
ずんぐりとした幹が特徴的なアデニウムは、アフリカやアラビア半島の暑いところが原産の花で、別名「砂漠のバラ」と呼ばれています。
その名の通り乾燥に大変強く、水があまりない砂漠のようなところでも、生きていく事ができます。
アデニウムの基本情報
学名 | Adenium Obesum |
---|---|
英名 | Adenium Obesum |
その他別名 | 砂漠のバラ |
科名 | キョウチクトウ科 |
属名 | アデニウム属 |
原産地 | アフリカ(ケニアやタンザニア)南アフリカ・アラビア半島・イエメン(ソコトラ島) |
アデニウムの特徴
アデニウムは塊根植物(コーデックス)のひとつです。
塊根植物(コーデックス)とは多肉植物の一種で、肥大する幹に水分を貯めて生きています。
そのずんぐりとした形から、愛好家からは「芋」という愛称で呼ばれています。
また、アデニウムは東南アジアでも非常に人気の植物で、タイ、インドネシア、ベトナムでは毎年品評会が行われています。
盆栽仕立てにするのも定番で、「アデニウム盆栽」と呼ばれています。
盆栽仕立てにする場合は、まだ株が小さい時から「アデニウム盆栽トレーニング」と呼ばれる手順を踏みます。
ワイヤーで縛ったり、幹や根を広げたりして少しずつ形を整えるんですよ。
アデニウムの種類
アデニウムにはたくさんの種類がありますが、代表的な種類をご紹介します。
アデニウム・アラビカム
オベスムと一見似ていますが、幹が横に広がり大きくなるのが特徴です。
https://gardenslibrary.com/replanting/adenium-obesum-flow/
アデニウム・オベセム
幹がころんと大きくなり、先に向かって長く伸びる徳利のような形が特徴です。
アデニウム・ソコトラナム
イエメンのソコトラ島に自生していた品種です。
島の自然資源は珍しく貴重なため、現在は島外へ植物等の持ち出しが禁止されています。
現在出まわっているソコトラナム種はタイで生産されているタイ・ソコトラナムの事がほとんどです。
幹が王冠のような形になるのが特徴です。
アデニウム・ソマレンセ
壺のようにコロっとした幹に細長い幹がのびています。
葉っぱが細長く、他の種類とは見分けがつきやすい品種です。
アデニウムの栽培・育て方
アデニウムは砂漠のような乾燥地帯が原産ですから、太陽、風通しがとても大好きです。
原産地では直射日光や雨にも当たりながら強く自生しています。
栽培地の畑では、数週間何も手入れせずに置きっぱなしにしていても、生き延びていけるほど強いです。
初心者の方はあまり手をかけすぎて、水をやりすぎてしまう事があります。
水やりと冬越しに注意をして育てて下さい。
また、樹液には有害物質が含まれますので口や目に入れないようにしてください。
アデニウムの育て方情報
分類・形態 | 多肉植物・コーデックス・熱帯植物・多年草 |
---|---|
草丈・樹高 | 20~80cm(鉢、盆栽仕立て)・1~4mになるものもある |
開花の時期 | 4月~9月 |
花色 | ピンク・赤・黄色・白・赤紫・複色 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 観賞用・盆栽仕立て・落葉性 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 4月~8月 |
---|---|
植え替え | 4月~8月 |
剪定 | 4月~8月 |
肥料 | 4月~9月 |
開花 | 4月~9月 |
栽培に必要な準備・環境
それでは、アデニウム栽培に必要な物と環境をみてみましょう。
参考> アデニウムの花が咲かない原因6つと対処法まとめ【育ちやすい環境とは?】
参考> タコ足のアデニウムの作り方について【必要な道具やコツを解説】
必要な物
- プランター
- スコップ
- 底石用として日向土か赤玉土の中玉
- 観葉植物かサボテン用の培養土もしくは、日向土とヤシ土
- 元肥用の緩効性肥料
日当たり・置き場所
太陽が大好きです。
直射日光に毎日当てても問題ありません。
水やり
春・夏・秋の水やりについて
水は少な目にあげます。
春と秋は週に2回程度、7月・8月の暑い時は毎日たっぷりとあげて下さい。
冬の水やりについて
冬場は50cc~100cc程度の水を月に1回程度で十分です。
冬場は冷たい水ではなく、常温かほんの少しだけぬるい水で株を冷やさないようにしましょう。
肥料
4月~8月の生育期は有機肥料を2か月に1回ほどあげます。
冬場は株が休眠しているので、肥料はあげないでください。
用土
水はけがよい土を使ってください。
園芸店でアデニウム用の土や、観葉植物やサボテン用の培養土を使ってください。
自分で配合する場合は、日向土とヤシガラ土を1:1の割合でまぜるとよいでしょう。
もしくは、赤玉中粒:鹿沼土中粒:腐葉土を3:3:4の割合で混ぜでもよいです。
温度
あたたかい気温を好みます。
気温が10度を切りそうになったら、家の中に取り込んでください。
なるべく室内から太陽があたるようにしてください。
アデニウムを育てるときのポイント
選び方
株がしっかりしていて、固い株を選んでください。
少しでも柔らかい部分がある株は避けましょう。
種まき
種まきは暖かい4月~8月に行います。
種まき用の土やピートバンを湿らせて、種を置きます。
5mmほど薄く土をかぶせて霧吹きなどで優しく水をあげます。
芽が出るまでは常に湿っているようにします。
朝、夕方2回の水やりをしましょう。
忙しくて水やりができない場合は、洗面器やバケツなどの容器に水を張り、鉢を中に入れる「腰水」という方法を取ることもできます。
1週間前後で発芽します。
植え替え
植え替えの準備として、植え替え前1週間前から水やりをとめます。
- 鉢の底に底石として日向土か赤玉土の中玉をひきます。
- 用土に緩効性肥料を混ぜこみます。
- 土を鉢の3~5割くらいまで入れて苗を中心に置き、まわりに土をいれます。
- 植え替え直後は水やりをしないで、明るい日陰で1週間ほど新しい鉢になじませます。
- 1週間ほどしたら水やりをはじめてください。
根腐れしたら
株を触ってみてアデニウムがぶよぶよしていたら根腐れを起こしている証拠です。
水のやりすぎや日光不足、冬越しが上手くいかなかった時に根腐れを起こす可能性があります。
もしこうなってしまった場合は、株が死んでしまう場合もありますが、復活する可能性もあるので対処をしてみる価値はあります。
下記の通り行ってみてください。
- 株を鉢から抜きます。古い土を取り除き、腐っている根があったら切り落とします。
- 株のぶよぶよしている部分を清潔なナイフで切ります。
- 株の中が腐ってぶよぶよになっていたら、スプーンなどで腐ったところを取り除きます。
- 粉末状の殺菌剤を切り口に塗布します。
- 風通しの良いところに紐などでしばって干します。毎日様子をみて、ぶよぶよした感じがなく、乾いていたら植え替えと同じ手順で鉢に戻します。
- 根付いて新しい葉っぱが出てきたら、復活成功です。
剪定
枝の数を増やしたい、形を整えたい場合は剪定を行ってください。
清潔なナイフを使っていらない枝を切ります。
また枝を増やしたければ、今ある枝の少し上を切ります。
ふやし方(挿し木)
アデニウムは挿し木で増やすことが可能です。
但し、挿し木から育てたアデニウムは、幹があまりこんもりとしません。
幹を太くする方法
幹を太くするコツはなるべく枝を切らないことです。
葉が多ければ多いほど光合成によって養分が多く作られるので、幹も太りやすくなります。
ただし、アデニウムオベスムは上に伸びる力が強い種類なので、放っておくと太くならずに上に伸びてしまいます。
幹を太らせるためには適宜剪定をするといいでしょう。
株が大きく成長する前に、脇芽を2〜3個程を残して幹の上部を切り落としてください。
剪定時の注意点としては、切り口から出てくる樹液に触れないことです。
樹液に触れると肌がかぶれる可能性があるので注意しましょう。
気を付けるべき病気・害虫
夏場はハダニがつきやすいです。
カイガラムシが枝と枝の間につく場合があります。
霧吹きで水をかけて予防してください。
普段から葉や葉の裏、枝と幹の間をよく見て早く見つけるようにしましょう。
殺虫剤・殺菌剤
ハダニやカイガラムシは早期であれば牛乳スプレーを使うか、歯ブラシやティッシュで取り除きます。
これで退治が出来ない場合は、殺虫剤を使ってください。