紫蘇のプランターでの育て方|ベランダで家庭菜園!水やりや日当たりのコツも紹介

6月から7月の梅雨時から初夏にかけて、赤紫蘇は梅仕事に欠かせない食材です。古来より保存食や、着色素材としても親しまれてきました。

今回は、赤紫蘇の栽培方法や、植え替え、土作りなどを中心に苗床作りをご紹介します。赤紫蘇は半日陰栽培が可能なので、軒下やベランダでのプランター栽培でも育てられます。

赤紫蘇とは?

赤紫蘇とは

原産地は中国ですが、日本でも全国的に栽培されています。赤紫蘇は初夏の梅仕事には欠かせない葉ものですが、スーパーなどではあらかじめ漬け込み原料として加工されたパック製品が出回っています。

根付きの大束(800g~1kg)は底値で500円~800円程度です。

赤紫蘇の基本情報

学名Perilla frutescens var. crispa
英名red perilla
科名シソ科
属名シソ属
原産地中国、日本など

*今回は国産品種 福岡の「芳香赤しその種」を使用しました。

赤紫蘇は古くから伝わる伝統食|栄養や効果・効能は?

赤紫蘇の栄養や効果

去年、薬草ババアが作っておいた「乾燥赤紫蘇」、赤紫蘇エキスを作った残りものなので色が抜けています。食欲増進にもピッタリ(^^)梅昆布茶やお茶漬けに。

古来より毒消しの効能は語られており、赤紫蘇は食品が傷むのを防ぐことができるとされています。日本では懐石でいう向付けの食中毒予防として、刺身の醤油に山葵や紅たでとともに芽紫蘇が添えてあったり、造りの上に穂ジソが並んでいるのはその謂れからです。芽紫蘇は間引いたフタバですが、爽やかな食味で刺し身によく合います。

食養生における紫蘇はその清涼感から健胃、消化促進として重宝されてきました。また旅籠弁当でご飯が傷むのを防ぐため、塩漬けにした赤紫蘇でくるむおにぎりがあります。

仙台では仙台味噌を塗り、直火で炙ったおにぎりを大葉でくるむのが定番スタイルで、駅構内や郷土食コーナーでもよく見かける地元料理です。また津軽の郷土料理では「茄子の赤紫蘇巻き」が有名です。赤紫蘇で味噌茄子をくるみ、フライパンで焼きめをつけた盛夏の爽やかなご飯のお供です。

赤紫蘇の日当たり

赤紫蘇は半日陰栽培が可能です。

発芽までは結構時間がかかります。同じ4月中旬植えのシソ科でも、バジルなどの同種族のシソ科は結構早い発芽ですが、赤紫蘇はそれよりも遅めです。

もう少し気温が上がらないとなかなか発芽しにくいようです。

赤紫蘇の種まきに適した時期

種まき時期は4月~5月が標準ですが、東北や北海道だと7月くらいまでが標準です。収穫する時期に特にこだわりがない場合は、初夏ぐらいまでと覚えておき、収穫までを計画していきます。

今回の蒔種より4月22日撮影、なかなか気温が上がらず、2週間を越えての5月6日、やっとこのくらいの大きくなりました(;´д`)アセッタ

暖かい地域で4月下旬より種まきする場合だと、8月上旬くらいには株も大きくなり、もふもふになっているはずです。(あくまで予定です。)

赤紫蘇の種まきの方法

赤紫蘇の種まきの培養地の作り方、まずは道具をダイソー商品だけで揃えてみました(^^)/

  • 蒔種用バット
  • 腐葉土+バーミキュライト
  • 種カップ
  • シソの種
  • 植物活性剤

蒔種バット

蒔種バット

ダイソーのキッチン用品コーナー、又は整理用品コーナーに置いてある小型バットです。赤紫蘇の種は大変細かい為、玉子パックを切って小型の蒔種ポットに使うのも使う捨てで便利です。今回は3種類の培養土で試してみました。

上から「腐葉土」(こちらはダイソー野菜の土がベースです)、中段「腐葉土」自作したもの、下段「ココピート+鹿沼土+腐葉土」です。どれが一番生育がよいのか、根張り具合がいいかを試そうと思い蒔種培養土も3種に分けてあります。

結果は「DAISO野菜の培養土」が一番早く発芽しました!2番は数日遅れでの自作腐葉土、鹿沼土入りはやはり酸性度も高いせいか、赤紫蘇のお好みではなかった様子です。

赤紫蘇の種を苗に育てる培養地を作る

8号くらいの植木鉢や、5リットル未満の小型プランターでは直か植えで、直接種子を蒔いてもよいようですが、今回は苗床バットからポット、それから定植(プランター)という予定で進めてみました。

赤紫蘇の撒種用のバットの苗の作り方

赤紫蘇の発芽目安は夏場なら4、5日ですが、春からだと7~10日前後で発芽します。発芽しやすいのは20度から25度前後が最も活発なので、寒冷地では5月ごろからでも充分のようです。

蒔種バットに使う用土は(極端な酸性土や川砂などを除き)肥料などは特に気を使う訳でもないので、程よくふかふかした土を使用すればよいかと思われます。

よくわからないときは、適度に水捌けのよい「種まき用の専用培養土」も市販されているのでそれを使うとよいです。こちらも100円ショップによく置いてある商品で、容量も手頃とあってお試し購入には程よいサイズです。

段取り的には撒種用のバットでの苗の発芽~9cmポットに移植までは基本陽向で栽培します。

蒔種培養土、その他

シソ科は日光がないと発芽してきませんので、土は軽くかけておきます。保水も発芽時には多い目がよいですが、土に深く埋めると発芽しにくくなるので、蒔種したらバーミキュライトを覆うようにかけておくのもオススメです。

バーミキュライトはとても軽い上、保水力と適度な水捌けもある改良土で発芽の邪魔をしません。そして何より「農作物を作っている」というような、やっている感があるのが人気の秘密です。

9cmポットに移植まで

種まきバットの中でも、しっかりした苗の生育を見て植え替えますが、フタバから本葉が2枚出て開いたあたりが適当です。

1ポット1本、又は2本以上を移植して、成長のよい方を残して間引き、そのあと本葉が4枚以上になったら、大きな鉢やプランターに定植します。

移植ベラなどで慎重に根をより分け9cmポットに移植して、本葉が4ー6枚になるまで水やりなどを管理します。多めに植えておき、強そうな赤紫蘇を1ー2本残します。

強そうな赤紫蘇を1ー2本残す

本植での培養土

今回は自作腐葉土をプランターで使用しています。(赤紫蘇ではあまり使わないですが)油かすの代わりに、菜の花の残さ(ざんさ)を混ぜました。

当たり前ですが、菜の花を食べてみると、ほんのりサラダ油の味がしますので、少しは肥料の足しになりそうな感じです。

本植での培養土

腐葉土自体には、米ぬかと野菜くずを元肥料材料としていれてあります。茎の硬い野菜や木葉はあらかじめ茎をとっていれると早く仕上がります。

蒔種用バットと9cmポットを兼ねる方法

ちょっと間隔を大きく取り、バットに筋蒔きすることで9cmポット苗を省いて、定植するやり方です。小さな庭植え畑1列くらいはこのくらいで苗をつくってもよいかもです(^^)

今回使ったのは、DAISOのキャンプ用品コーナーに置いてある人気商品「組立式五徳」(税込110円)です。

ダイソーの組立式五徳

他の植物の種も一緒に発芽させたい時にはバット撒きが活躍します。

DAISOの整理バット(税込110円)を2組使い上段には培養土を入れ、下段には水まきした時の落ちた水を受けるため、吸湿紙を敷いておきます。又、種のまきかたに関しては、種の間隔がやや広めになるよう大きく取ります。

椰子繊維培養土

今回の発芽培養土は余っていた椰子繊維培養土を使いました。(できれば腐葉土、籾殻灰、元肥料を入れてください)

発芽してきたら、下画像のように下段バットに水を張って、培養水を給水できるようにします。小さく柔らかい葉っぱを育てるならば、水耕栽培でもよいはずだと思い、今回作成してみた次第です。

また葉の色が思わしくない、徒長しているなどの理由が生じたらこの方法から直接定植することも可能です。

下段バットに水を張って培養水を給水

成長期の赤紫蘇は半日陰でも大丈夫

赤紫蘇も発芽するためには日光がないと発芽してきません。栽培は半日陰でも、発芽から本葉が数枚でるまでは、日照が充分当たるところで育てる必要があります

*半日陰とは、木漏れ日のような日差しが終日、直射日光は4~5時間程度の日照条件を言います。ちょうど東向きや北西向きベランダがそのような条件になります。

ベランダに半日陰を作る

ベランダにタープを張るほか、以下のこのような方法もあります。栽培の基本としては直射日光を避けますが、双葉から本葉が数枚出始めるまでは、直射の日照が充分でないと赤紫蘇も育ちませんので注意が必要です。

和紙でポットを覆う方法

和紙でポットを覆う方法

8ー10号くらいの鉢ならば、一定の日照条件を作るために和紙を張り合わせた覆いをかけておく方法です。日差しのきつい季節は、直射日光を当てないようにして栽培し、葉を柔らかくします。

小型のビニールハウスをかける方法

小型のビニールハウスをかける方法

100Yenショップでも半ドーム型を作れる栽培ひごが売っています。大型プランターならこちらの方がおすすめです。また、ベランダ園芸用で栽培棚を覆うカバービニールも便利です。

赤紫蘇の水やり、肥料の与え方

元肥料と「植物活性剤」は、ダイソーの植物活性剤の全植物用を使いました。定植してからは2週間に1回の割合で差しておきます。液剤ではなくハイポネックスなどの顆粒肥料を溶かして使うのも経済的です。

市販品の元肥料は今回は特に入れていませんが、土植えで大きく育てる場合は土を耕したあと石灰を軽く蒔いてから元肥料を入れます。n-k-pが均等に入っている肥料がよいでしょう。

赤紫蘇は、窒素とカリウムが豊富な土で育てます。ただし、あまり窒素量が多すぎると葉は枯れてしまうのが定番ですので、速効性の液肥の場合は、注意して薄めに与えていくのがよいかと思います。

ダイソー「有機入り元肥」「液体植物活性剤」
参考商品:DAISO「有機入り元肥」「液体植物活性剤」

ちょっと一工夫は種カップ

寒冷地であったり、こまめに霧を吹いたり水やりが出ないので自信がない、という場合は、半日~1日ほど水につけておくと発芽しやすく、管理しやすくなります。細かい種なので小さな薬味タッパーが大変便利です。

今回はこのくらいの分量で、バット二つ分とペットボトル2つ分を蒔いています。1ポットあたり2~3粒を蒔いて後で間引いて大きくします。

参考商品:DAISO「薬味タッパー3個組(税込110円)」
参考商品:DAISO「薬味タッパー3個組(税込110円)」

赤紫蘇の収穫期

赤紫蘇の収穫期、プランターでは地植ほどの大きさにはしないため、本葉が手頃なサイズになってきたら下の葉っぱから数枚ずつ収穫していくと、柔らかいまま食すことができます

加工用に大きく育てる場合は、一部の種子取り用を残して穂が出てくる直前に一気に刈り取ります。

紫蘇ジュースの作り方

梅干しに使う赤紫蘇が余ってしまったら「紫蘇ジュース」がオススメです(^^)

炭酸で割ったり蜂蜜やお好みの甘味料でバリエーションを楽しめます。エナジードリンクで割るのも中々美味しいですよ(^^)/これからの季節の夏バテ対策ドリンクとしてもオススメの爽やかさです。

【紫蘇ジュースの作り方】

  1. 赤紫蘇をよく洗います。
  2. お湯を沸騰させて紫蘇を入れます。(水は紫蘇がヒタヒタになる程度に入れます)
  3. 湯がきはじめてすぐに色が出ますので、30秒から1分以内で紫蘇はザルに上げてしまいましょう
  4. 鍋の中の赤紫蘇ジュースに、レモン汁かクエン酸をいれます(砂糖、蜂蜜は後で足してもよい)
  5. 明るい赤紫に変色し、砂糖が溶けたら出来上がりです。クエン酸は薬局やドラッグストアで購入可能です。

薬草ババアの「赤紫蘇モヒート」はソーダ、ジン、赤紫蘇エキス、レモンに自家製ミントです。

赤紫蘇モヒート

残った赤紫蘇の保存方法

紫蘇ジュースにして残った赤紫蘇は、ふりかけやおにぎりをくるむ大葉として使うと食中毒予防になります。塩漬のままの保存でも3年持ちますし、ふりかけは天日干し、又はレンジでチンすればすくに完成です。

使い方に迷うときは、取り敢えず塩漬けのままラップで包み冷蔵庫や冷暗所に保管します。

【美味しいレシピ・ささみの赤紫蘇包み】

  1. 赤紫蘇でささみをくるむ
  2. 天ぷら粉にくぐらせて180度の油であげる
  3. 抹茶塩、ゆず胡椒などをつけて食べます

赤紫蘇の栽培で注意する病気や害虫

梅雨時に成長期を迎える赤紫蘇は、旺盛に繁ると菌や虫害の危険が多くなります。ベランダ栽培では水捌け、水やりに配慮すればあまり起こらないことではありますが、地植えでは管理が必要です。下葉は硬くなる前に、順次摘んでいくとよいでしょう。

さび病、青枯れ病、褐班病、などの葉っぱに寄生するカビは、赤紫蘇の大敵です。土壌は保水性をよくし、葉っぱにも胞子がつかない工夫が重要です。

丸まったり、縮んでしまった葉っぱは剪定しておきますが、全体にわたっていたら諦めるしかありません。畝の泥はねなどにも気を配り、下葉の処理も大切です。水やりのタイミングにも注意が必要です。

虫害は、赤紫蘇でもやっぱりアブラムシは大敵のようです。こまめについていないか管理しておくと予防できます。やはり美味しいものには虫がつくものですね。

ああ、自信がないとお嘆きのかたもいるかと思いますが、私も赤紫蘇初心者です。お互い頑張りましょう。

まとめ

収穫予定は7月下旬ごろ

赤紫蘇の収穫予定は7月下旬ごろです。

旬の梅が出回るとそろそろ梅仕事の季節です。最初の天日干しの頃までに、今回の赤紫蘇はどうしようかと毎年思案するのものですが、一度は自家製でチャレンジしてみたいと思い栽培してみました。

寒冷地だと、現在ようやく本葉が見えはじめたくらいですので、このまま小株まで育てばと願うばかりです。