切り花にぴったりのアスターってどんな花?品種・特徴と育て方

まっすぐ伸びた茎が枝分かれして、たくさんの花をつけるアスターは見栄えもあり切り花としても人気の植物です。
アスターはお盆を迎える夏ごろにピークを迎えるので、仏花としても人気です。

近年は八重の品種や小輪の花をたくさんつける品種、ポンポン咲きの品種など様々なものが生み出されていて洋風の庭にも調和します。

アスターの基本情報

学名Calistephus chinensis nees
英名China aster
その他別名薩摩菊・エゾギク
科名キク科
属名エゾギク属
原産地中国

アスターの特徴

アスターの花言葉

アスターの花言葉である「追憶」や「同感」、「思い出」はお盆に見頃を迎えるアスターが、仏壇やお墓に飾られることが多かったため故人を想う気持ちから選ばれた花言葉です。
「信じる愛」という花言葉は、アスターの無数についた花びらを花占いに使っていたという歴史から連想されました。

アスターの別名

別名のエゾギクは、菊のような花の見た目とエゾと呼ばれていた北海道のような寒い地方でも栽培することができる特徴からつけられました。

エゾではなく、江戸だったという説もあります。
アスターは江戸時代に中国から日本に渡来していて、現在の九州である薩摩で栽培が頻繁に行われていました。

もう一つの別名でもある、薩摩菊はそんな歴史が由来となっています。

アスターの切り花を長持ちさせる方法

アスターはお盆の時期に見頃を迎えることもあり、切り花としても人気の植物です。
花持ちも7日と比較的長いアスターですが、夏場の気温も相まってあまり長持ちしない場合もあります。

アスターの切り花を長持ちさせるコツは、茎の下の葉を取り除き水の高さを半分以下にすることです。
夏の気温によってどうしても水温が上がってしまい、茎が傷んでしまうのを避けるために水を減らしますが水替えは毎日行うようにしましょう。

また、数日ごとに茎をカットしておくのも効果的です。
ホームセンターや園芸店などで売られている切り花延命剤を使うのも良いでしょう。

アスターの種類

アスターは、江戸時代に渡来してから品種改良によって様々な花色や花びらの形の品種が生み出されています。
種苗会社からも色々な品種が発表されていますので、いくつかご紹介します。

アスター ステラ

3cmほどの小輪の花をたくさんつける品種です。
花の色も多く、茎もたくさん分岐する特徴があるので切り花の添え花にも適しています。

アスター ふじみ

まっすぐ伸びた茎の先に中輪から大輪の八重咲の花をつける品種です。
花の色が鮮やかで仏花にも用いられています。

アスター 松本

まっすぐ伸びた茎の先に中輪の花をつける品種です。
花の色が多く、立ち枯れ病にも強い品種なので長く人気となっています。

ポンポンアスター

手まりのように丸いシルエットの中輪の花をつけつ品種です。
花びらの数が多く、とても豪華な印象があります。

みやびアスター

グラデーションのある花びらが、次第に色を濃くしていくのが珍しいアスターの品種です。

宿根アスター

宿根アスターは、アスターとは別の属に分類されています。
宿根性なので、夏から秋にかけて毎年小輪の花をたくさんつけるのが魅力です。

同じ名前がついていますが、通常のアスターとは異なる品種です。

アスターの栽培・育て方

アスターは初心者にも育てやすく、切り花にしてもぴったりな植物です。
栽培のポイントは、連作と移植を避けることと日当たりと風通しを良くすることです。

乾燥に強いアスターですが、夏場は土が乾燥しやすいので鉢植えの場合は特に水やりを気を付けましょう。

アスターの育て方情報

分類・形態一年草・草花
草丈・樹高30cm~100cm
開花の時期7月~8月
花色白・ピンク・紫・赤・オレンジ
耐寒性普通
耐暑性普通
特性・用途花壇・切り花・鉢植え
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月~5月・9月~10月
植え替え4月~5月・9月~10月
肥料4月~6月
開花7月~8月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。

水やり

土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。
庭植えの場合は、特に与える必要はありません。

肥料

植え付けた春から夏にかけては、月に一回ほどのペースで液肥や緩効性の化成肥料を与えましょう。

用土

草花用土を使いましょう。
アスターは連作を嫌うので、鉢植えにする場合は新しく殺菌済みの用土を使用します。
庭植えにする場合は、アスターを育てたことのある場所を避け、石灰などで土壌の酸性度を中和してから植え付けましょう。

アスターを育てるときのポイント

選び方

茎がしっかりしていて、根元がぐらぐらしないものを選びましょう。

植え付け・植え替え

庭や花壇に植え付ける場合は、事前に石灰をまいて土壌を中和しておきましょう。
水はけをよくするために腐葉土を混ぜ込んだり、盛り土をしたりするのも効果的です。

連作を嫌うので、前年とは違う場所に植えます。
移植を嫌い、根が繊細なので傷つけないように気を付けながら植え付けましょう。
アスターは一年草なので特に植え替える必要はありません。

ふやし方

アスターは種まきで増やすことができます。
秋まきと春まきができますが、寒い場所では春まきで増やしましょう。

種をまいて覆土してから、芽が出る10日間くらいは水を切らさないように注意します。

種まきした当日は霧吹きなどでそっと用土を湿らせて、翌日から水やりを始めましょう。
芽が出るまでは半日かげの場所で管理しましょう。液肥を定期的に与えてしっかりとした苗を作ります。

気を付けるべき病気・害虫

病気

立ち枯れ病は連作によって発生しやすいので注意しましょう。
土壌の酸性を中和することによって病気の発生を低下させることもできます。

害虫

ウリハムシ、ハモグリバエ、ハマキムシに注意しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

殺虫剤にはスミチオン乳剤やマラソン乳剤などを使いましょう。