ローズマリーは、香りのよい針葉樹のような緑の葉を一年中楽しむことのできるハーブです。
ピンクや白などの可愛らしい花を咲かせるので、料理用としてでなく、観賞用としても利用できます。
暑さや寒さに良いので、初心者でも育てやすいハーブです。
今回はローズマリーの育て方や種類、活用方法についてご紹介します。
ローズマリーの基本情報
学名 | Salvia rosmarius |
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英名 | rosemary |
その他別名 | マンネンロウ、Rosmarius officinails |
科名 | シソ科 |
属名 | セージ属 |
原産地 | 地中海沿岸部 |
ローズマリーの特徴
ローズマリーは年中収穫できるので、キッチンハーブとしてお庭にあると便利です。
地植えでも鉢植えでも、またはハンギングでも育てることができます。
葉や枝は料理の風味付けやハーブティなどに使える他、リースや花束などのクラフトにも利用できます。
旺盛に育つのでグランドカバーにもなり、利用範囲の広い魅力的なハーブです。
また、形や花の色など様々な種類があるので、用途に応じて好みのローズマリーを選ぶことができます。
ローズマリーの種類
ローズマリーは、枝が上に伸びる「立性」と、地を這うように伸びる「ほふく性」、その中間の「半立性(半ほふく性)」の種類があります。
それぞれの種類の代表的な品種をご紹介します。
トスカーナブルー(立性)
成長が早いので、料理用としておすすめの品種です。薄紫色の花を咲かせます。
アップローズマリー(立性)
マイナス20度くらいまで耐えると言われている耐寒性の強い品種です。青い花を咲かせます。
ダンシングウォーターローズマリー(ほふく性)
成長が早く、花色が濃い多花性の品種です。
ウッドローズマリー(半立性)
濃い紫色を咲かせます。多花性なので、特に観賞用としておすすめです。
マジョルカピンク(半立性)
秋から冬にピンクの可愛らしい花をたくさん咲かせ、弓なりに伸びます。
ローズマリーの栽培・育て方
ローズマリーは、種から育てると収穫までに3年くらいかかるので、初心者は市販の苗を購入して育てるのが簡単です。
様々な種類があるので、用途にあった品種を選ぶとよいでしょう。
日当たりと風通しのよい乾燥した場所で育てると、元気に育ちます。
成長速度が早く枝が密集して蒸れやすいので、適宜剪定をして風通しよく保つことがポイントです。
ローズマリーの育て方情報
分類・形態 | 常緑低木/ハーブ/庭木、グランドカバー |
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草丈・樹高 | 30cm〜200cm |
開花の時期 | 11月〜3月 |
花色 | ピンク、白、紫、青 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、キッチンハーブ、グランドカバー、クラフト等 |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 4月〜6月、9月〜10月 |
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植え替え | 4月〜6月、9月〜10月 |
剪定 | 5月〜6月 |
肥料 | 地植えは元肥のみ、鉢植えは春に追肥 |
開花 | 11月〜3月 |
収穫 | 3月〜10月 |
栽培に必要な準備・環境
ローズマリーは夏の暑さや乾燥には強いですが、葉が茂ると蒸れやすいので風通しのよい場所で育てることがポイントです。
日当たり・置き場所
日当たりと風通しのよい場所で育てます。鉢植えの場合は、寒冷地では冬は寒風を避けられる場所に置きましょう。
地植えの場合は、水はけのよい乾燥した場所に植えましょう。
水やり
過湿を嫌うので、乾燥気味に育てます。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えましょう。
地植えの場合は、根付いたあとは水やりはほとんど必要ありません。
肥料
元肥だけでよく育ちます。植え付け時に、緩効性化成肥料を土に混ぜましょう。
鉢植えの場合は、年に1〜2回収穫後に液体肥料や化成肥料を与えましょう。
用土
ハーブ用や草花用の培養土もしくは、赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2を配合して土を作ります。
アルカリ性の土壌を好むので、用土10lあたり10〜20gの苦土石灰を混ぜましょう。
ローズマリーを育てるときのポイント
選び方
葉が緑色のいきいきした苗を選びます。様々な品種があるので、好みの苗を探しましょう。
種まき
種から育てる場合は、気温が20〜25度くらいなるときに種まきをします。
土に種をまき、薄く土を被せます。発芽まで2週間〜1か月程度かかるので、種が乾かないように水やりします。
植え付け
種から育てると収穫まで年数がかかるので、苗から育てるのが簡単です。
4〜6月もしくは9〜10月頃の暖かい時期に、地植えまたは鉢に植え付けましょう。
植え替え
鉢植えの場合は、旺盛に育ち根詰まりしやすいので、1年ごとに大きなコンテナに移植しましょう。3月〜5月か10〜11月頃がおすすめです。
地植えの場合、大株に育つと突然枯れることがあるので、4〜5年で挿し木などえ株を更新しておくとよいでしょう。
剪定
成長が旺盛なので、伸びすぎると樹形が乱れます。収穫をかねてこまめに剪定するとよいでしょう。
梅雨前には、混み合った枝を切り戻し、風通しをよくして蒸れを防ぎます。
収穫
常緑なので、ほぼ1年中収穫できます。枝先を切って料理などに利用できます。1年目は成長がゆっくりなので、収穫は控えめにしましょう。
増やし方
挿し木で増やすことができます。挿し木は、新しく成長した枝を15cmほど切り取り、下半分の葉を取り除きます。
1時間ほど水に浸け(水揚げ)、土に植えます。植えた後はたっぷり水を与えて管理します。
気を付けるべき病気・害虫
葉に白い粉をまぶしたような「うどんこ病」になることがあります。
また、新芽や葉の裏にアブラムシがつくことがあります。
殺虫剤・殺菌剤
ローズマリーは、料理にも使うのでできるだけ薬剤を使わずに対処しましょう。病気になった葉は切り取ります。
アブラムシはブラシなどで払い落として処分しましょう。
天然系の薬剤(BT剤など)や食品由来成分の薬剤(粘着くん液剤など)で虫や病気を殺虫・殺菌する方法もあります。