ナメクジに塩をかけると小さくなる理由【塩や農薬を使わない駆除・予防方法も紹介】

庭先や植物を育てていると遭遇するナメクジですが、ナメクジ退治の方法を聞かれたら「塩をかける」と答える人が多いのでは?

ナメクジは塩をかけるとみるみる小さくなり死んでしまいますが、場合によっては復活することもあるんです。

そこで今回はナメクジ退治に塩が有効な理由や、塩以外にもナメクジを駆除する方法を紹介したいと思います。

ナメクジの生態

ナメクジと言えば、湿った細長い体が特徴ですがナメクジはどのような環境で発生し繁殖するのでしょうか?

ナメクジが発生しやすい条件とは

よく屋外にある鉢やブロックなどを移動させた時に、その下に隠れているナメクジを発見したことがあるのではないでしょうか?

ナメクジは乾燥に弱いため明るく乾燥した場所が苦手であり、主に暗くなってから活動します。

そのため、昼間でも暗く湿った環境があればナメクジが寄ってきやすくなるのです。

またナメクジは雑食性のため屋外に生ごみなどのゴミ箱が設置してあれば、暗く湿ってエサもありナメクジの恰好の住処になります。

そして、にょろにょろした体は頭部が通れるほどの穴であればどこでも浸入でき、屋内にも入ることがあります。

ナメクジがいるか見分け方の目安としてナメクジが通った後は特有の粘液が残ります。

乾燥すると道筋が光って見えるため、白くぴかぴかした線が見えたらナメクジがいる可能性があります。

ナメクジの発生時期

ナメクジの生態として雌雄同体(しゆうどうたい)という、二匹のナメクジが交尾をすることで二匹とも卵を産卵することができます。

一度に50個ほどの卵を産み付け、春頃から徐々に卵が孵えることで6月頃に梅雨時期にナメクジが多く発生します。

またナメクジの卵は丸く小さい透明なビーズのような形をしており、発見しずらく気づいたときには大繁殖していたということもあるのです。

ナメクジが好む植物

ナメクジが問題なのは、植物への被害があるということです。

ナメクジは花から植物の葉や茎から花まであらゆるものを暗くなると活動を始め食害します。

植物の中でも特にナメクジが好む種類は以下となります。

  • バラ
  • アジサイやアサガオなど花
  • ナス、イチゴ、レタス、キャベツなどの野菜や果物類
  • サボテンなどを含む多肉植物

ナメクジは植物や花の中でも柔らかいものが好きであり、新芽や若葉、そしてつぼみや果実までも内部まで浸入しては食害します。

ナメクジが食害したり、植物の上を這うことによって生育が遅れたり野菜や果物の収穫量が減ってしまうなどの被害が問題となるのです。

ナメクジに塩をかけると小さくなる理由

ナメクジに塩をかけると小さくなる理由は、ナメクジの体質によるものです。ナメクジは体の90%が水分でできています。

そのため浸透圧の原理を利用して、ナメクジに塩をかけるとナメクジの体内よりも濃い塩分に水分が移動します。

それによりナメクジの体内の水分が奪われナメクジが小さくなるのです。

ただし、ナメクジにまく塩の量が少ない場合、体内から奪われる水分も少なくなりナメクジが多少は弱るけど死なないということがあります。

またその状態で雨が降ることによって、奪われた水分をナメクジが吸収し元通りに復活するということもあるのです。

そのため、ナメクジを塩をまいて駆除する際はナメクジが弱るまで十分に塩をかける必要があります。

塩以外のナメクジの駆除方法・注意点

それではナメクジに塩をかける以外での駆除方法にはどのようなものがあるのでしょうか?また駆除する際の注意点を説明します。

農薬で確実に駆除する

塩や天然物を使用した際は、一旦はナメクジがいなくなったように見えても雨が降ったり時間がたつとすぐに復活してしまいます。

ナメクジが復活すると、再び被害が出るということがあります。

その場合は農薬を使うことでナメクジは確実に駆除することができおすすめです。

ただし、ナメクジが発生する場所として動物がいる場合などは誤って動物が口に入れても安全な農薬を選びましょう。

また植物に散布する際も規定の容量を守り適応植物を確認してから使用することをおすすめします。

熱湯をかける

100度の熱湯をナメクジにかけることでナメクジをすぐに駆除することができます。

理由としては、熱湯をかけることによってナメクジのタンパク質が凝固するためです。

ただし、植物の上など熱湯を直接かけられない場所にナメクジがいる場合は場所を移動する必要がありあまり効率的ではありません。

熱湯をかけても問題がない場所であれば、塩よりも確実に駆除することができます。

ビールでおびき寄せる

ナメクジはビールの匂いの元である酵母菌の香りに引き寄せられる習慣があります。

そのため、ビールの生産で有名なドイツなどではナメクジ退治と言えばビールがよく使用されます。

方法としては、使い捨てできるある程度深い容器にビールを入れて、ナメクジがよく発生する場所に放置するだけ。

ナメクジがビールの中に入ることによって窒息して駆除することができます。

ただし、ビールの中に入ってもうまく逃げてしまうナメクジもいます。

ビールの中に塩やナメクジ専用の駆除剤などを入れておくと確実に駆除することができます。

ナメクジ駆除の際は寄生虫に注意

ナメクジ駆除の際に気をつけたいことがナメクジに潜んでいる「寄生虫」です。

ナメクジやその体液には広東住血線虫という虫が寄生している可能性があります。

ナメクジを介してその寄生虫に感染すると神経系障害の症状があらわれます。

重篤な場合は麻痺や失明、昏睡状態となり最悪死にいたることもある恐ろしい寄生虫です。

また感染した場合は特効薬が存在しないため、日本でも死亡例が確認されているほどです。

そのためナメクジをもし触ってしまったら、石鹸と流水でしっかり手を洗いましょう。

特に小さい子どもの場合は知らずに触っていることもあるので外遊びの際は手洗いを忘れずに行ってください。

また野菜や果物に潜んでいるナメクジを誤って口にすることがないよう、無農薬の野菜などは野菜をしっかり洗ってから食べましょう。

ナメクジを予防する方法

ナメクジを駆除と一緒に予防対策もしっかりしておくことでナメクジが再び現れるのを防ぐことができます。

ナメクジを予防としておすすめの方法は以下の2つです。

コーヒー殻を利用する

コーヒーに含まれているカフェインはナメクジが嫌うことからナメクジを寄せ付けない効果があるとされています。

方法としては、ドリップした後のコーヒー殻をナメクジが発生しやすい場所にまきましょう。

コーヒー殻はナメクジ予防だけでなく、植物にとっては肥料にもなるので安心安全な方法としてぜひ試してみてください。

木酢液をまく

木酢液とは炭を焼く時に発生した煙を冷やして液体にしたものです。

木酢液は害虫の忌避剤としてよく知られており、ナメクジにも効果があります。

木酢液の使用方法は原液を30倍ほど希釈して散布しましょう。

木酢液はもっと希釈して散布することで、害虫予防や植物にとっても成長促進作用があります。

しかしナメクジ駆除に使用する際は濃度が薄いとあまり効果がないため濃いものを使用します。

ただし濃い木酢液は植物にとっても害となるため、ナメクジ予防のために使用する際は植物にかからないように注意しましょう。

まとめ

ナメクジは雑食性であり植物や花だけでなく、残飯などにも寄ってきては食害したり室内にも浸入していくる厄介な害虫です。

また寄生虫を持っている可能性があり直接触ることがないように注意する必要があります。

ナメクジ駆除に有名な塩を使用する方法は、量が少ないとナメクジが死なずに再び復活する可能性があります。

なので、しっかり弱るまで塩をまく必要があります。

その他にも農薬を使用して確実に駆除する方法もあるので、状況に応じて駆除や予防方法を試してみることをおすすめします。