
砂漠のバラとも呼ばれるアデニウム・アラビカムの苗の、植え替え方法をご紹介します。植え替えに必要なグッズや、植え替え後の育て方のコツなど、写真を交えて分かりやすく解説するので参考にしてくださいね。
アデニウム・アラビカムとは?アデニウム・アラビカムの魅力
アデニウム・アラビカムは、見た目の面白さが魅力です。個性際立つ太い幹と、幹から伸びる細い枝で描かれる宇宙人のようなフォルムに魅了された愛好家は数知れず。
冬の管理さえ気を付ければ初心者でも育てやすいですし、上手く育てればピンク色の綺麗な花を咲かせてくれます。花が咲いたアデニウム・アラビカムは「砂漠のバラ」の異名に相応しい、艶やかな姿を見せてくれますよ。
アデニウム・アラビカムの基本情報
学名 | アデニウム・アラビカム |
---|---|
英名 | Adenium arabicum |
科名 | キョウチクトウ科 |
属名 | アデニウム属 |
原産地 | アラビア半島 |
アデニウム・アラビカムの植え替えが必要な理由は?

アデニウム・アラビカムが成長し、株に対して鉢が小さくなると植え替えが必要になります。
1~2年に1度を目安に、鉢底から根が出ていたり、根本が成長しすぎて鉢から土がこぼれ落ちたりしていたら植え替えのタイミングです。
今回は1年前に種から育ててきたアデニウム・アラビカムが大きくなり、根っこも窮屈そうなので植え替えることにしました。
昨年種を蒔く際、発芽前の種にカビが生えるのが怖かったので、今は種まき用の栄養がない土に植えています。
今年の夏の成長期に備えて、栄養のある土に植え替えてあげたかったのも理由のひとつです。
アデニウム・アラビカムの植え替えに適した季節
アデニウム・アラビカムの植え替え適期は4月~9月上旬(梅雨時を除く)です。
アデニウム・アラビカムは夏型ですので、冬場は成長を止めて休眠します。
植え替えは、昼間の上着が必要ないくらいまで暖かくなってからおこないましょう。
ただし、梅雨時は長雨でダメージを受けることも考えて、植え替えは避けるのが無難です。
アデニウム・アラビカムの植え替えで今回用意したグッズを紹介

アデニウム・アラビカムの植え替えのために用意したグッズを紹介します。
- 現在より一回り大きい鉢
- 軍手
- スコップ(小)
- 土入れ
- 水はけのよい用土
- 緩効性肥料(マグアンプK)
- 殺虫剤(オルトラン)
- 赤玉土(中粒)
それぞれの用途を説明します。
現在より一回りほど大きい鉢
今回は1.5号鉢→3号鉢へ植え替えます。
鉢は100円以下のプラ鉢に、アイアン風ペイントを施しました。
軍手
アデニウム・アラビカムは毒性があります。
樹液に触れるとかぶれる恐れがあるため、軍手をして作業しましょう。

スコップ(小)
小さいスコップは、少しだけ土を足すときや、土を押し込む時に使っていますが、土を押し込む作業は割りばしなどで代用可能です。
土入れ
作業の際に土入れがあると便利です。
水はけのよい用土
用土には排水性のよい土を使います。
自分で配合する場合は、
- 赤玉土小粒
- 鹿沼土小粒
- 川砂
- ピートモス
を同量混ぜたものに、くん炭とパーライトを少しだけ加えた土が基本です。
ただ、上記の土を揃えるのは大変なので、水はけのよい土であれば問題ありません。
今回は観葉植物にも使える土を使いましたが、アデニウム・アラビカムの植え替えには多肉植物専用土などを使う人が多いようです。

緩効性肥料(マグアンプK)
元肥として緩効性肥料を用意しましたが、肥料入りの土や液体肥料を使う場合、元肥は入れなくてもかまいません。
殺虫剤(オルトラン)
アデニウム・アラビカムはあまり虫に食われないのですが、アブラムシ対策として念のため殺虫剤をまこうと思います。
昨年はバッタの被害に遭ったので、今年こそは守り抜く覚悟です!

赤玉土(中粒)
今回は鉢底石の代わりに赤玉土の中粒を使います。
鉢穴が大きい場合は鉢底ネットが必要です。
アデニウム・アラビカムの植え替え手順
アデニウム・アラビカムの植え替えの手順を見てみましょう。
- アデニウム・アラビカムを鉢から出す
- 根鉢をほぐし状態を確認する(古い根は整理する)
- 植え替える鉢に鉢底石と土を入れ、置き肥を加える
- アデニウム・アラビカムを鉢に入れ、土を押し込んで安定させる
- 薬剤を散布する
一つ一つみていきます。
1.アデニウム・アラビカムを鉢から出す

アデニウム・アラビカムの根が鉢底ネットにからまって外れなかったので、鉢底ネットをカットして取り出しました。
根を傷つけないよう、丁寧に作業します。
2.根鉢をほぐし状態を確認する(古い根は整理する)

よく観察して、黒ずんでいる根があれば取り除きます。
もしも健康な根を傷つけてしまった場合は、根腐れ防止のため風通しのよい場所でしばらく乾かしてから植え付けるようにしてください。
3.植え替える鉢に鉢底石と土を入れ、置き肥を加える

今回は鉢底石の代わりに、赤玉土の中粒を入れました。
スリット鉢なので鉢底ネットも使っていませんが、底に丸い穴が空いたタイプの鉢は、虫の侵入を防ぐためにも鉢底ネットを使ってください。
この上に、少量の土を入れていきます。

鉢底石の上に用土を入れたら、元肥として緩効性肥料(白い粒)を入れます。
アデニウム・アラビカムはあまり肥料を必要としませんので、瘦せ地で育つサボテンの規定量を目安にしました。
規定量は商品によって違うので、お使いの肥料の説明書を参考にしてくださいね。
今回は3号鉢で1グラム程度です。
植え付ける際に、肥料がアデニウム・アラビカムの根に直接触れないよう注意してください。
4.アデニウム・アラビカムを鉢に入れ、土を押し込んで安定させる

元肥が根に直接当たらないよう少し土を足したら、アデニウム・アラビカムを入れます。
片手でアデニウム・アラビカムを支えつつ土を入れるので、土入れがあると便利です。
鉢の縁1㎝下まで土を入れたら、棒などでつついて安定させます。
土は鉢いっぱいまで入れず、ウォータースペースを確保してくださいね。
今回は少し土を入れ過ぎたかな?と反省しています。
5.薬剤を散布する

小さな白い粒が殺虫剤です。
土に肥料が入っておらず、元肥も入れなかった場合は、このタイミングで置き肥をすることもあります。
アデニウム・アラビカムの植え替え完了!管理について

植え替え後は半日蔭に置き、1週間ほど葉水で様子見をしてから水やりを開始します。
水やりを開始したら、徐々に日なたに移動するつもりです。
今は4月なので、アデニウム・アラビカムはこれから成長期を迎えます。
夜に10℃を下回る日は室内に取り込みますが、日中は屋外管理の予定です。
大人のアデニウム・アラビカムではここまで丁寧な管理をしませんが、今回は赤ちゃんなので、用心に用心を重ねています。
元気な大人のアデニウム・アラビカムを4月に植え替えるのであれば、植え替え後も日なたに置き、2~3日水を切ったら通常管理で大丈夫でしょう。
アデニウムは強いので、寒さに注意しておけば多少のことでは枯れません。
私は最初の水やりの時、規定より量を減らしたメネデール(植物活力素)入りの水をあげています。
大きく育ってね、と声をかけながらお水をあげるのが今から楽しみです!