白い霞がただよう雰囲気の可憐なかすみ草(カスミソウ)。
日本で知らない人はいないのではないかと思うほど、ブーケや切り花、アレンジメントの名脇役です。
バラのような華やかさはありませんが、カスミソウを添えるだけでブーケやアレンジメントがパッと華やかな印象になります。
かすみ草は、花束作りに欠かせないと言えるでしょう。
最近ではカスミソウ一色のブーケも人気があり、花束だけでなく寄せ植えや庭植えにもできる万能な植物となっています。
今回はそんな名脇役、かすみ草の育て方や花言葉を紹介します。
かすみ草(カスミソウ)の基本情報
学名 | Gypsophila |
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英名 | Baby's breath・Gypsophila |
その他別名 | ベビーズブレス |
科名 | ナデシコ科 |
属名 | ジプソフィラ属 |
原産地 | アジア・ヨーロッパ |
かすみ草(カスミソウ)の特徴
かすみ草(カスミソウ)はナデシコ科の草花です。細かく枝分かれして、その先に多数の白い小さな花をつけます。
その姿はとても可愛らしく華やかです。
そのかわいらしさや可憐さから、さまざまな花言葉がつけられています。かすみ草の花言葉は以下の通りです。
- 無邪気
- 清らかな心
- 幸福
- 感謝
- 親切
開花した時の可憐な姿からそのような花言葉がつけられたといわれています。
また上記のの花言葉とは別に、ピンク色や白色など色別の花言葉もあります。かすみ草の花言葉を詳しく確認していきましょう。
かすみ草(カスミソウ)の花言葉
ピンク色のかすみ草の花言葉
ピンク色のかすみ草の花言葉は「感激」や「切なる願い」。
乙女心や女性のイメージのあるピンク色のかすみ草は、花言葉からもプレゼントに最適ですね。花言葉のとおりきっと感激するでしょう。
白色のかすみ草の花言葉
白色は「無垢な愛」や「感謝」を表します。愛する人や両親に対する気持ちなど、様々なシーンに合う花言葉ですね。
ちなみに花屋さんには赤や青、紫色のカスミソウもあります。しかしこれらの色のかすみ草は自然の色ではなく、色染めをしたものです。
かすみ草(カスミソウ)の風水
かすみ草は「イライラした心」を沈め、癒しをもたらしてくれると言われています。
寝室やトイレなど、落ち着いた心でいたい場所に飾るとよいでしょう。
かすみ草の活用方法
かすみ草は肥料を与えなくても、きれいな花が咲き手間がかからないメリットがあります。
花が咲いたら適宜切り取って花瓶にいける、ドライフラワーにして楽しむなども良いですね。
かすみ草の種類
かすみ草は、意外にも多くの種類があります。その種類はヨーロッパからアジアにかけて約125種類ほど。
大きく分けて一年草と宿根草(多年草の一種)の2つの種類があります。それぞれ花の咲き方も違います。主な咲き方の違いを紹介します。
一年草
一年草は発芽から花後まで一年しかもたない草花です。一年草のかすみ草は花が小さく一重咲きのものが主流です。
しかし中には、2㎝ほどの大きい花を咲かせる種類もあります。
一年草のかすみ草の中でも有名な品種は「エレガンス」や「ムラリス」です。
「エレガンス」は大正時代にウクライナ等から日本へ伝わったといわれています。「ムラリス」は鉢植えや庭植えとして使われています。
宿根かすみ草
宿根草は毎年花を咲かせる多年草で、小ぶりの花をより密に咲かせる特徴があります。
密集しながら無数の花を咲かすので、ブーケや切り花に人気です。花屋さんで見かけるかすみ草は、ほとんどが宿根かすみ草です。
切り花用に八重咲き品種が広く栽培されています。
宿根かすみ草は「ブリストル・フェアリー」や「レッド・シー 」という品種が有名です。
レッドシーは宿根かすみ草のひとつでピンクの八重咲の花を咲かせるのが特徴です。
かすみ草(カスミソウ)の栽培・育て方
かすみ草は日当たりのよい場所を好みます。水はけがよく日の当たるところで管理しましょう。
種類にかかわらず、かすみ草は高温多湿に弱いという特徴があります。水はけの良い用土に植え付けましょう。
また移植にも弱いので、鉢植えに植える際には大きめの鉢を使用するのがおすすめです。
耐寒性は強いので、冬越しの心配はいりません。
かすみ草を育てる上で、最大のポイントが日照時間。かすみ草は1日12時間以上日に当たらないと開花しません。
「日照不足でかすみ草の花が見れない」なんてことにならないよう気を付けてくださいね。
かすみ草(カスミソウ)の育て方情報
分類・形態 | 草花・一年草・二年草・多年草 |
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草丈・樹高 | 20cm~100cm |
開花の時期 | 5月~7月 |
花色 | 白・ピンク |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 花壇・切り花・鉢植え |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 2月・10月~11月 |
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植え替え | 2月~4月・10月~11月 |
肥料 | 3月~5月・10月~11月 |
開花 | 5月~7月 |
かすみ草(カスミソウ)の栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
地植えの場合、日当たりがよく風通しのよい場所に植え付けます。かすみ草は暑さに弱い植物です。
なので梅雨の時期から夏にかけては、明るい日陰へ移動させるか日よけを作ってあげると良いでしょう。
鉢植えで育てる場合はレース越しの窓際などがおすすめです。
また、かすみ草は1日12時間以上日に当たらないと花が咲きません。日よけを作りつつも日照時間を確保するように意識してください。
水やり
かすみ草は乾燥を好み、多湿を嫌います。そのため水やりは頻繁に行う必要はありません。むしろ多少乾き気味にしてあげましょう。
地植えのかすみ草は、植え付け後に水をたっぷり与えて、根付いてからは水やりの必要はありません。
夏場の乾燥が続いた時は、水やりを行ってください。冬の水やりも月に数回で大丈夫です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりを行います。水のあげすぎはかすみ草が枯れる原因のひとつなのでご注意ください。
用土
かすみ草は多湿を嫌う性質があります。なので用土は水はけが良く、肥沃な土を使うようにしましょう。
ホームセンターや園芸店にある、花・野菜用培養土などを使うのが手軽です。
肥料
かすみ草は、肥料を特別に与えなくても花を咲かせてくれます。
株を生長させるためには開花前と秋ごろの2回、肥料を与えるのが良いでしょう。具体的には3月~5月と、10月~11月に1度ずつ肥料をあげるのがおすすめです。
庭植えの場合は緩効性化成肥料を与え、鉢植えの場合は液体肥料を混ぜてあげてください。
温度
かすみ草は高温に弱いため、真夏の直射日光は気を付けましょう。寒さには強く霜が降りなければ、屋外でも管理できます。
かすみ草(カスミソウ)を育てるときのポイント
選び方
かすみ草は苗を購入して栽培するのが一般的です。しっかりした葉を持ち、茎がしっかり根付いていて太めなものを選びましょう。
苗を選ぶときには葉だけでなく、花の様子も確認する必要があります。
花の見た目が以下のものを選ぶのがおすすめです。
- 花がしっかりと開花しているもの
- 蕾から白い花が少しでも見えているもの
特に蕾から白い花が見えているのは、その蕾が開花する証拠です。逆に花や蕾が変色していたりするものは避けておきましょう。
植え付け
苗を植えつけるときは、水はけのよい土に植えつけるようにします。
市販の培養土とパーライトを9対1の割合になるように混ぜ、そこに植え付けていくようにしましょう。
剪定・切り戻し・収穫
かすみ草は5月から7月に開花するので、花が終わったら適宜、株の根元で切ります。
また3月頃から新芽が出てきますがその先を切ると、そこから枝分かれするため花数をふやせます。
かすみ草(カスミソウ)のふやし方
かすみ草は種まきと、挿し木・株分け・挿し芽でふやせます。
種でふやす方法
種でふやす場合は、春(3月頃)か秋(9月~10月)に種まきを行います。
発芽温度は約20度ですので、種をまく時期は9月から11月位までの暖かい時期が適しています。
種を準備できたら、種まき用の土に4〜5粒ずつまきます。基本的に約1週間ほどで発芽します。
発芽後は葉が5〜6本ほど生えてきたタイミングで、それぞれ鉢へと移し管理するようにしましょう。
挿し木でふやす方法
挿し木の場合は新鮮な芽を5cmほど切って、切り口を斜めにした状態で水に1時間ほどつけておきます。
それを鉢に移し、日陰で管理してから根付いたら希望の場所に植えます。増やす時期は5月前後がおすすめです。
気を付けるべき病気・害虫
病気
かすみ草(カスミソウ)がかかりやすい病気に「立枯病」があります。
この病気は、カビの一種で多湿状態が続くと発生するリスクが高まります。
予防はとにかく水はけをよく多湿にならないこと。発生してしまったら、その部分は早めに切除しましょう。
害虫
害虫はハダニの被害に遭いやすいです。こちらの予防も、風通しを良くすることと葉を乾燥させないこと。
葉に水を優しく吹きかけと予防になります。
春から秋にかけてアブラムシも発生しやすいので剪定をしておきましょう。
殺虫剤・殺菌剤
ハダニは乾燥に強く、水に弱いので、葉の表裏に水をスプレーする(葉水)と良いでしょう。
または市販の殺ダニスプレーやパイベニカVスプレーなども効果的です。
アブラムシにはベニカベジフルスプレーなどが効果的です。立枯病にはサンケイオーソサイド水和剤80が有効です。