
冬の寒い時期から春にかけて、長い間咲き続けるデイジー(デージー)。
素朴で可愛らしい花は花壇や鉢植えの寄せ植えに人気です。丈夫な性質を持っているので、育てるのは比較的簡単。
今回はそんなデイジー(ヒナギク)の色別の花言葉や栽培のコツを紹介します。
デイジー(ヒナギク)の基本情報
学名 | Bellis perennis |
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英名 | daisy |
その他別名 | ヒナギク(雛菊)・デージー・エンメイギク・チョウメイギク |
科名 | キク科 |
属名 | ヒナギク属 |
原産地 | ヨーロッパ及び地中海沿岸 |
デイジー(ヒナギク)の特徴
デイジー(デージー)は、別名でエンメイギク、チョウメイギクと呼ばれています。
名前の通り、寒い時期から春にかけて、長い期間次々と花を咲かせる植物です。
ヨーロッパで自生する多年草ですが、日本では夏に枯れてしまうので一年草扱いされます。
デイジー(ヒナギク)の花は素朴で可愛らしく、洋風の庭に良く合います。花色は、白、ピンク、赤、黄色、とバラエティ豊富。
キク科の植物なので、細長い花びらが沢山集まり、丸くまとまる花の咲き方をします。
原種の多くが一重咲きですが、品種によって八重咲きやポンポン咲きなど、咲き方も様々です。
花の大きさも大輪から小輪まであり、選ぶ楽しみが広がります。
デイジー(ヒナギク)の花言葉
花壇の縁取りや、寄せ植えに大活躍するデイジーには、素敵な花言葉があります。
全体の花言葉は、「美人」「純潔」「希望」「平和」です。
どれも素朴で可愛いデイジー(ヒナギク)を連想させる、好印象な言葉です。
さらに、色別の花言葉もあるので、ご紹介します。
白色:「無邪気」
白いデイジーにはイングリッシュデイジーや、シャスターデイジー(キク科フランスギク属)があります。
定番カラーである白のデイジーは、野の花の印象が強く、清楚で純真無垢なイメージです。
「無邪気」はぴったりの花言葉ですね。
赤色:「無意識」
チロリアンデイジー、ポンポネットには、赤色があります。
白やピンクなど他のカラーもそろっていますが、赤色は花壇や鉢植えを明るく元気に印象付けるので人気があります。
花言葉の「無意識」は気取らない、ありのままの良さを表しているのでしょう。
花を贈る際、全体の花言葉の「美人」や「純潔」と組み合わせて使いたい花言葉ですね。
黄色:「ありのまま」
黄色いデイジーには、ダールベルグデイジー(キク科ティモフィラ属)、ユリオプスデイジー(キク科ユリオプス属)があります。
カラフルな黄色は植えるだけで周りを明るい雰囲気にしてくれます。
「ありのまま」は飾らない美しさ、純朴なデイジーの良さを反映した花言葉になっています。
青色:「幸福」
青いデイジーには、ブルーデイジー(キク科ルリヒナギク属)があります。
ブルーデイジーの学名はFelicia amelloidesで、Feliciaの語源felixは「恵まれている」という意味。
ここから「幸福」という花言葉が生まれたものと思われます。
デイジー(ヒナギク)の種類
ポンポネット(雛菊、ヒナギク)
古くから「ヒナギク」として親しまれてきた基本の品種です。花の大きさは約3㎝程。
イングリッシュデージー
花の大きさは2㎝程度です。一重咲きで、花付きがとてもよい品種です。
チロリアンデージー
花の大きさは5㎝ほど、丸い形の大輪です。小輪品種と比べ、やや寒さに弱い性質です。
デイジー(ヒナギク)の栽培・育て方
日当たりと水はけの良い場所で育てましょう。
寒いうちから咲き始め、暖かくなるとさらによく育ちます。丈夫な性質をもち、あまり手をかけなくても元気に花を咲かせます。
強い寒風や強い霜に当たると弱るので、注意しましょう。
デイジー(ヒナギク)の育て方情報
分類・形態 | 草花・一年草 |
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草丈・樹高 | 15~40㎝ |
開花の時期 | 12月下旬~5月上旬 |
花色 | 白・ピンク・赤・複色 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 開花期が長い・鉢植え・花壇 |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 9月下旬~11月上旬 |
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植え替え | 9月下旬~11月上旬 |
肥料 | 2月下旬~5月上旬 |
開花 | 12月下旬~5月上旬 |
デイジー(ヒナギク)の栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
日当たりが良く、水はけの良い場所が適しています。冬に寒風が吹きつけるような場所は避け、強く霜に当たらない場所を選びます。
水やり
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底からあふれ出るほどたっぷり水やりします。
庭植えの場合は、基本的に必要ありません。乾燥が続くような場合は、しっかりと水やりします。
肥料
植えつける際に、緩効性の化成肥料を元肥として施します。真冬以外の開花期間中に、追肥してしっかり花を咲かせます。
鉢植えの場合は、液体肥料を定期的に与えます。1ヶ月に1回置き肥を与えてもいいです。
用土
水はけと通気性が良く、有機質に富んだ肥沃な土が適しています。適度な保水力も必要です。
鉢植えの場合、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
土を配合する場合は、赤玉土小粒5:腐葉土4:牛ふん堆肥1などの割合で混ぜ合わせます。
庭植えの場合、土をよく耕して、水はけが悪いようなら腐葉土などをすき込みます。
酸性土を嫌うので、事前に苦土石灰をまいて酸性度を調整しておくと、より良いでしょう。
温度
寒さにはある程度耐えますが、強い霜に当たると弱ります。
寒冷地では霜よけをしましょう。暑さに弱く、気温が上がると枯れてしまいます。
デイジー(ヒナギク)を育てるときのポイント
選び方
秋ごろからポット苗が出回ります。葉にツヤがあり、元気なもの、病害虫の跡がないものを選びます。
株元がぐらぐらしているものは避け、根がしっかりと張っているかどうか確認しましょう。
種まき
9月頃が適しています。種は小さく、また日光を好むのでピートバンなど種まき用土にまいたら、土で覆う必要はありません。
水は用土の底面から吸わせます。3~4日で発芽(発芽温度20℃前後)するので、徐々に日に当てるように移動します。
発芽が混み合っているところは間引きます。約1ヶ月後、本葉が2~3枚になったら、育苗箱などに移し、さらに育てます。
その後、小苗をポットに移し本葉10枚ほどに成長したら、鉢や花壇に植え替えます。
植え付け・植え替え
秋(9月下旬~11月上旬)が適しています。
あまり遅く植えつけるとしっかり根付く前に寒さが増し、弱ることがあるので気を付けます。
植えるのが遅くなってしまった場合は、霜よけの対策を施しましょう。株と株の間隔は約20㎝程取ります。
剪定・切り戻し
花が咲き終わったら、花がら摘みとして、花のついた茎を根元から切り取ってしまいます。
増やし方
デイジーは本来多年草ですが、日本では夏には枯れてしまうので一年草扱いです。
毎年種か苗を購入して育てます。
気を付けるべき病気・害虫
病気
菌核病に注意しましょう。
菌核病は、カビが原因で発生します。茎が水にしみたようになり、茶褐色に変色して柔らかく腐ります。
症状が進むと、そこに白いカビや、米粒くらいの大きさの黒い塊(菌核)ができます。
害虫
アブラムシに気を付けましょう。
殺虫剤・殺菌剤
菌核病を予防するためには、植え付けの間隔をあけて風通しをよくします。
アブラムシには、オルトラン粒剤など浸透移行性の殺虫剤を株元にまきます。