青い花が人を魅了するワスレナグサ(勿忘草)の育て方【花言葉や見頃の季節は?】

青く小さい宝石のような花を咲かせるワスレナグサ。
明治時代に渡来したワスレナグサは、日本のあちこちで群生するようになり私たちのとても身近な植物になりました。

印象的な青い花と名前をもつワスレナグサはガーデニング用としてだけではなく、切り花としても多くの人に愛されてきました。

暑さや過湿に弱いワスレナグサは日本では夏越しの難しい植物ですが、こぼれ種からどんどん増えて毎年花を咲かせてくれます。

そんな初心者にも育てやすいワスレナグサの種類や育て方についてご紹介します。

ワスレナグサの基本情報

学名Myosotis
英名Forget me not
その他別名シンワスレナグサ・ルリソウ
科名ムラサキ科
属名ワスレナグサ属
原産地ヨーロッパ・アジア

ワスレナグサの特徴

ワスレナグサにはその名前の通り、「私を忘れないで」という花言葉がついています。

中世ドイツで騎士が川に流されて死ぬ間際に、恋人にワスレナグサの花を投げ渡したという逸話からつけられたと言われています。
原産国では湿地や川辺に咲くことの多いワスレナグサ。

その可憐な見た目と、私を忘れないで、という言葉を残した騎士の切ない思いが印象的ですね。
日本と同じように、海外でも英名のForget-me-notと呼ばれています。

ワスレナグサはひとつひとつは小さい花ですが、開花時は茎にたくさんの花をつけるのでとても華やかな印象になります。
ガーデニングで寄せ植えにすることも、切り花の添え花にすることもできる使い勝手のよい植物です。

ワスレナグサの種類

日本でよく見かけるワスレナグサは、青い花弁で中心に黄色く丸い模様がついているものが多いです。
現在では、白やピンクのワスレナグサも園芸店などで販売されています。

ワスレナグサ属に分類される植物で代表的な品種をご紹介します。

シンワスレナグサ

明治時代に日本に伝わってきた原種に近いワスレナグサです。
園芸店で販売されているワスレナグサは、別種かこのシンワスレナグサの交配種です。

見た目は普通の青いワスレナグサとよく似ていますが、園芸品種と比べると地味な印象があります。

エゾムラサキ

ムラサキ科ワスレナグサ属に分類され、ワスレナグサととても良く似ています。
昔から日本に自生していたエゾムラサキは、北海道や長野県の上高地の野山で見かけることができます。

ブルームッツ

園芸用のワスレナグサの中では草丈が高くなる品種で、切り花に向いています。
園芸店で販売されている品種です。

ワスレナグサの栽培・育て方

ワスレナグサは原産国のヨーロッパでは多年草として分類されていますが、日本では一年草となっています。

日本の気候では湿度と暑さによって夏越しできないことが大きな要因です。
しかしこぼれ種からでも増えやすいワスレナグサは、お庭に植えっぱなしでも大丈夫な初心者向けの植物といえるでしょう。

日当たりや風通しがいい場所を好むワスレナグサ。
水切れと過湿に注意して育てましょう。

ワスレナグサの育て方情報

分類・形態草花・多年草(日本では一年草)
草丈・樹高20cm~50cm
開花の時期4月~6月
花色青・紫・ピンク・白
耐寒性強い
耐暑性弱い
特性・用途切り花・花壇
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け3月~4月・10月~11月
肥料4月~5月
開花4月~6月

栽培に必要な準備・環境

ワスレナグサの育て方のポイントは水はけと日当たりをよくすること、肥料を少なめで管理することです。

日当たり、置き場所

日当たりの良い場所を好みますが、半日蔭や木陰でも育てることができます。
過湿を嫌うので、風通しと水はけがよい場所で管理しましょう。

水やり

ワスレナグサは乾燥に弱いので、特に鉢植えで育てる場合は水切れに注意しましょう。
庭植えも、花の春から秋にかけては水やりを行います。

過湿も苦手なので、土が乾いているときだけ水やりをします。

肥料

植え付け時に緩効性の化学肥料を元肥として与えます。
鉢植えの場合は、月に一度ほど液体肥料を与えましょう。

肥料が少なめのほうが花付きが良くなるので、控えめに管理します。

用土

市販の園芸用土を利用します。

鉢底に赤玉土や鉢底石を敷いて水はけをよくしておきましょう。
過湿を嫌いますが、乾燥にも弱いので適度に水持ちする用土が適しています。

ワスレナグサを育てるときのポイント

ワスレナグサの選び方

ワスレナグサは種かポット苗で販売されています。

ポット苗の選び方は、下の葉が黄色く変色していないもの、株元から多数の茎が出ているものを選びましょう。
ポット苗は花がついていないもののほうが、後で株が大きくなりやすいです。

また、葉がしんなりしているものは一度、水切れを起こしたことがあるので避けましょう。

種まき

9月~10月の秋に種まきします。

種まき用の土か園芸用土に少し深めに種をまき、冬越しさせて翌年植え付けます。
自分で種を採取した場合は、種まきの前に半日ほど水につけて吸水させたほうが発芽率がよくなります。

植え付け、植え替え

ワスレナグサを植え付ける場合は、株の間隔をあけるようにして風通しを良くしましょう。
日本では一年草なので、植え替えの必要はありません。

増やし方

ワスレナグサはこぼれ種からでも増えやすいので、庭植えの場合は自然に増えていきます。
開花後の種を採取して増やすことも可能です。

気を付けるべき病気・害虫

病気

灰色カビ病に注意しましょう。

過湿によって発生しやすいので、咲き終わった花や枯れた葉をつんで風通しをよくしておきましょう。

害虫

アブラムシに注意が必要です。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシにはベニカ系のスプレー剤かマラソン乳剤、スミチオン乳剤を散布しましょう。

灰色カビ病の対処にはダコニールやカリグリーンなどの殺菌剤を使用します。