ローズマリーで【防虫剤の作り方】赤ちゃんにも安心な手作り虫よけを作ろう!

風味素材としても人気のあるハーブ「ローズマリー」ですが、ハーブエキスを抽出し「除虫剤」や入浴剤にして活用できるハーブです。

今回は、植物や人体(乳幼児は除く)に害のない天然の虫除けスプレーに使えるティンクチャー(ハーブチンキ)を作っていきます。

ローズマリーで虫除けはできる?

ローズマリーのハーブチンキ

答えからいうと「除虫剤としては使えそう」です。防虫剤とまではいかないけれど穏やかな、人体に無害な散布材として大いに活用したいものですが、乳幼児には刺激性が強いので回避された方が賢明です。使用は植物を中心にですが、散布した植物は流水に浸せば大丈夫です。

*画像はホワイトリカー1リットルで漬け込んでいるローズマリーのハーブチンキ。

ローズマリーチンキの有効になる成分

ローズマリーには、抗炎症作用として「イソラムネチン」が、女性ホルモンの活性、調和の代表成分として「フィトステロール」が挙げられています。古来より地中海~原産国でのローズマリーは、消炎、抗炎症作用、殺菌作用に優れており、肉の保存やハーブオイルとして親しまれてきました。文化的な慣習として「魔除け」のまじない、儀式儀礼の呪草として使われている地域もあります。

化学の話は、只の素人園芸好きで良くわからないので以上は、文化科学研究科で薬草、本草学にお詳しい修士の先生にお伺いいたしたお話の要約を抜粋しました。

ついでに、いつも食物の画像を提供させてる「昔、ちょっとは薬でならした女」を自称する、近所の薬草ばばあが除草作業をしていたので、やっつけで聞いてみたところ、
「効き目、、、それっぽい葉っぱだから消炎。ホルモン活性は、、匂いが何となく、キレてる女豹みたいな都会の女に似合いそうだから」とのこと。それっぽい葉っぱって何?テキトーすぎる(/´△`\)

除虫剤ローズマリーエキスを作るには

ローズマリーのハーブエキス

ローズマリーはフレッシュハーブでもドライでも作れますが、除虫だけでなく芳香剤としても楽しむなら、フレッシュハーブで作るのがおすすめです。芳香剤なら翌日からでも使用できます。ほか、化粧水や飲用も出来るので使い方を自由に楽しんで下さい。

画像/こちらは焼酎30度に、5日程度漬け込んでいるローズマリーのハーブエキス、もちろん飲用や食用も出来ます。カクテルやソーダ割などにもに、数滴垂らして香りをつけます。渋味と深みが大人の味わいです。

⚫作りやすい分量の目安

ローズマリー20cm程度の新しい枝葉
(必ず水気を拭いて乾いてから)
ドライでも良い10本~
ウォッカなどホワイトリカー(25度以上)度数は高いもので250ml
密閉瓶Ziplockでも可300ml~

▶注意点
密閉瓶は必ず煮沸し、乾燥させてください(やらないとカビが生えたり、白い物体が浮いてきたりしますので、保存性を高めるために行います)
密閉容器がない場合は、Ziplockの密閉バッグでも大丈夫です。

アルコール類は、最低25度以上(出来れば30度以上が望ましいです)。冒頭のローズマリーエキスの抽出にはウォッカを使用しています。基本、度数の高いものなら何でも良く、ホワイトリカー(梅酒や果実酒用)、ジン、麦焼酎などでも作ることが出来ます。飲み残しのアルコールで良いので、色々試してお好みで作っていただければと思います。
ただ日本酒は、吟米独特の風味になりますので、フレグランススプレー、化粧水にも兼用したい場合は、ちょっと向かないかもしれません(^^;

ローズマリーティンクチャーを使った「除虫剤」の作り方

  1. ローズマリーを剪定する
    洗いたい場合は、必ず乾いてから使用するのが鉄則です。洗ったらかやぶきんに広げ乾かしますが、望ましいのは濡れ布巾で拭くだけ、又はそのまま使用が一番良いです。
  2. ホワイトリカーに浸ける
    度数は高いほどよいです。最低でも30度以上で作ってください。
  3. 冷暗所に置いて保管する。
    2、3日くらいから芳香剤、防虫散布で使えますが、エキスとして熟成するのは夏場で3ヶ月くらいです。

除虫剤として散布するには

出来上がった原液のチンキ剤を200mlのスプレーボトル(又は霧吹き)の水にに15ml~30ml注入して軽く振って散布します。

葉の表面にもスプレーして軽く植物を揺らすと効果的です。
香りが強いほど防虫の効果もありますが、線虫などの地下に潜っている生き物には効き目はないようです。コバエやボウフラ、アブラムシなどは一時的に回避できます。

⚫注意すること
ミントやバジルなど、薄い葉の植物に散布する場合、濃すぎるとハーブの香りが損なわれるので注意します。麦焼酎や日本酒で作ると微妙な香りになるので、葉っぱにはかけない方がいいかもです。
アミノ酸はとても豊富なので植物の栄養にはなります。地面に向けての噴霧は問題ありません。コバエよけなら大丈夫です。

「入浴剤」にも使えるローズマリー

剪定で大量の残さがでた場合、入浴剤としても活用度が高いです。チンキ剤を作ってもまだ余る、というときには是非おすすめの活用方法です。盛夏の時分にはさっぱり爽快間違いなしです(^^)
スーパー銭湯やリゾート施設でハーブをを使った「薬草風呂」があったりしますが、ローズマリーは昔から美容、美白の妙薬としてヨーロッパで珍重されてきました。薬草のお湯ですが、特に葉っぱのハーブ類は湯温で香りが飛びやすいため、数時間おきにハーブのネットバックを交換して、香りをキープさせていました。
時間が経つと、湯船の色も茶色に変化していくので、何だか効き目がありそうな、ありがたい色味の薬草の湯になります。
ご家庭のお風呂でも、不織布のバッグにローズマリーを詰めて、湯船に浮かべると、その芳香はリフレッシュ効果抜群です。庭いじりの剪定で残さが出たら是非お試しを。

付録:合わせると相乗効果が高いハーブ

ストロングミント間違いなく爽快の定番。画像はアップルミントです。
ラベンダー香りが強いもの同士ですが浴用向けにはちょうどいい組合せ。スイートラベンダーがおすすめ。
セージ芳香属が類似なため薬草風呂感高めです。

ローズマリーをドライハーブにして作るチンキ剤『ミックスティンクチャー』

樹木など、特に食用としない観葉植物などでは以下のドライ材料でも除虫剤として応用することが出来ます。ローズマリーの収穫時期で、去年のドライハーブが残っていたら、これらの素材と合わせて作ることも出来ます。
ドライにしたローズマリーは、フレッシュな枝葉の3倍の成分含有があるといわれています。たぶん干した分、同量換算にすれば、そんな感じもしますよね(^^ゞ

⚫使用する材料一例

ローズマリー防虫菊丁子
ストロングミント山葵粉末山椒
唐辛子タバスコ 

▶注意する点
上記の植物は、スパイス材料も多いですが、刺激性が強すぎると、散布した植物が枯れますので、濃度は薄めに数滴垂らして希釈し、様子を見ながら散布してみます。

まとめ 「ハーブの抽出液」の保存について

仕込み後約6ヶ月のローズマリーチンキ剤
画像/仕込み後約6ヶ月のローズマリーチンキ剤(ティンクスチャー)

ローズマリーは、その芳香性と強めのメントールが豊富なので、その葉を振っただけでも香りがたちます。それらの有効揮発成分がアルコールによく溶けることもあり、少ない分量でも香りが立つハーブチンキ剤を作ることが出来ます。保存性もアルコール度数が高ければ2―3年は冷暗所で保存が利きますが、香りは変化していきます。
一番搾りのフレッシュがお好みならば、剪定ついでに少量づつ作っておくといいでしょうね(^^)ローズマリーの枝は、抽出が終わったら取り出す方が良いのでお忘れなく。