
玄関先や庭にあると、周りの雰囲気を華やかにしてくれる寄せ植え。
どんな植物を植えるのか、ということに目が向きがちですが、素敵な寄せ植えを成功させるには、実は鉢選びがとても重要です。
今回は、寄せ植えに使う鉢の選び方や見栄えを良くするコツを解説します!
上手に鉢を選んで、ワンランク上のおしゃれな寄せ植えを目指しましょう。
寄せ植えは鉢選びで完成度が決まる
鉢や容器は、寄せ植え全体のイメージを左右する、とても大事な要素です。
例えば、同じ植物を植えても
- 素焼きの鉢や木製の鉢ならナチュラルな雰囲気
- ダークカラーの陶器の鉢だとモダンでスタイリッシュ
- 自然素材でできたバスケットを使うとロマンチックでガーリー
といったように、鉢や容器が寄せ植えの印象に大きな変化を与えます。
飾る植物やどのような寄せ植えにするのか、全体のイメージを膨らませて、鉢や容器もそのテイストに合ったものを選んでみましょう。
鉢選びに少しこだわることで、統一感が生まれ、寄せ植えの完成度をさらに高めることができますよ!
寄せ植えに使う鉢の選び方
鉢や容器には様々な素材があり、それぞれ特徴があります。まずは、素材による違いを知りましょう。
見た目の印象が異なるとともに、鉢の素材によっては、植える植物に向き・不向きがあります。
植物が元気よく育つことができる鉢を選んで、魅力的な寄せ植えを作りましょう。
また、鉢を選ぶ時は、寄せ植えをどんな場所に置くのか、ということまで含めて考えるようにしましょう。
例えば、モダンな印象の玄関先ならば、色味を押さえたスタイリッシュな鉢、ナチュラルなテイストの玄関先なら素焼きや木製の鉢が馴染みます。

床の色や背景の壁の色、置き場所の広さなどを考え、周りの空間と調和させるのがポイントです。
素材別の特徴
素材別に鉢の特徴をみていきましょう。
素焼き
粘土を焼き固めて作った鉢です。海外から輸入された洋風のものを指してテラコッタとも呼ばれます。
自然素材なので、ほとんどの植物と相性が良く、ナチュラルな雰囲気が出ます。
通気性、排水性が良く、植物が育ちやすいのが特徴です。耐久性は高めで、使うほどに味わいが出ます。デメリットは重く、割れやすいことです。
陶製
陶土を高温で焼き固めてできた鉢です。化粧鉢、陶器鉢とも呼ばれます。
表面に釉薬をかけて、美しい色やデザインを施してあるものも多く、屋外・室内問わずよく使われます。
通気性や排水性が素焼き鉢に比べてやや劣りますが、よほど繊細な植物でない限り、あまり問題にはなりません。
重たく、割れやすいことがデメリットです。
プラスティック製
色や形がバリエーション豊富で、価格も安めです。軽くて扱いやすいのが良い所です。
ただし、通気性、排水性が悪いので、土が乾きにくく、過湿に弱い植物にはあまり向いていません。数年で劣化してしまうのもデメリットです。
グラスファイバー製
ガラス繊維を樹脂で固めて成型した鉢です。丈夫で耐久性が高く、デザインが豊富です。
一見重厚なデザインでも軽くて扱いやすく、通気性や排水性も良いのが特徴です。
価格が高めなのがデメリットです。
ブリキ製
金属でできた鉢のなかでも、ブリキはどんな植物とも相性が良く、人気があります。
ジャンクなテイストやアンティークな雰囲気を出すことができます。
金属なので熱伝導性が高く、夏や冬には鉢の中の土が気温の影響を受けやすくなります。
アイアン・ワイヤーのカゴ
金属でできたかごに、麻布やココヤシファイバー、不織布などを敷いて土をいれ、植物を植える容器です。
通気性、排水性が高く、デザインが良いのが特徴です。
ワイヤー製のリース型バスケットやハンギングバスケットも人気があります。乾きやすいので、乾燥を好む植物に向いています。
木製
木でできた鉢や容器は、ナチュラルな雰囲気が出せます。軽くて、通気性や排水性が良いのが特徴です。
自然素材のため劣化が早く、耐久性がないのがデメリットです。
傷みやすいので、防腐剤を塗ったり、内側にビニールを敷いたりして劣化を防ぐ方法もあります。
自然素材のバスケット
ラタンなど自然素材で編んだ籠を鉢として使うと乙女チックでナチュラルな雰囲気が出せます。
軽くて、通気性と排水性が良いのが良い所ですが、耐久性がないのがデメリットです。
内側に穴を開けたビニールや不織布などを敷いて使います。
寄せ植えの難易度が高い鉢や入れ物
売られている鉢の中には、初心者にとって難易度が高い鉢や入れ物もあります。そのひとつが、底穴のない鉢です。
土を入れて数カ月という長い期間楽しむ寄せ植えの場合、底穴のない鉢は排水性が悪く、水やりの調整が難しくなります。
鉢の中に余計な水分がたまると、根腐れを起こしてしまう可能性が高くなるので避けましょう。
どうしてもデザインが気に入った底穴のない鉢があれば、鉢カバーとして使うと良いですね。
なお、底穴のない鉢は、観葉植物や多肉植物の寄せ植えをする際に、ハイドロカルチャーという方法で利用することができます。
ハイドロカルチャーとは、土の代わりにハイドロボールという、粘土を高温で焼いて作った多孔質な石を用いて植物を育てる水耕栽培のことです。
根腐れ防止剤を使用し、水やりの量に注意しながら育てる必要があります。

慣れるまではガラスなど中に入っている水分量が分かる容器を利用すると良いでしょう。
その他、ワイヤーでできたカゴに麻布や水苔を敷いて容器にする場合は、乾燥しやすいので注意します。
特に夏は水分が蒸発しやすいので、あらかじめ乾燥を好む植物を選んで植えるなどし、水やりに注意するようにしましょう。
秋・冬の季節になると土が乾きにくくなるので、色んな植物で挑戦してみるといいですね。
寄せ植えに使う鉢の大きさと形
初めて寄せ植えの鉢を選ぶ際には、どのサイズの鉢を選べばよいか悩むことも多いかと思います。
鉢はあまり小さいと土が乾きやすく、期待通りに苗が入りません。
逆に大きすぎる鉢を選ぶと沢山の苗を植え込んでバランスをとる必要があり、難易度が高くなります。
初心者は育てやすい8号鉢(約24㎝)程度の大きさから始めるのがおすすめです。
普通鉢の大きさは号数で表されることが多いので、「1号約3㎝」と覚えるようにしましょう。
ひとつの鉢に対して、何個の苗を用意すれば良いのか気になるところですよね。これは植物の成長のスピードや根鉢の崩し方によって変わります。
目安として握りこぶしを使い、鉢の中に当てて何苗入るか数えてみましょう。
鉢からあふれだすような、ボリュームのある寄せ植え作りには、意外と沢山の苗が必要です。
鉢には、スタンダードの普通鉢以外にも、背の高い深鉢と、背の低い浅鉢があります。深鉢とは鉢の高さが口径よりも大きい鉢のことです。
根が深く育つ植物、背が高くなる植物に向いています。
深鉢に寄せ植えする際は植物の縦長のラインを意識し、鉢の中に高低差をつけてバランスをとりましょう。
浅鉢は高さが鉢の口径よりも小さい鉢のことで、根が浅く、葉が横に広がって生える植物が向いています。
小さな球根植物をまとめて植えるのにも向いています。
その他、鉢には基本の丸鉢以外にも正方形や長方形のもの、ストロベリーポットのような面白いものまで色々な形があります。
それぞれの形で印象が変わってきますので、寄せ植えを置く場所や植物に合わせて選ぶようにしましょう。
寄せ植えの見栄えを良くするコツ
寄せ植えをさらに見栄え良くするために、鉢や容器のDIYに挑戦してみませんか。少し手を加えるだけで寄せ植えがより素敵なものになりますよ。
鉢をペイントする
お好みの色の水性塗料を塗って鉢をペイントしてみましょう。微妙なニュアンスカラーの鉢、植える花の色に合わせたオリジナルの鉢ができます。
刷毛の跡を残したり、塗った後から塗料をこすり落としたりして表情を加えれば、さらに見栄えが良くなります。
生活雑貨を鉢にする
鍋、バケツ、ヤカン、ジョウロなど、ドリルや釘などを使って底に穴を開ければ、生活雑貨をおしゃれな鉢にリメイクすることができます。
洋風なアンティーク雑貨を使えばとてもいい雰囲気が出せますよ。
特別なものを買ってこなくても、不用品の中から使えそうなものを探してみてもいいでしょう。
業務用のトマト缶など、大きめの缶をリメイクすると、人気の多肉植物にぴったりの、無骨でかっこいい鉢ができます。
床に錆が移ることがあるので、気にならない場所に置いて楽しみましょう。
ワインの木箱、果物が入っていたカゴなども、少し手を加えればおしゃれな鉢として利用できます。
普段から使えそうなものを探して取っておくといいですね。
まとめ
以上、寄せ植えの鉢選びについてご紹介してきました。寄せ植えを作るときは、ついつい植える植物のことばかり考えてしまいがち。
植えてしまった後で後悔しないよう、鉢や容器についても最初によく考えて用意したいですね。
鉢選びにこだわって、寄せ植え上手の一歩を踏み出しましょう!