こぼれ種から増える?コスモス(秋桜)の育て方のコツ・種まきの時期と名所

秋に見頃を迎える植物の中でも、最もポピュラーな草花のコスモス。

細い茎の先に淡い大輪の花をたくさん咲かせる様子は、日本人なら一度は見たことがあるものでしょう。

畑や道ばたでもよく見かけることのできるコスモスはとても育てやすく、群生もしやすいので初心者にもおすすめの植物です。

種が採取しやすく、落ちたところからも生育するコスモスをぜひお庭でも育ててみてください。

コスモスの基本情報

学名Cosmos bipinnatus
英名Cosmos
その他別名秋桜、大春車菊(オオハルシャギク)
科名キク科
属名コスモス属
原産地メキシコ、中央アメリカ

コスモスの特徴

コスモスの名前の由来は、ギリシャ語の宇宙や調和、美を意味する単語が由来となっています。

花言葉にも、「調和」や「真心」など語源に関連したものが選ばれています。

コスモスの花にそんな名前がつけられた由来は、花のシンメトリーな特徴から連想されたためです。

また、「謙虚」という花言葉はコスモスの主張しすぎない色合いの花や、なよなよとした茎と葉の様子からつけられました。

コスモスの開花時期は6月から11月ととても長い期間楽しめます。

品種によって早生の品種や晩生の品種があるので、広いスペースがあれば時期をずらして植えてみるのもよいかもしれません。

ただし、晩生の品種を早く種まきしすぎると、茎が徒長しすぎるので注意が必要です。

コスモスは短日植物なので、日が短くなってくると花をつける特徴があります。

コスモスは群生して咲くととても見ごたえがあるので、日本の各地で名所になっています。

国営昭和記念公園(東京)や吹上コスモス畑(埼玉)、黒姫高原(長野)など各地の名所でコスモスを観賞するのもおすすめです。

コスモスの種類

日本には明治時代ごろに渡来したコスモスですが、近年では品種改良によって様々な品種が生み出されています。

花の色も、従来のピンクや白だけでなく黄色やチョコレート色などとても選びごたえがあります。

そんなコスモスの代表的な品種について、いくつかご紹介します。

センセーション

最も一般的なコスモスの品種で、花弁や花径が大きいのが魅力です。

早生の品種で病気にも強く、長い期間、開花を楽しむことができます。

ミックス苗として販売されていることが多く、様々な花色が楽しめます。

ダブルクリック

八重や半八重の花びらをつけるバラのように豪華な品種です。

生育環境によって一重になることもあり、白やピンクの花色があります。

ピコティ

白い花弁のまわりを濃いピンク色が縁取る、とても印象的な品種です。

切り花としても人気があります。

イエローガーデン

ピンクや白が主流だったコスモスの中で、初めて誕生した黄色系の品種です。

淡く優しい黄色が魅力で、中心にいくほど白が増していきます。

晩生で他のコスモスよりも遅れて花をつけます。

シーシェル

花びらがくるっと丸まった筒状の形をしている珍しい品種です。

キバナコスモス

コスモス属に分類されるキバナコスモスは、濃いオレンジ色の花をたくさんつけるボリュームのある品種です。

原産国のメキシコでは、コスモスよりも低い標高の場所で生育しています。

チョコレートコスモス

チョコレート色の花びらが印象的なコスモス属の品種で、多年草に分類されます。

褐色の花びらからはチョコレートの香りがするのが特徴です。

コスモスの栽培・育て方

コスモスは日当たりと風通しの良い場所を好みますが、管理の手間が少なく初心者にも育てやすい植物です。

花や茎を増やすための摘芯や、風や台風で倒れないための支柱立てなどをすることでよりたくさんのコスモスを楽しむことができます。

コスモスの育て方情報

分類・形態一年草/山野草/草花
草丈・樹高60cm~120cm
開花の時期6月~11月
花色ピンク、白、茶色、黄色、オレンジ、濃桃
耐寒性弱い
耐暑性普通
特性・用途観賞用、庭植え、鉢植え、切り花、初心者でも育てやすい
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月~9月
植え替え4月~9月
肥料4月~10月
開花6月~11月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しの良い場所で管理しましょう。

鉢植えの場合は、風の強い日や霜が降る時期は軒下や屋内に移動しましょう。

庭植えの場合は、水はけの良い場所を選びます。

水やり

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら与えましょう。

庭植えではほとんど水やりは必要としません。

肥料

肥料が多すぎると徒長して倒れやすくなってしまうので、控えめに施しましょう。

元肥としてリン酸の多い緩効性の化成肥料を与えます。

チッソ成分の少ないものを選びましょう。

鉢植えの場合は、春から秋にかけて追肥として液体肥料を与えましょう。

用土

市販の草花用土を用いましょう。

庭植えにする場合は腐葉土を混ぜ込んで、水はけをよくしておきましょう。

コスモスを育てるときのポイント

植え付け・植え替え

4月から5月に水はけの良い場所に植え付けましょう。

庭植えの場合は、腐葉土を混ぜ込んだり盛り土をすると効果的です。

鉢植えは深植えにならないように注意しましょう。

一年草なので、植え替えの必要はありません。

摘芯

5月から8月に摘芯をすると、茎が分岐してたくさんの花をつけることができます。

摘芯により、草丈を低くすることで風に倒れるのを予防することもできます。

ふやし方

種まきで増やすことができます。

秋に採取した種を風通しのよい冷暗所で保管してから、4月~9月に種まきをしましょう。

晩生の品種は8月以降に種まきすることで、低い草丈に仕立てることができます。

コスモスは特に種を採取しなくても、こぼれ種から増えていきます。

気を付けるべき病気・害虫

病気:うどんこ病は風通しを良くして予防しましょう。秋になると発生しやすくなるので、注意して観察しましょう。

害虫:アブラムシ
見つけ次第、薬剤を散布して対処しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシにはスミチオン乳剤やベニカ系のスプレーを使います。

殺菌剤にはカリグリーンが適しています。