
甘くて見た目もかわいいイチゴは、大人から子どもまで大人気ですね。しかし、育て方を見ると「ランナー」や「クラウン」という聞き慣れない言葉が出てくるので、「育てるのが難しいのでは?」と思ってしまう方も多いかもしれません。
この記事ではイチゴの植え替えの方法をひとつずつ紹介するとともに「ランナー」「クラウン」についても解説します。
イチゴとは?イチゴの魅力
イチゴは果物ですが、農林水産省の分類では野菜となっています。「一年で収穫でき、木ではない」ということで野菜の分類になっているようです。
イチゴは他の野菜にはない育ち方をするので栽培自体も楽しめます。苗をひとつ購入すれば簡単に増やすことができるので、初心者でもたくさんのイチゴを収穫することが可能です。
イチゴの基本情報
学名 | Fragaria × ananassa |
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英名 | strawberry |
科名 | バラ科 |
属名 | オランダイチゴ属 |
原産地 | 北アメリカ、南アメリカ |
イチゴの植え替えが必要な理由は?

イチゴは野菜の中でも比較的小スペースで育てることができます。しかし、買ってきたポットのままではあまり成長はのぞめません。せっかく育てるなら実をたくさん収穫したいですよね。
植え替えをすることでイチゴはぐんぐん育ち、「自宅でイチゴ狩り」も夢ではありません。
イチゴはプランターでも地植えでも育てることができるので、おうちの状況に合わせて選んでくださいね。筆者も苗を購入したので、大きめの鉢に植え替えることにしました。
イチゴは省スペースで育てられますが、実が土に触れないように工夫が必要です。ワラを敷く方法もありますが、イチゴの栽培に適したストロベリーポットというものも販売されています。見た目も可愛いのでおすすめです。
イチゴの植え替えに適した季節
イチゴは春に収穫し、その後は実をつけない「一季なり」と、夏や秋にも収穫ができる「四季なり」があります。四季なりは春に植えつけますが、秋は一季なりも四季なりも植えつけができます。
種類がわからないときは秋に植えつけをしましょう。
イチゴの植え替えで今回用意したグッズを紹介

今回イチゴの植え替えに使ったものをご紹介します。
- 培養土
- 鉢底石
- 移植ゴテ
- 鉢
培養土
培養土は、「野菜用」と書いてあれば間違いありません。
鉢底石
鉢底石があることで水はけがよくなります。鉢底ネットでも代用できます。

移植ゴテ
移植ゴテは、苗を植え付けるときに使います。
鉢
筆者はテラコッタのストロベリーポットを用意しました。プランターでも大丈夫です。地植えの場合は植えつけ前に耕し、肥料を入れておきましょう。

こちらがテラコッタのストロベリーポットです。
一番大きな真ん中のところに株を植え替え、後からできた苗を小さい箇所に植え付ける予定です。実を外に垂らすように植えつければ、イチゴも痛まず収穫できます。
ストロベリーポットはひとつでたくさんの株を育てることができますが、土もたくさん使用しますので、多めに購入しておきましょう。

写真のようにプラスチックのストロベリーポットもあります。テラコッタより軽いので、日当たりや気温によって置き場所を変えたい時などはとても便利です。

このように重ねることもできるので、テラコッタのストロベリーポットと同じように省スペースで苗を育てることができます。
その他用意する物として軍手や、土をこぼしたくない場合はシートを用意するといいでしょう。
イチゴの植え替え手順
イチゴを植え替える手順はこちらです。
- 鉢底石を入れる
- 土を入れる
- ポリポットから出す
- 向きを考えて植える
- 葉っぱを整える
- 水やりをする
一つ一つみていきます。
①鉢底石を入れる
筆者はネットに入っているものを使用していますが、バラバラのものでも大丈夫です。
②土を入れる

培養土を入れていきます。ストロベリーポットを使用する場合は小部屋にも土がしっかり入るよう、ならしながら入れていくと綺麗に入れられます。
③ポリポットから出す

ポリポットをひっくり返して後ろを見てみると、ひとつ穴が空いているものが多いです。
この穴を指で押すと土と苗がぽこっと取れます。
④向きを考えて植える

上の写真をみていただくと、赤いツルが伸びています。これは「ランナー」といい、お母さんと赤ちゃんを結ぶ、へその緒のようなものです。
ランナーが伸びた先に葉っぱが生え、その葉っぱが土に触れると根が伸びて子株となります。買ってきた苗にもぴょんと伸びているランナーの跡があると思いますよ。
イチゴの実はランナーと反対側にできます。植木鉢の向きを変えられない場合は、イチゴの実が収穫しやすいようにランナーを奥に、実がつく方を手前に植え付けると管理しやすいです。
また、イチゴの苗の根元には小さな葉っぱのようなものがあります。王冠の形に似ていることから「クラウン」と呼ばれていますが、植え付けの際にはこのクラウンを土で隠さないよう、浅めに植えつけましょう。
「クラウン」はイチゴの成長点で、クラウンが大きいと葉っぱがよく生え、光合成が活発になり、実つきもよくなるようです。苗を選ぶ時も、クラウンが大きいものを選ぶといいですよ!

こちらのイチゴはタネから育った苗です。タネから育った苗はランナーやクラウンがありません。
⑤葉っぱを整える

変色してしまった葉っぱがあった場合は切っておきましょう。
⑥水やりをする

鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。
これで植え替えは完了です。
イチゴの植え替え完了!管理について


気温が高いと葉っぱはどんどん成長します。ランナーも伸び、ランナーの先に葉っぱが出てきたらその下に土の入ったポリポットなどを置くと定着して子株になります。
ストロベリーポットの場合はランナーを小部屋に挿すと定着し、そのまま子株になるので簡単です。
ランナーがうまく挿せない時は針金やヘアピン(Uピン)で固定すると定着しやすいです。子株も葉が増え、定着したらランナーを切ることで見た目もスッキリします。
イチゴの葉が黄色や茶色になったら病気やカビの原因となるのでこまめに取り除きます。
寒い時期は休眠し成長が止まりますが、霜で葉っぱが傷みやすいのでこまめに様子を見ましょう。暖かくなり新しい葉っぱが出てきたら、1〜2週間に一度液肥をあげましょう。
花が咲いたら虫が受粉をして実がなりますが、あまり虫がいない環境で育てている場合は綿棒や筆で人工授粉すると実がつきやすくなります。
イチゴはランナーとクラウンに気をつければ植え替え自体は簡単でした。植え替え後も管理をきちんとして、甘いイチゴをたくさん収穫しましょう!