和え」など、付け合わせの小鉢にもぴったりです。
茹でてから、からしとすりごま、塩と砂糖少々、ごま油を混ぜて和えます。
ちょっと葉が硬いときはレンジで蒸す「小松菜の肉豆腐」がおすすめです。
材料:
- 豆腐一丁
- 小松菜
- ひき肉
- サラダ油(大さじ1~お好みで)
- 塩コショウ、花山椒
小松菜は特にした処理はありません。
適当にざく切りにしてひき肉と共に豆腐にのせます。サラダ油をかけて器に載せて、レンジ800w、6分で完成です。
ビール、日本酒のつまみに最高ですよ♪
▲参考商品:レンジ、オーブン対応ダイソー耐熱皿110円(税込)タッパーの蓋付きなので小分け保存も便利です。オーブンやグリルで焼き調理しても美味しいですよ(^^)/
よくある質問|再生野菜(リポベジ)は土に本格的に植え替えは出来る?
もちろん出来ます。もし初代が食用としていまいちでも種子が落ちれば、通常の栽培と同じです。
培養土に元肥をいれて、再度発芽してきたものを栽培すれば普通に収穫できます。
ちなみにこの記事に使った全てのリボベジポットの土は、花咲用と葉っぱ用をそれぞれ作り、比較出来るよう2種類のリボベジポットで栽培をしました。
下図の画像でわかるように、左のポットは、開花結実をさせてみる為、リンを多目に配合した土で栽培してみました。
もう片方の葉っぱの大きい方は、腐葉土にリン、窒素、カリウムが均等になるように、化成肥料をいれた土を使っています。
葉っぱを食べる分には「野菜系の培養土」と思いきった剪定がやはり良いようです。
水分多目、土も気持ち多目で栽培しているので、茎も立った董が細くて柔らかく、小松菜独特の苦味もない美味しい葉になりました。
摘芯してない方の小松菜は、菜の花の茎が太くて、スジも立派でしたが、春の風味が最高です(^^)
よくある質問|水耕栽培せずにそのまま切れ端を土に差しても育つ?
小松菜の切れ端を、そのまま直で土に植え替えることも出来ますが、いきなり地植えにすると下の画像のようになります。(同時期植え付け、同じ期間での比較です、花のつぼみも同じく出穂しています)
もっと高頻度で水分をあげたら、もう少し大きくなるかも知れなかったのですが、日に2回も3回も巡回水やりする余裕がないですからね (ヾノ・∀・`)メンドクセ
茎の成長もいまいち寸足らずな上、葉がとても硬くなるので食味があまりよくありません。
葉数も(前述の画像参照)他の栽培ポットと同じに枚数は出ているのですが、根張りに時間がかかっているようです。
▲青々としているのですが、茎が成長しずらいよう。葉の枚数は多いものの、水で発根済みの小松菜との違いがやはりあるようです。(同時期の2月下旬植え付け、4月撮影)
半日陰でも「再生野菜」リボベジできる野菜 フリルレタス 九条ネギ
「再生野菜」リボベジでフリルレタス
ダイソーの種シリーズ・2袋で100円(税込110円)の「リーフレタスミックス」で収穫したフリルレタスから、更に食べた後の棄てるヘタでリボベジ栽培しました。
成長は比較的ゆっくりですが、枯れるでもなく、伸びるでもない時期が冬場の気温のせいか結構長かったです。
液体肥料でうっすらグリーンの水になっていますが、液肥は最初から濃度を濃くせずに、薄めながら様子見してあげるといいようです。
2個で100円、さらにリボベジまで可能な野菜の種が優秀すぎで怖い((( ;゚Д゚)))
「再生野菜」リボベジで九条ネギ
リボベジ定番の薬味群は、少量収穫できれば用が足せるので安定の人気があります。
薬味ネギとして知られる「わけぎ」は水耕栽培でよく扱われていますが、リボベジの場合は、太い九条ネギが成功しやすいのでオススメです。
これは2cmでリボベジした九条ネギです。
最低限どのくらいまでカットして再生できるのか試してみたのですが、このくらい茎があれば再生できてしまうのです
九条さん((( ;゚Д゚)))スゴイ、スゴイです!
発根も立派です。
通常は、茎部分を5cm以上で栽培するとあらかた成長してくれます。
地上部も伸びながら発根していきますので、より早く収穫ができます。
ちょっと白いところがもったいないけれど将来への投資と目をつむり、長めに切りましょう。
このくらいの長さがあれば、約一週間でメキメキ生えてきます。
水のポット部分は2~3日に1回は交換します。
夏場は毎日替えるようにしますが、適当でいいので気にせずバンバンリボベジしてきましょう。
まとめ
「小松菜のリボベジで種はとれるのか?使えるのか?」と言えば「おそらく出来ます」が正解でした。
栄養なし、用土なしの水耕だけでも董は立つ(開花する)のですが、伸びるというだけで、土はやはり必要です。
来月の(これを書いているのは4月中旬)暖かくなる頃から、梅雨どきにかけてリボベジ栽培するときは、もう少し水捌けと培養土を工夫してみようかと思います。
梅雨時は日照時間も曇りの日が多くなるけれど、その分柔らかくて美味しい葉っぱになりそうな感じです。
今回のは、、ちょっと葉っぱが小さかったですね(/´△`\)
レクチャー記事で、というご依頼だったのに、いつの間にか栽培レポートみたいになってしまいました。ではまた。
後編記事「リボベジで何回まで再生できる?小松菜からとれた種で2度目の収穫」はこちら↓