アデニウムの根切り方法とは?必要な道具・準備やコツについて
  • アデニウムの根切りの理由、やり方と必要な道具について理解できる
  • アデニウムの根切りに必要な道具の準備が自分でできる
  • アデニウムの根切りを行うコツがわかる
  • アデニウムの根切りが失敗しないでできるようになる

アデニウムの育て方を調べていると「根切り」という言葉に出くわすことがあります。「私のアデニウムも根を切らねばならないの?」と疑問に思うことでしょう。「根切り」はしなくても育てることはできますが、アデニウムの幹を太らせて意匠性を高めたいなら、チャレンジしてみるのも面白そうです。

本記事では、アデニウムの根切り方法、必要な道具・準備やコツについて、初心者でも分かるように解説します。

アデニウムの根切りの目的

まず、アデニウムの根切りの目的は、胴体をぽってり太らせるために行います。

アデニウムはキョウチクトウ科の灌木(背丈の低い樹木)で、本来、主幹は上へと伸び、根は直根で下に長く張る樹木。栽培下でも手を加えずに育てると、縦長のトックリヤシのようなスタイリッシュな姿に生長します。

そのままでもスッキリとして素敵なのですが、面白みがないと感じる方も中にはいらっしゃいます。いかにも珍奇植物らしい「ずんぐりむっくりした姿」に仕立てたい場合、幼苗のうちに太い直根をカットし、上に伸びる勢いを止めて、横に太らせるように仕立てましょう。

アデニウムの根切りに必要な道具・準備

アデニウムの根切りに必要な道具・準備

アデニウムの根切りを行う場合に準備しておいた方が良い道具には、以下のものが挙げられます。

  • アデニウムの幼苗(1~2年苗くらい)
  • よく切れるナイフ(カッター可)
  • 癒合剤・殺菌剤
  • ティッシュ
  • 清潔な鉢
  • 清潔な用土(無機質がベター)
  • 手袋

アデニウムの樹液には毒があり、皮膚に付くとかぶれることがあるので、手が動かしやすい薄手の手袋を着用してから行ってくださいね。根の切り口の消毒用に癒合剤かなければ殺菌剤を用意します。

癒合剤は「トップジンMペースト」、消毒剤は「ベントレー水和剤」がおすすめです。

「アデニウムの根切り方法」を次の章で詳しく解説します。

アデニウムの根切り方法

アデニウムの根切り方法

アデニウムを背が低く幅広に生長させるためには、太くて長い直根をカットして細根を横に伸ばすように栽培します。アデニウムの根切り方法の手順は、

  1. 鉢内を乾燥させる
  2. 根洗い
  3. 直根をカット
  4. 癒合剤を塗る
  5. 植え付ける

詳しく見てみましょう。

1.鉢内を乾燥させる

根切りを行うアデニウムは1~2年苗の幼株です。根切りをする前に、しっかり鉢内を乾かすようにしましょう。用土が乾いていると細根が切れにくくなり、良い状態を保てます。

ポットから根鉢を抜いたら、優しく土を取り除きます。

2.根洗い

一度も植え替えをしていない古土や、腐葉土や堆肥が含まれた用土に植わっていた場合、根からバイ菌が繁殖しないよう、水道水で軽く根洗いをしておくと安心です。

根を優しくティッシュで拭きとります。

3.直根をカット

用土を取り除くと、枝分かれしたニンジンのような直根が中央に生えているのが分かると思います。その周りに無数の細根が生えているので、細根を傷つけないよう直根部分のみを、よく切れるナイフなどで真っすぐにカットします。

この時、アデニウムから樹液が出るので、皮膚に付かないように注意してください。

4.癒合剤を塗る

癒合剤を塗る

切り口から出ている樹液をティッシュで軽く拭いたら、カットした部分に癒合剤を塗りましょう。癒合剤とは、ペースト状の殺菌剤で、病原菌の侵入を防ぎ、傷口の治癒を早める効果があります。

「トップジンM」や「カルスメイト」などの商品が、ホームセンターやネットショップで市販されています。

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5.植え付ける

直根をカットして癒合剤を塗り、そのまますぐに植え付けた場合は、傷口が乾くまで1週間ほど水やりは控えてください。心配なら3日~1週間ほど陰干ししてから植え付けても良いでしょう。

植えたら1~2週間ほど半日陰の場所で管理してください。急に直射日光にあたると水切れして枯れる場合があります

アデニウムの根切りを行うコツ

アデニウムの根切りを行うコツ

アデニウムの根切りを行うにあたり、初心者でも失敗しない方法があれば知りたいですよね。アデニウムの根切りを行うコツを、いくつか見てみましょう。

根切りの時期

アデニウムの根切りは、5月~8月(寒冷地では6月~7月頃)の成長期に行います。根が活発に動く時期なら多少カットしても回復できますが、寒さに弱いので15℃を下回ると、根が動かず株が弱ってしまう可能性があります。

最低気温が20℃以上ある季節に根切りをしたほうが安心です。

苗の選定

苗の選定

アデニウムの根切りを行うサイズは、1年苗や2年苗などの幼苗を使用します。年数が経って大きく育ったアデニウムの直根を切ると、ダメージが大きく枯れてしまう恐れがあるので、やらないほうが賢明です。

大株は、直根は切らずに気根や細根を整理する程度にとどめたほうがよさそう。

細根を広げて植え付ける

細根を広げて植え付ける

直根をカットしたら、周りの細根を四方八方に広げるようにして植え付けます。なるべく真横に誘導して、用土を入れたら爪楊枝やU字ピンなどで根と用土を固定するとグラつきません。

それでも動いてしまうようなら、枝と鉢を紐で結んで、根付くまで固定しましょう。

清潔な鉢と用土

作業時期がアデニウムの成長期の夏であることから、病原菌の繁殖には細心の注意を払います。切り口に癒合剤や殺菌剤を必ず塗り、新しい鉢と新しい用土で植え付けましょう。

用土は腐葉土や堆肥などが入っていない無機質な用土だと安心です。

水やりは1週間後から

カットした根が落ち着くまでは、水は控えめに与えましょう。アデニウムの成長期には水をザブザブ与えても問題ないようですが、根を加工した場合、1週間ほど断水してから、発根を促すための水分をごく少量から与えます。

まとめ

初心者でも簡単にできるよう、アデニウムの「根切りの方法」について解説しました。育てるうえで必ずしも根切りは必須ではなく、やってもやらなくても問題なく育ちます。

しかし、意匠性のある株姿を目指したければ、根切りにチャレンジしてみましょう。ワンランク上の姿に生長するのが楽しみですね。