川辺の水面に浮かんでる植物を見かけたことはあるでしょうか。
それはホテイアオイです。
金魚やめだかを育てたことがある人は一緒に育ていますよね。
ホテイアオイは夏に紫の花を咲かせ、水面を漂う美しい植物です。
今回はホテイアオイをどのように育てらた元気で、また観賞魚と一緒に共存できるかのコツを解説します。
ホテイアオイの基本情報
学名 | Eichhornia crassipes |
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英名 | Common Water Hyacinth |
その他別名 | ウォーターヒヤシンス |
科名 | 単子葉植物ミズアオイ科 |
属名 | ホテイアオイ属 |
原産地 | 熱帯・亜熱帯アメリカ |
ホテイアオイの特徴
ホテイアオイは主にブラジルを原産とする南米から渡った植物で、今日の日本に生息するホテイアオイも外来種です。
葉の節には楕円形の浮袋があり、この形が七福神の「布袋様の腹」に似ていることから、この名前がつきました。
また根は普通の植物と違って黒く、直射日光から根を守るための色です。
そしてこの根には無数の産毛が生え、浮遊を安定させていますが、魚にとっては卵を産みつける格好のよい場所です。
ホテイアオイの種類
ホテイアオイの種類は世界的にも少なく、ホテイアオイ属として分類されているのは、たったの4種だけです。
しかし、ホテイアオイは成長速度が非常に早く、南米だけでの生息だったのが今では5大陸にも広がっています。
ホテイアオイ クラシペス
私たちが普段目にする一般的なホテイアオイです。
熱帯、亜熱帯に生息しているので、30℃前後の環境下で元気に育ちます。
また繁殖力が非常に高いので、生態系の話でしばしば問題となりますが、一般家庭で育てる場合は、自然に放流しなければ、初心者でも簡単に育てることが可能です。
要注意外来生物に指定されているので、育てて野生に放流することはやめてください。
ホテイアオイアズレリア
一般的なホテイアオイクラシベスとは非常に似ていますが、葉の形は細長く扇状に開きつつ、水に水没しまた葉の色もより濃い緑色です。
根は長くなっても地面に根を張ることなく、ずっと浮いた状態で育ちます。
ミニホテイアオイ
こちらは一般的なホテイアオイを品種改良し、大きくならずに成長できます。
このホテイアオイは観賞用の魚と一緒に育てても大きくならないので、水面から魚を確認することもできます。
水中の酸素濃度も程良く滞留して魚を酸素不足にせずに、小さな容器でも問題なく共存ができます。
ホテイアオイの栽培・育て方
繁殖力旺盛で、水と寒さだけに特に気をつければ、初心者でも簡単に育てることが可能な植物です。
また観賞魚が卵を産みつけるのに、非常に良い根を持っています。
メダカや金魚と一緒にすることで、観賞魚にとってよい環境下になります。
ホテイアオイの育て方情報
分類・形態 | 浮遊性植物・1年草(日本では冬があり、枯死する。そのため1年草扱い) |
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草丈・樹高 | 2㎝〜150㎝ |
開花の時期 | 7月〜9月 |
花色 | 紫 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 暑さに強く寒さはに弱い・繁殖力が強い |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 5月〜6月 |
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植え替え | 5月〜6月 |
剪定 | 下部の葉が古くなり、変色したら |
開花 | 7月〜9月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
水面に浮かびながら成長するので、日当たりの良い場所に水を張って育てましょう。
極端に水質が汚れなければ、特に問題もなく常に成長し続けます。
また、日射不足と寒さには非常に弱いので、光が当たるとこを選び寒くなってきたら、屋内に入れライトを設置して育てていきましょう。
十分な日当たりだと、ホテイアオイは紫の花を咲かせるので、日当たりには気を配りましょう。
そうすることで、大輪の花を咲かせられます。
水やり
水面で育てる場合は、水やりの必要はありません。
葉が茶色く変色して腐食し始めたら、水質が悪化するもしくはすでに悪化しているので水を取り替えましょう。
土壌でも育てることができますが、その場合は土は常に湿っている状態にします。
乾き切ってしまう前に、水をたっぷり与えましょう。
肥料
基本的に肥料は必要ありません。
肥料を与えてしまうと、過剰な栄養補給により非常に大きくなり、一緒に飼われている観賞魚にも影響が及ぶので与えません。
用土
湿った土壌で育てることが可能なホテイアオイですが、その場合は水田で使われる粘土質な土を選びましょう。
吸水性があり、保水性もあるので肥料を使わずに、元気に育てられます。
ホテイアオイを育てるときのポイント
選び方
株が茶色くなっていなく、長く大きく張ってるものが良いです。
また、水面に触れている葉や茎は茶色く変色しやすいので、そのような状態ではないものを選ぶとよいです。
大小限らず、小ぶりでも葉がしっかりとついているものを選びましょう。
種まき
種まきの時期は春になります。
しかし、株本体同様、種も寒さや乾燥には弱いです。
暖かくなる春がくるまでは、水中や泥の中で保管します。
植え替え
土で育ててる場合は、ホテイアオイが鉢よりも20㎝以上大きくなたら、植え替えをしましょう。
水面での場合でも、容器に密集するようなぐらい大きさでしたら株を分けるか、容器のサイズを変えて調整しましょう。
剪定
ホテイアオイの剪定は厳密には必要がありません。
しかし水質を悪くさせないためにも、悪くなった葉や茎を切り取る必要があります。
水面に触れている葉や茎は弱って水面に触れていると腐食するので、株を持ち上げて柔らかくなっていたり、葉が取れやすいものは極力取っていきましょう。
増やし方
基本的に株分けで増やせます。
ホテイアオイの親株は成長していくと、子株を伸び出し始めます。
ある程度大きくなると自然と切れますが、出ていたらすぐに切って別の場所で育てることが可能です。
気を付けるべき病気・害虫
目立った病害虫のトラブルはありませんが、稀にアブラムシがつく場合があります。
ホテイアオイ単体で育てているのであれば、霧吹きタイプの殺虫剤をかけてもよいです。
しかし観賞魚と一緒にしている場合は、水質に悪影響を及ぼすので虫がついた場合は切り取るか別の容器に移しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
ピレスロイド・唐辛子・コーヒーが有効です。