
- タコ足のアデニウムについて理解できる
- タコ足の作り方が自分でできる
- タコ足作りに必要な道具やコツがわかる
- 幼苗からタコ足のアデニウムを育てることができるようになる
『星の王子様』に出てくるバオバブの木のように「タコ足」になっているアデニウムを見たことはないでしょうか。別名「根上がり」と呼ばれ、高値で販売されています。欲しいけれど「予算が足りず購入できない…」そんな方は、ぜひご自分で作ってみてはいかがでしょうか?
こちらでは、タコ足のアデニウムの作り方を解説。必要な道具やコツも紹介します。
タコ足のアデニウムを作るときに必要な道具

実は「タコ足のアデニウム」という品種があるわけではありません。ごく普通のアデニウムの苗を、人が手を加えて作り込み、タコの足のようなインパクトのある姿に生長させます。
タコ足アデニウム作るときに必要な道具は、
- アデニウムの2年苗
- ナイフ
- ペットボトルのキャップなど(アデニウムと同じくらいの直径の発根を遮るものなら何でもよい)
- 癒合剤
- 発根促進剤
- 清潔な用土(無機質な用土がおすすめ)
- 清潔な鉢
- 手袋
樹液が皮膚に付着するとかぶれることがあるので、必ず手袋を着用し作業を行いましょう。
殺菌剤は「トップジンMペースト」が、発根促進剤は「ルートン」がおすすめです。


タコ足のアデニウムの作り方
手順とコツさえ覚えれば、初心者でも憧れの「タコ足アデニウム」を作ることができます。若い苗が手に入ったらぜひチャレンジしてみましょう。
手順①用土をふるいにかけておく

アデニウムの用土をふるいにかけて、みじんを抜いておきましょう。ひと手間かけると水はけの良さが格段に上がり、根腐れ防止に役立ちます。アデニウムは普通の培養土でも育ちますが、今回は傷口からバイ菌が入るのを防ぐため、腐葉土などの有機質が入っていない無機質の用土で植えこみます。
手順②鉢から抜いて根を洗う

アデニウム幼苗(2年苗くらい)を選びます。鉢から抜いて、根っこから優しく土を落とします。水道水で軽く根洗いし、古土を落としましょう。
手順③アデニウムの胴切りをする

今回はタコ足のための胴切りなので、下のほうで切断します。消毒したナイフで垂直になるようカットします。運がよければ根っこ側からも芽が出るかもしれないので、癒合剤を塗って別の鉢に植え付けておくといいでしょう。
手順④切り口に癒合剤を塗る

樹液が皮膚に付かないように注意しながら、ティッシュで樹液を拭きとります。傷口に癒合剤を塗り、バイ菌から保護しましょう。癒合剤が乾くまで1日~1週間乾かします。
手順⑤面取りして発根促進剤をまぶす

癒合剤がしっかり乾いたら、タコ足の根が出てほしいあたりを面取り(切り口の角を落として皮をむくこと)して、発根促進剤をまぶします。
手順⑥キャップの上に置いて植え付ける

鉢内に清潔な用土を6割ほど入れ、真ん中にペットボトルのキャップをセットし、その上に切断したアデニウムを据え置きます。動かさないように優しく用土を入れ込みましょう。
手順⑦完成です!

鉢の上いっぱいまで用土を入れたら完成です。グラグラする場合は、紐やテープを使って鉢に固定させてもいいでしょう。しばらくは雨の当たらない明るい半日陰の場所に置いておきます。およそ1か月後には発根し始めますよ。
タコ足のアデニウムを作るコツ
タコ足のアデニウムの作り方は簡単ですが、失敗しないコツはあるのでしょうか。こちらでは、
- 取り組むのにおすすめの時期
- 剪定したあとの注意点
などについて解説します。
タコ足アデニウム加工が失敗しないように、以下のポイントに注意しながら育てましょう。
おすすめの時期
タコ足加工は、成長期の4月~8月頃に行います。寒冷地ではなるべく早めに行うと良いでしょう。暖地では8月頃でも間に合います。10月頃には葉を落として休眠準備に入るので、秋から春前までは、根を切るような加工はやらないように注意してください。
剪定したあとの注意点①水やり
根を切断したアデニウムは、通常の水やりをすると水が吸えずに過湿になり腐ってしまいます。このまま1週間ほど乾かした後に、少量ずつ水やりを開始します。これは発根を促すための水やりなので、鉢底から流れるほどたっぷりやるのではなく、鉢内の壁際から少量ずつ水を与えます。約1か月かけて通常の水やりに戻します。
剪定したあとの注意点②葉切り

根がない状態で葉がたくさんついていると、株に蓄えた水分や養分が消費されて傷んでしまいます。そうならないために、今ある葉を半分くらいのところでカットして、葉からの蒸散を防ぎましょう。
背を低くずんぐり育てたい場合は、葉切りではなく、脇芽を残して胴切り(頂芽を切り詰める)してもいいかもしれません。切り口には癒合剤を塗りましょう。およそ1~2ヶ月で株の周りから細根が生え、葉も芽吹きます。休眠に入る時期なら新芽は春まで待ちましょう。
剪定したあとの注意点③根の選別

数ヶ月後、新根が生えたら、美しい放射線状のタコ足になるように根を選別します。根切りをしたのが春なら、8月頃に鉢から抜き、ペットボトルのキャップを外して、タコ足の根を残して、不要な細根をカットして、根を真横に広げるように植え直します。根をU字ピンなどで固定するとグラつきません。夏に根切りをしたばかりなら、翌年の春まで待ってから根の選別をした方が無難です。
まとめ
タコ足のアデニウムの作り方について、必要な道具やコツなどを解説しました。時期や手順を守れば、初心者でも簡単に行えます。管理が悪いと新根が生える前に枯死してしまう可能性もあるので、こちらの記事をよく読んで、失敗しないように気を付けてくださいね。