
サイネリアはガーベラに似た小ぶりの可愛らしい花が球状に集ってたくさん咲く華やかなお花です。
また花色のバリエーションも豊かであることから人気の高い園芸品種の一つでもあります。
温度の管理は必要ですが、きちんと管理することでお花をどんどん咲かせ花の時期が長いことも特徴の一つです。
今回はサイネリアの花言葉から育て方、花がら摘みなどの栽培方法まで紹介します。
サイネリアの基本情報
学名 | Pericallis xhybrida |
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英名 | Cineraria・Florist's Cineraria |
その他別名 | シネラリア・フキザクラ・フウキギ |
科名 | キク科 |
属名 | ペリカリス属 |
原産地 | カナリア諸島 |
サイネリアの特徴
サイネリアは園芸品種としては「シネラリア」という名前ですが、その名前から「死」を連想させるということで、現在はサイネリアという名前で販売しています。
そのシネラリアと言う名前の縁起の悪いイメージを払拭するために日本では「冨貴菊(ふうきぎ)」や「冨貴桜(ふきざくら)」という名前がつけられたようです。
サイネリアの花言葉
サイネリアの英語の花言葉である「いつも快活」から、お見舞いの際に送る花として使用されていますが、日本では「死」を連想させるとして、お見舞いやお祝い事の際に送るお花としてはあまりふさわしくないとされています。
サイネリアのカラーバリエーション
サイネリアはカラーバリエーションが豊富であり、花色はオレンジ以外の色は全て揃っていると言われているほどです。
また色だけではなく、品種によっては草丈や花の大きさから花色のグラデーションまでさまざまあり同じサイネリアでも品種を変えるだけでまた違った雰囲気を楽しむことができます。
サイネリアの種類
アーリー・パーフェクションシリーズ
花の直径が2.5~3㎝と小型の品種である。
色は赤・ピンク・青など5色がそろっています。花も草丈もコンパクトに育つシリーズです。
ジェスターシリーズ
花の直径が3~4㎝の中型の品種です。
色は花芯のまわりが白く蛇の目と呼ばれるものや淡い黄色など7種類の色あいがそろっています。
ムーンライト
サイネリアで初めて品種改良された淡い黄色の色合いを持つ小型の品種です。
強い日差しのもとで育てると花色が白くなるため、開花期は室内のレースカーテン越しの場所で育てると花色の黄色が強くなります。
桂華(けいか)シリーズ
草丈が高く、直立して伸びた茎の先に花をつける木立ち性のサイネリアのシリーズです。
野生種に近い姿であることが特徴で、ドーム型に花をつけるコンパクトなサイネリアとは異なり、野草的な風合いを楽しむことができます。
セネッティ
桂華同様に野生種に近く背丈の高い木立ち性のシリーズです。
赤紫と青紫の花を咲かせます。
野生種を交配させたものであり、非常に丈夫な性質です。
サイネリアの栽培・育て方
初心者の方でも比較的育てやすい品種ではありますが、正しい管理方法を知ることで長い期間たくさんの花を楽しむことができます。
栽培される際は特に温度管理や肥料などに注意をしましょう。
サイネリアの育て方情報
分類・形態 | 草花・一年草 |
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草丈・樹高 | 20~60㎝ |
開花の時期 | 11月~5月 |
花色 | 青・白・ピンク・黄・茶・紫・褐色 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 開花期が長い |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 9月 |
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肥料 | 9月~4月 |
開花 | 1月~4月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
室内の日当たりのいい場所で育てましょう。
十分な日照量を保つことで花つきがよくなります。
また冬時期に花を咲かせますが、寒さに弱いため寒い時期は特に室内でも暖かい場所において育てるようにしましょう。
特に市販の苗を購入する場合は寒さの耐性が引くものが多いため注意が必要です。
水やり
土の表面が乾いたら鉢底からあふれるほどたっぷりの水をあげましょう。
また特に花が咲いている開花期は多くの水を必要とするため、水切れを起こさないようにこまめな水やりが必要です。
水やりの際は水が花や葉にあたると花が傷む原因になりますので、土のみに水が注がれるようにそっと水をあげましょう。
肥料
元肥としてはリン酸が多く含まれた緩効性の肥料を施しておきましょう。
多くの花を咲かせるサイネリアはその分肥料も多く必要とします。
そのため追肥として生育期と開花期にあたる9月~4月の間は10日に1度のペースで、液体肥料を薄めたものを施してください。
肥料がきれると花数が減ってしますので注意しましょう。
用土
水もちがよく、有機質が多く含まれた土を好みます。
市販の草花用の培養土を使用する場合は養分が足りない可能性があるため、堆肥やピートモスを混ぜこんで使用するようにしましょう。
自分で配合する場合は赤玉土5、ピートモスもしくは腐葉土3、バーミキュライト2の割合で配合したものに緩効性の肥料を混ぜ込み準備しましょう。
温度
寒さ暑さに弱いため、日本では夏越しは難しいとされています。
また冬は室内のできるだけ日の当たる暖かい場所で育てることが大切です。
サイネリアを育てるときのポイント
選び方
サイネリアは苗よりも鉢植えですでに開花した状態で売られているものが多くあります。
選ぶ際は花つきがよく茎がしっかりしており、虫食いや葉に変色がないものを選びましょう。
種まき
種から育てる場合は花の時期が多少遅れる場合がありますが、上手に育てることで寒さに強い株に育てることができます。
発芽温度は15~25度であり8月~9月が種まきに適した時期です。
育苗ポットに赤玉土を入れ種を2、3粒まきます。
土は被せず種が流れない様にやさしく水やりをし雨の当たらない風通しのよい半日日陰の場所に置きましょう。
土が乾かない様に適時水やりをしながら本葉が2~3枚になったら、元気な芽を一つ残しそれ以外は間引きます。
本葉が6~7枚になったら植え替えましょう。
植え付け・植え替え
サイネリアはよく根をはるので、植え替えの際は一回り大きめの鉢を準備して植え替えましょう。
また鉢植えの場合も根詰まりを起こしている場合のあるので、一回植え替えが必要です。
剪定
花がら摘み
開花期が終わる4月頃に、花が完全に枯れる前に花を摘み取りましょう。
花がらつみを行うことによって下のつぼみに栄養が届き、花を次々に咲かせてくれます。
切り戻し
切り戻しとは、花数が少なくなってきたら、芽のある節の上から切り落とす作業のことです。
花は4月に終わってしまうため、3月上旬までに切り戻しをおこないましょう。
切り口から新しい芽が伸び、また花を咲かせます。
増やし方
種まきもできますが、挿し芽で増やすことができます。
挿し芽は4月下旬から5月が適した時期です。
暑さに弱いサイネリアは夏越しは難しいとされていますが、挿し芽をすることで毎年育て続けることができます。
挿し芽は、花茎を一度切り落とし株元から出てきた新しい目を摘み取り挿し芽に使用します。
良く湿らせた赤玉土に挿し芽をし定期的に水やりと肥料をあげましょう。
夏の暑い時期は風通しのよい明るい日陰や半日日陰で管理しましょう。
気を付けるべき病気・害虫
病気
うどんこ病
カビを原因とし、5~6月、9~10月の風通しの悪い環境で発生しやすくなります。
感染すると株全体が白くなり枯れる原因となります。
灰色カビ病
細菌を原因とし3~7月、9~12月の温度湿度ともに高い場合発生しやすくなります。
感染すると花葉に水がしみたような模様が現れ広がっていきます。
そのため見つけ次第すぐに感染部位を切り落としましょう。
治療ができないので、花がら摘みをし株の密集をさけ風通しのよい環境を作ることで予防できます。
害虫
アブラムシ
日当たりや風通しが悪いと発生しやすくなります。見つけ次第少数であればテープを使い除去しましょう。
コナジラミ
4~10月に風通しの悪い環境で発生しやすくなります。
葉の裏に寄生し栄養を吸い取ります。
幼虫のうちに殺虫剤を用いて駆除しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
草花用のうどんこ病殺虫剤やコナジラミ用殺虫剤が効果的です。