
- アデニウムの葉が変色する原因について理解できる
- アデニウムの葉が変色したときの対処が自分でできる
- 葉の変色の対処法や注意すべき病気・害虫がわかる
- アデニウムの葉が変色したときの対処法や注意すべき病気・害虫の駆除ができるようになる
アデニウムを育てていると、ちょっとした失敗でアデニウムの葉が変色してしまうことがあります。その原因はいったい何なのでしょうか。
もしうっかり葉を変色させてしまった場合の対処法や、注意すべき病害虫など、初心者が陥りやすいいくつかのポイントを踏まえて解説します。
アデニウムの葉が変色する原因7つと対処法
アデニウムの葉が変色する原因には以下の7つの点が挙げられます。
- 根腐れ
- 日照不足
- 水のやりすぎ
- 水切れ
- 低温障害
- 環境の変化
- 病害虫
どういうことなのか、詳しく見てみましょう。
原因①根腐れ
アデニウムの不調のほとんどは根腐れによるものです。アデニウムの原生地は滅多に雨が降らない環境です。
根腐れの多くは水のやりすぎや通気性の悪さが原因。栽培方法を工夫すれば、日本の気候でも根腐れしないで育てることも可能です。
根腐れの対処法
過度の水やりは禁物です。夏場は雨ざらしでも丈夫に育ちますが、春や秋などは雨が当たらない明るい軒下などで育てます。
思いのほか温度が下がった時に、鉢内が湿っていると株元がぶよぶよ腐ることがあるので注意しましょう。
原因②日照不足

コーデックス(塊根植物)は、希少性からつい室内や半日陰で育てたくなってしまいますが、性質は真逆で、直射日光が大好きな植物です。
室内で大事に育てていて葉が黄変してきたら、日照不足を疑ってください。
日照不足の対処法
アデニウムをインテリアのように育てるのはNGです。室内では育たない植物だということを念頭に置いておきましょう。最低気温が10℃以上になったら、屋外で育てます。
原因③水のやりすぎ
「つい毎日水やりしてしまう」という方は要注意。水のやりすぎでも葉っぱは変色します。
乾燥地帯では降雨はまれ。アデニウムは水があるうちに水分を体に取り込もうとして、過度に水を吸い上げて体調を崩し、葉が黄変してしまいます。
水のやりすぎの対処法
季節ごとの水やりの量を覚えましょう。本に書いてある「○日に1回」や「一回何cc」という量は、自宅の環境に当てはまるとは限りません。
用土の種類や、鉢が素焼きなのかプラスチックなのかによっても変わってきます。用土がしっかり乾いてから鉢底から流れるくらいたっぷり与えましょう。
原因④水切れ
水切れさせても葉の色が黄変し始め、茶色に枯れあがります。植え替えや根切りなどの作業をした後に、一時的に水切れすることもあります。
株や根をいじった後はある程度は仕方がないことですが、すぐに回復できるように観察してください、
水切れの対処法
自宅のアデニウムの水やりのベストなタイミングを知ることで、水切れしにくくなります。
用土によっては表面だけ見ても中まで乾いているか分からない場合があるので、初心者は、鉢の中に竹串などを差し込んで、引き抜いた時に湿った土がついてこないか確認すると分かりやすいです。
原因⑤低温障害
アデニウムは20℃~25℃が最適な気温です。原生地では春夏秋冬の気温の差がほとんどなく、年間を通して適温なので、日本の四季は厳しく感じているかもしれません。
秋になり最低気温が15℃を下回ったら休眠を意識して、室内に取り込む準備をします。
低温障害の対処法
最低気温が10℃を下回ったら葉が黄変して落葉するので、断水して室内に入れましょう。
落葉樹なので、葉が落ちても心配することはありませんが、霜に当たると株がぶよぶよに腐ってくると枯れてしまう可能性があるので要注意です。
原因⑥環境の変化
アデニウムは繊細なところがあり、ちょっとした環境の変化で機嫌を損ねてしまうことがあります。室内に入れたり屋外に出したりと、しょっちゅう置き場所を買えると葉が変色して枯れてくることがあります。
また、エアコンの風が当たる場所も嫌いますので、直接風が当たらない場所に置きましょう。
環境の変化の対処法
植物は自らの足で動く生き物ではなく、その場にどっしりと構えて育つ生き物なので、環境が変わることを好みません。なるべく同じ場所から動かさないで済むように、日当たりが良く風通しが良いような場所を選んでおきましょう。
室内に入れて良いのは休眠中の冬だけです。
原因⑦病害虫
アデニウムの葉が変色してきたら、病害虫に遭っているかもしれません。葉に引き連れたような跡があったり、粉が吹いていたりしないか、じっくりと観察してください。
病害虫の対処法
病害虫はなるべく早期に発見することで、被害が減らせます。見つけ次第すぐに退治できるように、市販の殺菌・殺虫剤を手元にひとつ用意しておきましょう。
病害虫の対処法は、次の章で詳しく解説します。
アデニウムが被害にあいやすい病気・害虫

こちらでは、アデニウムが被害にあいやすい病気・害虫について詳しく紹介します。アデニウムはさほど病害虫が付きやすい植物ではないのですが、まれに
- アブラムシ
- コナカイガラムシ
- ハダニ
- スス病
- うどん粉病
- 炭疽病
- 苗立ち枯れ病
- ウイルス病
の被害に遭うことがあります。これらの対処法を大きく分けると「害虫によるもの」「糸状菌(カビ)によるもの」「ウィルスによるもの」に分けられます。詳しく見てみましょう。
害虫の被害と治し方
アデニウムに付く虫がごく一般的な害虫で、アブラムシ、コナカイガラムシ、ハダニなどです。葉に吸われたような跡があり、葉が委縮し、黄変し、最後は枯れ落ちます。
被害が拡大しないように、見つけ次第すぐ捕殺してください。市販の殺虫剤をまきましょう。
べニカXファインスプレーは、殺虫の他に病気や殺菌にも効きますので一本持っていると大変便利です。

糸状菌(カビ)の被害と治し方
アデニウムの病気で一般的なのは、うどん粉病や、灰カビ病、炭疽病などのカビ菌です。小苗の頃は立ち枯れ病にも注意しましょう。害虫の糞からスス病になることもあります。
初期段階で市販の殺菌殺虫剤をまけば、すぐに回復するので心配は無用です。
ウイルスの被害と治し方

病気の中で厄介なのは、ウイルス病です。葉がモザイク状に変色し縮れて、最終的に枯死します。ウイルス病の治癒は不可能。残念ですが焼却処分します。そうならないためにも、ウイルス病を媒介する害虫駆除を行います。
また、ハサミのせいでコレクションすべてウイルス感染してしまったということがないように、剪定時は器具をウイルス除去液に浸けるか、バーナーであぶる習慣を付けましょう。

まとめ
アデニウムの葉が変色する原因と対処法、注意すべき害虫や病気について解説しました。
葉の変色は、アデニウムの自生地の環境に近付けると解決することも多いようです。病害虫も滅多にありませんが、初期対応が大切です。まめに観察することで被害を最小限に食い止めることができますよ。