
ドクダミは東アジアが原産の植物で、コンクリートの割れ目からも生えてくるほど生命力の強い植物です。
雑草として嫌われることも多いドクダミですが、その抗菌作用から治療薬として活用されてきました。
現在でもその葉を煮出したドクダミ茶が利尿作用や整腸作用を目的に飲用されています。
ドクダミの基本情報
学名 | Houttuynia cordata |
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英名 | Dokudami、Houttuynia |
科名 | ドクダミ科 |
属名 | ドクダミ属 |
原産地 | 東アジア |
ドクダミの特徴
ドクダミは「十薬」と呼ばれるほど様々な使い道があり、古くからは薬用植物として痛み止めなどに利用され、現在ではその利用法もより幅広くなっています。
洗って乾燥させたドクダミをホワイトリカーやウォッカなどのアルコールにつけて作る「ドクダミチンキ」は入浴剤や虫よけスプレーとして利用することができます。
ドクダミには「クエルセチン」と呼ばれる成分が含まれており、これには血管を拡張する作用があるといわれています。
そのため、入浴剤として用いることで血行促進などの効果も期待されています。
また、ドクダミ独特のにおいは「デカノイルアセトアルデヒド」と呼ばれる成分によるもので、この成分が虫よけに効果があると考えられています。
さらにドクダミを水で抽出したものがアレルギー性鼻炎やぜんそくに関わるアナフィラキシー反応を抑制し、アレルギー症状を緩和することが報告されています。
この結果は動物での実験結果なので人間でも同様の結果が出るとは限りませんが、民間療法の一つとして可能性があるかもしれません。
自然由来の生活にこだわりがある人はドクダミをうまく活用してみるのもいいかもしれませんね。
ドクダミの種類
ドクダミは1属1種で日本や中国など東アジアで幅広く分布しています。近年は観賞用の品種も開発されています。
五色ドクダミ
トリカラーやカメレオンと呼ばれることもあるヨーロッパから逆輸入された品種です。
葉が赤や黄色などカラフルに染まるため、鑑賞用に人気のある品種です。
ヤエノドクダミ
白い小苞片がピラミッド状に重なり合い、八重咲のように見える品種。
錦ドクダミ
五色ドクダミよりやや小型の品種です。
赤い葉色が美しく小型のため、可愛らしい見た目が特徴の品種です。
ジョーカーズ・ゴールド
明るい黄金色の葉が特徴の斑入り品種。
ドクダミの栽培・育て方
ドクダミは日本全国、湿地・乾燥地・日なた・日陰問わず幅広いエリアでみられる植物です。
適応範囲の広いドクダミですが、日当たりと適切な湿度を確保してあげることで花付きや葉の色合いも鮮やかになり、鑑賞用としての価値も高くなります。
ドクダミの育て方情報
分類・形態 | 多年草/山野草 |
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草丈・樹高 | 20~40㎝ |
開花の時期 | 5月中旬~6月 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉性、カラーリーフ、初心者でも育てやすい |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 4月、10月 |
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植え替え | 4月、10月 |
肥料 | 4~5月中旬 |
開花 | 5月中旬~6月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
適応う範囲の広いドクダミですが、日当たりや湿度の条件でその草姿は変わってきます。
日陰で湿度の高い条件だと徒長気味に、乾燥地だと草丈が低く花付きも悪くなります。
日当たりが良く適切な湿度では節間もつまり花付きも良くなります。
また葉が斑入りの品種の場合、日当たりが良いほど斑模様も色鮮やかに広がります。
凍結に弱いので鉢植えの場合は防寒対策をしてあげましょう。
水やり
鉢植えの場合、土の表面が乾いたタイミングで水をたっぷり上げるようにします。
庭植えの場合はほとんど水やりは必要ありません。
極端な乾燥が続いた場合にあげるようにしましょう。
肥料
基本的に必要ありませんが、4~5月中旬に緩効性の肥料を少量与えておくことで花付きがよくなります。
用土
幅広い土質に適応することができます。
市販されている草花用の培土も利用可能です。
温度
基本的に幅広い気温に適応します。
夏越し・冬越しの場合も特別な処置は基本的に不要です。
冬は地上部が枯れこみますが、春になると新芽が芽吹き始めます。
どくだみを育てるときのポイント
選び方
病気や虫がついていないかを確認しましょう。
近年八重咲の品種や葉が斑入りの品種などもあるのでお好みに合わせて選びましょう。
植え付け・植え替え
基本的に真冬の厳寒期以外ならいつでも植え付け可能です。
最適期は4月と10月でこのタイミングで植え付けると地下茎を旺盛に広げます。
繁殖力が旺盛なため、地植えにする場合は場所をよく選んでからにしましょう。
収穫
ドクダミ茶として利用する場合、収穫は5月ごろがベストタイミングです。
蕾が出て、花が咲き始める前が最も薬効があるといわれています。
花が咲き始めた頃からはドクダミチンキをつくるのに最適な時期です。
入浴剤や虫よけスプレーなどに利用することができます。
増やし方
ドクダミは地下茎によって増殖します。
生命力がかなり強いため地植えの場合は特に手入れをしなくても自然に増殖していきます。
鉢植えの場合、植え替えの時期と同じタイミングで株分けを行い地下茎を植えることで増やすことができます。
気を付けるべき病気・害虫
ドクダミは虫よけとして利用されることもあるくらい、虫の忌避効果の強い植物です。
そのため、ほとんど病害虫の発生はみられません。