オオスカシバってどんな虫?【被害にあいやすい植物・幼虫の駆除方法】

公園や道端に咲いている花をホバリングしながら蜜を吸っている一見蜂のようなオオスカシバという虫をご存じですか?

蜂よりも少し大きく体が毛で覆われて黄色いお尻が特徴的なかわいらしい虫で飼育している人もいるほど。

ただ一方でオオスカシバの幼虫は、とっても食欲が旺盛なため早めに駆除が必要です。

小さい植物であればあっという間に葉を食べつくされて全滅なんてこともあるんです。

今回はオオスカシバの特徴から種類、そして植物への被害や駆除方法まで紹介します。

オオスカシバとは

オオスカシバは花の蜜を吸うのに対して、幼虫は葉を食べ成長します。

オオスカシバは毒をもたず人間に害はない

オオスカシバは北海道を除いた日本全域に生息しています。

オオスカシバはまるでハチドリのようにすばしっこい動きが特徴で、ホバリングしながら蜜を吸う様子は蜂にも似ています。

しかしオオスカシバは、毒は持たず人間を襲うこともない安全な虫です。

蜂よりも体が大きく、お尻の部分が横に広がっている様子から、飛ぶエビフライなんて言われることも。

毒がなく安全でかわいらしいオオスカシバは子どもでも安心して育てることができ、飼育目的で子どもから大人まで人気の昆虫でもあります。

オオスカシバの幼虫は食欲がすごい

オオスカシバの幼虫も毒もなく人間に害を与えるものではありませんが、注意すべきはその食欲。

オオスカシバの幼虫は主に葉や花芽を食べて成長します。

成長するにつれて食欲は増し、葉や花芽をどんどん食べ、あっと言う間に丸坊主にしてしまいます。

食べつくされる前に気づいたとしてもその時はオオスカシバの幼虫はある程度成長しています。

花付きが悪くなったり最悪枯れてしまうこともあります。

そのため、オオスカシバの幼虫は見つけたら出来るだけ早く駆除が必要です。

そして、食欲がすごいため糞もまた大きく、黒い俵型でトウモロコシのような粒状の模様をした糞がたくさん落ちます。

糞を見つけたらオオスカシバの幼虫に注意しましょう。

オオスカシバの生態・種類

オオスカシバは実は蛾の仲間でもあります。

スズメガの幼虫や成虫の生態と種類を紹介します。

オオスカシバはスズメガ科

オオスカシバはチョウ目スズメガ科の大形の昆虫であり蛾の仲間です。

同じスズメガ科にはウンモンスズメやベニスズメなど大型の仲間がいます。

スズメガは主に夜行性ですが、同じスズメガ科でもオオスカシバやホウジャク類は昼に活動します。

スズメガは竣速力が高いことが特徴であり、中には時速50kmもの速さで飛ぶことができる種類もいるほどです。

オオスカシバの幼虫

オオスカシバの幼虫は約60㎜前後の大きさで緑や茶褐色のタイプがあります。

お尻の部分にはスズメガ科の幼虫の特徴でもある尾角(びかく)と呼ばれる突起のようなものがあります。

葉や新芽をたくさん食べて成長することで、身体もどんどん大きくなり終齢幼虫にもなると黒と赤の点々模様が体に出てくるのです。

そして成長した幼虫は、地面に降りてまゆを作りサナギとなって冬を越します。

その後6月~9月頃に羽化し成虫となるのです。ちなみによく見ると全然違うのですが、一見毛虫のようにも見えるオオスカシバ。

違いは体に毛が生えているかどうかで見分けることができます。

オオスカシバの成虫

オオスカシバの成虫は体長は約60㎜前後と比較的大きく、透明な羽をもち体の表面がうさぎのようなふさふさの毛で覆われています。

体の色は、背中は黄緑でお腹に赤い帯がありお尻は黄色という何ともカラフルな姿が特徴です。

日本では北海道以外の全域に生息しており、4月~10月頃に活発に活動します。

オオスカシバの被害にあいやすい植物

ここでは、オオスカシバの幼虫が好んで食べる植物を紹介します。

オオスカシバの幼虫はクチナシが大好物

オオスカシバの幼虫はクチナシが大好物であり、クチナシの葉をみると高い確率でオオスカシバの幼虫を見つけることができます。

クチナシの葉に卵を産み付け、幼虫となったオオスカシバはそのままクチナシの葉や芽をどんどん食べつくします。

クチナシ以外にも、クチナシと同じ科であるタニワタリノキやスイカズラ科のツキヌキニンドウも食べます。

オオスカシバの幼虫は最初に食べた草以外は食べないため、色んな種類の葉を手当たり次第食べるということはありません。

一匹見つけたら複数見つかる場合も

クチナシの葉にオオスカシバの幼虫を見つけた場合は、卵を複数産み付けられている可能性があり、複数の幼虫がいることが考えられます。

またオオスカシバは年に2回孵化するため一度全て駆除したとしても、しばらくした後にまた幼虫がいるということもあります。

そのため一度見つけたら駆除後も一定期間定期的に観察する必要があります。

オオスカシバの幼虫の駆除方法

クチナシなどの植物を守るために早めの駆除が必要ですが、オオスカシバの幼虫の駆除はちょっと厄介です。

地道に一匹ずつ捕殺する

オオスカシバの幼虫に効くような殺虫剤や防虫ネットなどは、クチナシの葉や生育に影響を及ぼす可能性があるためおすすめしません。

そのため、オオスカシバの幼虫は一匹ずつ地道に捕殺することが基本です。

またできれば卵の段階で駆除する方が簡単ですが、卵は1ミリほどの大きさで透明であり葉裏に産み付けられています。

見つけにくくよく観察する必要があります。

若齢幼虫にはオルトラン錠剤が効く

卵から孵化したばかりの若齢幼虫は保護色のため見つけにくいです。

オルトラン錠剤が効くために予防的にオルトラン錠剤を土にまくといいでしょう。

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また幼虫がある程度成長してくるとオルトラン錠剤も効果が薄くなります。

その際は人や植物にも影響が比較的少ないスミオチン乳剤も効果があります。

ただし、スミオチン乳剤も農薬ですので使用の際は皮膚や粘膜につかないよう手袋をし注意して使用しましょう。

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まとめ

オオスカシバとは蛾の仲間であるスズメガ科の昆虫であり、毒もなく安全な虫です。

ただし、オオスカシバの幼虫はクチナシの葉や芽を好んで食べ、気づけば食べつくされ最悪枯れてしまうこともあります。

成虫の可愛らしさを知ってしまうと、抵抗があるかもしれませんが、クチナシの木を守るためには駆除が必須です。

駆除方法は卵か幼虫を捕殺するか、若齢幼虫であればオルトラン錠剤が効くため予防的に散布することも有効でしょう。

オオスカシバは一度駆除してもしばらくすると再び幼虫がついていることが多いため定期的な観察が大切です。

昆虫が好きな方であれば、幼虫の時に捕獲してお子さんと一緒に飼育してみるのもおすすめですよ。