
春をむかえ暖かくなってきた頃に、玄関など屋外のコンクリートで赤い小さい虫を見つけたことはありませんか?
よく見ると何匹もいたりして、赤く小さい虫がちょこちょこ動いている様子は見ていてあまり気持ちのいいものではありませんよね。
そんな赤い小さな虫ですが、実は「赤ダニ(タカラダニ)」というダニです。
ダニと聞くと気になるのは植物や人体への影響ではないでしょうか?
そこで今回はタカラダニの特徴や人体や植物への影響、また見つけた時の対処方から予防方法まで詳しく紹介します。
赤い小さい虫見たことある?赤ダニ(タカラダニ)ってどんなダニ?
赤ダニはダニはダニでもどんな特徴があるのか、また発生する時期や場所などを説明します。
赤ダニの生態
赤ダニとはハダニ科やタカラダニ科に属する赤いダニの総称です。
その中でもコンクリートなどに発生するのはタカラダニ科のカベアナタカラダニという名前であり通称タカラダニと呼ばれます。
生態としては実はあまり詳しくは分かっておらず、庭や家の周りなどに大量発生することから1980年に駆除対象とされています。
体長1~1.5㎜ほどの小さい虫ですが、真っ赤な姿をしており大量発生した場合はその一面がまだらに赤く見えるなんてことも。
赤ダニはオスが発見されたことがないため、メスだけの単位生殖と考えられています。
メスが卵を年に一回卵を産むことでどんどん繁殖していきます。
発生時期としては3月頃に卵からかえり幼虫となって動き出すと4~5月にピークを迎え、7月頃には徐々に姿が見えなくなります。
タカラダニという名前は、昔子どもたちがセミを取った時にセミに赤く小さいものがたくさんついている様子からです。
セミにきれいな宝ものがたくさんつているようだとタカラダニと呼ばれるようになったという話があります。
赤ダニの生息地
主に植物や花壇植木鉢に生息します。
その他にビルの屋上や住宅の玄関やベランダなどのコンクリートやその隙間などで確認することができます。
理由としては、コンクリートやその隙間に落ちている花粉を食べるためであり、またコンクリート上は外敵が少ないため発生しやすいようです。
赤ダニの被害
ダニの一種である赤ダニですが、実際に人や植物へはどのような被害があるのでしょうか?
赤ダニ(タカラダニ)は人体への被害はありません
ダニと言えば噛まれたりすることを想像するかもしれません。
実は赤ダニ(タカラダニ)は噛んだり寄生したりなど人に悪い影響を与えることはありません。
ただし稀ではありますが、赤ダニが危険と感じた時に出す赤い体液や赤ダニを潰してしまった時の体液などが皮膚についてしまいます。
体液が皮膚についたのをそのままにしておくと、その部分にアレルギー反応を起こす可能性があるとされています。
そのため、もし赤ダニを手で触ったり潰してしまった場合はすぐ手を洗うことが大切です。
またベランダや庭で布団や洗濯物を干した際にタカラダニが付着したまま取り込み体液に触れる可能性があります。
そのため赤ダニが発生する時期は特に布団や洗濯物はしっかりはたいてから家の中に入れるようにしましょう。
赤ダニ(タカラダニ)は植物への被害もありません
植物によくいる赤い小さい虫が悪さをするイメージがありますが、赤ダニの中でもタカラダニは植物へ悪さはしません。
ただし、同じ赤ダニと呼ばれるダニの中には植物へ被害をもたらしたり、昆虫に寄生するもの種類もあります。
赤ダニ(タカラダニ)の駆除と予防方法
実際に屋外または室内でタカラダニを発見してしまった場合はどのようにすればいいのでしょうか?
また駆除後に再び発生するのを予防するための方法をご紹介します。
赤ダニ(タカラダニ)の駆除方法
- 赤ダニへ水をかける
- 赤ダニへ殺虫剤をふきかける
- 掃除機をかける
- 接着剤で取る
玄関やベランダ、庭先などさまざまな場所で見つけてしまった赤ダニ。
いくら被害がないからとそのままにしておくわけにもいきませんよね?赤ダニを駆除する簡単な方法は以下の4つです。
水をかける
ホースなど流水で赤ダニごと洗い流すという簡単であり一番効果的な方法です。
もし家庭用の高圧洗浄機がある場合はそちらを使ってよく洗い流しましょう。
ホースで洗い流す際は一緒にブラシでこするとより効果的です!
コンクリートなどの表面についている赤ダニのエサでもある花粉も一緒に洗い流しましょう。
またコンクリートなどの隙間などもよく洗い流してください。
殺虫剤をふきかける
赤ダニは殺虫剤に弱いため、殺虫剤であれば特にダニ専用でなくてもかまいません。
ただし、赤ダニは小さく軽いため、エアゾールだと吹き飛ばす可能性があるため、液体式のスプレー殺虫剤の方を使用してください。
広範囲にかける必要があるので、殺虫剤をまく際は周りの植物などにかからないよう注意しましょう
例えば、ベニカXスプレーやベニカXネクストスプレーなど、花や野菜でも使用できる殺虫・殺菌して使用しましょう。


掃除機をかける
赤ダニが室内に発生した場合は、掃除機でしっかり吸って除去しましょう。
カーペットや布についている場合は、赤ダニは毛足が長いためできるだけ吸引圧をあげて確実に吸い取りましょう。
そして吸った後は紙パックであれば、紙パック内に殺虫剤をかけてビニールで密閉して捨てると確実に除去できます。
接着剤で取る
室内の場合、コロコロやガムテープなどに張り付けて駆除する方法もあります。
その際赤ダニを潰さないように強くおしすぎないようにしましょう。
体液がついた場合は、洗濯するか良く拭き取って体液に触れないように注意してください。
赤ダニ(タカラダニ)の予防方法
赤ダニを駆除した後はしっかり予防することが大切です!予防方法としておすすめの方法を2つご紹介します。
花粉を落とす
駆除方法と同じように、定期的に高圧洗浄機か水やブラシで洗い流して赤ダニのエサである花粉がつかないようにしましょう。
特に赤ダニが発生する3月初めに行うのが一番効果的であり、その後の4~6月の間は定期的に掃除することをおすすめします。
コンクリートのコケやカビの汚れを落とす
コケやカビなどについた花粉も赤ダニの大好物ですので、汚れがある際はその汚れごと落としてしまいましょう。
液体漂白剤やカビ取り剤などを使用することでキレイにカビやコケの汚れがおちます。
同時に、コンクリートの壁や床の継ぎ目の間などに産み付けた卵などを駆除することにもなります。
薬剤を使用した際は、薬剤を撒いてしばらく浸透させたあとはブラシやスポンジなどを使って洗い流しましょう。
※漂白剤やカビ取り剤を使う際は液体を素手で触らないように、手袋をつけて作業してください。
赤ダニ(タカラダニ)とハダニの違い


赤ダニと呼ばれるタカラダニは人や植物に影響がないことに対して、ハダニは植物に寄生し栄養を吸い取り生活をします。
タカラダニはクモ網タカラダニ科なのに対してハダニはクモ網ハダニ科に分類されます。
ハダニは全部で約70種類ほど存在し、赤や黄色などさまざまな色をしていることが特徴です。
その中でもタカラダニとよく似た赤い色のハダニはナミハダニやカンザワハダニ、ミカンハダニなどのことです。
同じ赤ダニと呼ばれることもありますが実は違うダニです。
ハダニは3月~10月に発生し、強い繁殖力でさまざまな植物に寄生しては栄養を吸い取り、葉に白い斑点がついたように見えます。
また殺虫剤に対しても強い耐性があり駆除する際は、ハダニ専用の殺虫剤が必要になります。

まとめ
赤ダニとは正式にはカベアナタカラダニと呼ばれるダニの一種ですが、人や植物には無害なダニです。
無害とは言え大量発生することもあり、エサとなる花粉と共に水で洗い流したり室内であれば掃除機で吸い取るなどの駆除方法が効果的です。
一方で見た目が良く似ているハダニは、植物に寄生し栄養を吸い取り枯らせてしまうため、駆除が必要です。
ただし、見た目だけで見分けは難しいため春先に見つけた赤く小さい虫はできるだけ早めに駆除しましょう!
特に葉についている場合はハダニの可能性が高いためハダニ専用の殺虫剤を使うことをおすすめします。