矢車草(矢車菊・ヤグルマギク)の育て方・増やし方【種まき・苗の植え付けの季節は?】

爽やかな初夏の風に揺れる矢車草(ヤグルマギク)。道端や畑などでも見ることができる、とても繁殖力強い植物です。

青く印象的な花は切り花やドライフラワーにも最適で、エディンブルフラワーとしてサラダの飾りなどに利用している国もあります。

矢車草は種からどんどん増えて初心者にも育てやすい植物です。ぜひお庭に取り入れてみてください。

矢車草(ヤグルマギク)の基本情報

学名Centaurea cyanus
英名Cornflower
その他別名ヤグルマギク・セントーレア
科名キク科
属名ヤグルマギク属
原産地ヨーロッパ

矢車草(ヤグルマギク)の特徴

矢車草(ヤグルマギク)の名前の由来は、放射状に丸く並ぶ花びらの形にあります。ひとつひとつの花びらが集まった形が矢車のように見えたことからつきました。

実は矢車草という名前がついた別の花があり、近年では別名のヤグルマギクという名前で呼ばれることも多くなってきました。

園芸品種名のセントーレアというおしゃれな名前で販売されていることもあります。

英名のコーンフラワーの由来は、ヨーロッパで昔から矢車草が小麦畑でよく見かけたためついた名前です。

ちょうど黄金色の穂が実る小麦畑で、青や白の爽やかな色の矢車草が揺れる光景を想像するとうっとりしてしまいますね。

花言葉が優雅、優美、上品とポジティブなものが選ばれているのも、そんな矢車草の素敵な花姿から連想されたものと考えられます。

海外ではハーブとしての効能も注目されていて、ハーブティーとして利用されたりポプリとして長く楽しむなど色々な活用法がある植物です。

矢車草(ヤグルマギク)の種類

一般的に園芸店などで販売されている矢車草の種は、八重で青や白、ピンクが混ざったものが多いです。

近年では品種改良されためずらしい品種も販売されるようになってきたので、ご紹介します。

ブラック・ボール

濃い紫が混ざった茶褐色の八重の花がパッと目を引く特徴的な品種です。

セントーレア・モンタナ

矢車草が八重の花で一年草なのに対して、この品種は一重の多年草です。

矢に似た花びらは数えるほどしかありませんが、花火のように美しく広がっています。

矢車草(ヤグルマギク)の栽培・育て方

矢車草(ヤグルマギク)は道ばたや畑でも見かける繁殖力の強い植物です。そのため、初心者でも栽培しやすいです。

水や肥料を少なめにすることと、日当たりの良い場所で栽培することが管理のポイントとなっています。

こぼれ種でも増えていくので、庭に取り入れた場合は状況に応じて適度に間引くことも必要でしょう。

矢車草(ヤグルマギク)の育て方情報

分類・形態草花・一年草
草丈・樹高50cm~100cm
開花の時期4月~7月
花色青・白・ピンク・紫
耐寒性強い
耐暑性普通
特性・用途花壇・鉢植え・切り花・ドライフラワー・ハーブ
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月・9月~10月
肥料3月~4月・10月
開花4月~7月

矢車草(ヤグルマギク)の栽培に必要な準備・環境

矢車草はとても強い植物なので、あまり手を掛ける必要がありません。日当たりと水はけ、風通しをよくすることが管理のポイントです。

日当たり、置き場所

日当たりと風通しの良い場所が適しています。暑さにも耐性がありますが、多湿になりすぎると病気が発生してしまいます。

周りの草を減らしてすっきりさせた場所で管理しましょう。冬場は種で越冬するので、耐寒性は強い植物です。

水やり

多湿が苦手なので、水やりは少なめにします。

庭植えの場合はほとんど必要なく、鉢植えの場合は春から夏にかけて土の表面が乾いたら与えましょう。

用土、肥料

庭植えの場合は、植え付ける前に腐葉土を土に混ぜます。鉢植えの時は市販の園芸用土を使用しましょう。

肥料はほとんど必要としないので、定植したときに緩効性の化成肥料をまいておくだけで十分です。

矢車草(ヤグルマギク)を育てるときのポイント

矢車草の選び方

矢車草は混色の種で販売されていることが多いです。

苗で買う場合は草丈が低くても根元と茎がしっかりしていて、下の葉が枯れていないものを選びましょう。

種まき、植え付け

日当たりと水はけの良い場所を選んで、春か秋に種まきします。

苗を植え付けるときは、秋に植えて翌年の開花を待つほうが寒さに強いしっかりした苗になります。

切り戻し

矢車草は適度に切り戻しをすることで、背が高くなりすぎて倒れるのを防ぎ、茎数や花数が多い丈夫な苗になります。

植え替え

矢車草は根が深くまっすぐ伸びる特徴をもっているので、成長してからの植え替えは不向きです。

花が終わったあとに種をとり、植え替えする方法がよいでしょう。

増やし方

矢車草はとても繁殖力が強いので、こぼれ種からでも発芽して増えていきます。

植木鉢などを移し替えたいときは、種を収穫して秋にまいておきます。

青色の花が遺伝的に出やすいので、ピンクや白を咲かせたいときは好みの色の種を選んで採取しておきましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気

立ち枯れ病、うどんこ病に気を付けましょう。

立ち枯れ病は連作によって発生しやすいので、同じ場所で何度も栽培しないように注意します。また、うどんこ病は風通しをよくして防ぎましょう。

害虫

アブラムシに注意が必要です。花の付け根や葉の裏につくことが多いです。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシは植物を弱らせる原因になるので、市販のスプレー剤を直接散布して対処しましょう。

うどんこ病が発生した場合は、ベニカスプレーなどの市販の殺菌剤を散布したうえ、病気の葉を取り除きましょう。