
- ハオルチア雫石(オブツーサ)の徒長について理解できる
- ハオルチア雫石(オブツーサ)の徒長の直し方が自分でできる
- ハオルチア雫石(オブツーサ)が徒長する原因と直し方、予防がわかる
- ハオルチア雫石(オブツーサ)の徒長の予防ができるようになる
ハオルチア雫石(オブツーサ)は、「軟葉系」と呼ばれるハオルチアの種類です。葉先に透明窓を持ち、土にクリスタルを刺したような見た目が涼しげで人気の多肉植物です。
こちらでは、ハオルチア雫石(オブツーサ)が徒長する原因と直し方、そして予防するコツまで一挙紹介します。
ハオルチア雫石(オブツーサ)が徒長する原因
ハオルチア雫石(オブツーサ)が徒長する原因は
- 日照不足
- 水のやりすぎ
- 肥料のやりすぎ
その他にも徒長の原因はいくつか考えられますが、そもそもハオルチアは多肉植物の中では徒長しやすい種類なので、なるべく悪い環境を取り除く必要があります。
「日照不足」による徒長

ハオルチア雫石(オブツーサ)は、日焼けしやすく直射日光が苦手です。耐陰性もあるので日陰で育ててしまいがちなのですが、ハオルチアは実は穏やかな日当たりを好む種類でもあります。
どのくらいの光量を好むのか、その加減が難しく、日陰で育ててしまうと「暗すぎた」という失敗が起きることも…。自宅のハオルチア雫石(オブツーサ)に徒長が見られたら、置き場所が暗すぎる可能性があります。
「水のやりすぎ」による徒長

ハオルチア雫石(オブツーサ)は、多肉植物の中では、水を好むほうだと言われます。しかし、鉢や用土の種類により水やりの量は変わってくるので、適量を見極めましょう。
一般的に言われるように、たっぷり水を与えてしまうと、用土によっては加湿になりすぎる可能性があります。いつまでも鉢内が湿っているようなら、水やりの量や回数を減らしてみるなどの対策を。
「肥料のやりすぎ」による徒長

ハオルチア雫石(オブツーサ)に限らず多肉植物は、一般的な草花ほど肥料を必要としません。他のガーデニングと同じタイミングで肥料を与えてしまうと、肥料過多になり徒長を促進してしまいます。植え付け時に少量の化成の元肥を混ぜたら、その後は肥料は与えなくてもよく育ちます。もし肥料をやるとしたら、春と秋に1回ずつ薄い液体肥料を与える程度で十分です。
ハオルチア雫石(オブツーサ)が徒長したときの直し方
大事に育てていたハオルチア雫石(オブツーサ)が徒長したら、どうしたらよいでしょうか。
- 株分け
- 芽欠き
- 胴切り
- 葉差し
- 根差し
- 種まき
などで仕立て直すことができます。こちらではオブツーサが徒長したときの6つの直し方を詳しく解説します。
【徒長の直し方①】株分け

ハオルチアの徒長の直し方で、一番おすすめなのが「株分け」です。ある程度大きくなり、根っこも生えている子株なら、初心者でも簡単に復活させることができますよ。
ハオルチア雫石(オブツーサ)の土を優しく落とし、親株と子株を切り離します。このとき根がたくさんついているようなら、多少細い根が切れても問題ありません。根が少なく傷口が大きいようなら、1週間ほど乾かしてから個々の鉢に植え付けましょう。
【徒長の直し方②】芽かき

株分けできるほど大きくなくても、しっかりとした芽なら親株から切り離して差し芽にすれば、初心者でも簡単に増やすことが可能です。1~2週間ほど乾かしてから植えると発根しやすくなります。
用土は親株と同じ配合で構いませんので、鉢に数本の芽を差して、数か月後に隣同士の葉がぶつかるくらいに大きくなったら、それぞれ単体の鉢に植え替えます。
【徒長の直し方③】胴切り

ハオルチア雫石(オブツーサ)は上に伸びやすいので、胴切りによる仕立て直しが向いています。少し難しいですが、チャレンジしてみましょう。
切りたい段にテグス(透明ナイロン糸)を一周回してクロスさせ、左右に思いきり引っ張るとプツリと音を立てて切断できます。この時、大事な葉を傷つけないよう、しっかりと中心にテグスを回すのが失敗しないコツです。
下段は光に慣れていないので、しばらく日陰で管理するとよいでしょう。

【徒長の直し方④】葉差し

葉差しは、ハオルチア雫石(オブツーサ)の葉を一枚一枚、根元の白い部分を付けて丁寧にとり、用土の上に重ならないように置いて発根させる方法です。
用土の上に置くだけでなく、土に斜めに差す方法もあります。芽が出るまで水やりは必要ありません。芽が出るまで半年くらいかかるので、気長に待ちましょう。成功率は3割ほどといわれています。
【徒長の直し方⑤】根差し

根差しは、ハオルチアのように太い根っこを持つ種類でできる増やし方です。時間がかかるので初心者にはあまり向かないかもしれませんが、覚えておくとよいでしょう。
根鉢を抜いて太い根っこがあれば、少し茎の部分を残して切り取り、根の上部1㎝を用土から出すように植え付けます。根の周りに子株が生えてくるのは早くて半年、1年以上かかるかもしれません。
【徒長の直し方⑥】種まき

種まきは、直接親株の徒長を直すものではありませんが、失敗した時の保険という意味では効果があります。オブツーサの開花は2月~6月ごろ。種さやに切ったストローをかぶせておくと飛び散らずに採種できますよ。
一週間ほど冷蔵庫で保存したのち、種子を用土にまいて薄く土をかぶせましょう。3週間ほどで芽が出てきます。上級者向けですが、他品種と交配をして育種をしてみたい人におすすめの方法です。
ハオルチア雫石(オブツーサ)の徒長を防ぐコツ
ハオルチア雫石(オブツーサ)は、プリっとした水晶のような短い葉が魅力です。なるべく徒長させないで鑑賞したいですよね。どうしたら徒長を防げるのでしょうか。
- 日照不足を防ぐコツ
- 水のやりすぎを防ぐコツ
- 肥料のやりすぎを防ぐコツ
こちらでは、徒長を防ぐ3つのコツをご紹介します。
「日照不足」を防ぐコツは?

ハオルチア雫石(オブツーサ)は、よく「レースのカーテン越し」の光を好むと言われます。しかし、同じレースのカーテンでも、方角により光量が変わってきます。
南側からの日差しは強いのでレースのカーテン越しの光がよいのですが、東や北側で午前中しか日が当たらないなら、直射日光でもちょうどいいくらいです。ただし、日陰に慣れてしまった鉢をいきなり日に当てると葉やけを起こすので、徐々に慣れさせるようにしてくださいね。西日には、できれば当てないほうが安心です。
「水のやりすぎ」を防ぐコツは?

徒長の原因で「日照」の次に挙げられるのは「水のやりすぎ」です。ハオルチア雫石(オブツーサ)は水を好む多肉ではあるのですが、用土の種類により水持ちが全然違います。
この画像の右半分は市販の「多肉の用土」です。左半分は「観葉植物の土」。この二つはどちらでもハオルチアを育てることができますが、同じように水やりすると、左の土の方が乾きにくくなります。表面が乾いているように見えても、鉢内が湿っているということも…。適切な水やりの量を見極めましょう。


「肥料のやりすぎ」を防ぐコツは?

ハオルチア雫石(オブツーサ)の徒長の原因のひとつに「肥料のやりすぎ」が挙げられます。特に、葉肥えと言われる窒素分が多いと、葉がだらしなく大きく伸びてしまいます。
オブツーサはさほど肥料を必要としない植物です。もし植え付け時に「多肉の培養土」が無肥料だったら、ほんのひとつまみ化成の元肥を混ぜる程度で十分です。その後の置き肥は必要ありません。元気がないようなら半年に一回、春か秋に規定量に薄めた液体肥料を与えるとよいでしょう。

薄める必要のないストレートタイプもおすすめです。

まとめ
ハオルチア雫石(オブツーサ)が徒長する原因と直し方、そして予防するコツ3点について解説しました。一般的に言われる育て方を思い込みで実行してしまうと思わぬ落とし穴があるかもしれません。
「レースのカーテン越し」や「水は〇日に1回たっぷりと」などという文言が自宅の環境に当てはまるとは限らないので、よく様子を見て判断するように心がけてくださいね。