グリーンカーテンにぴったり!フウセンカズラの育て方

フウセンカズラは緑色のかわいらしい実をたくさんつける、つる性植物です。

日差しに強く旺盛に成長し、葉も実も軽やかで涼しげなのでグリーンカーテンによく利用されています。
また、アレンジメントやリーズの素材としても人気です。

ここではフウセンカズラについて英名や花言葉、育て方からおすすめの仕立て方について紹介します。

フウセンカズラの基本情報

学名Cardiospermum halicacabum
英名Balloon vine・Heart seed
科名ムクロジ科
属名フウセンカズラ属
原産地北米南部

フウセンカズラの特徴

フウセンカズラの成長は早く、初夏に植え付けて盛夏には最大3~4mほどまで伸びます。
花は白色でかわいらしいのですが非常に小さく、観賞用としては少し目立たない感じです。

果実は緑色をしていて、果皮が薄くホオズキのような質感です。
ぷっくりと丸く軽やかな果実がまるで紙風船のようであることから、フウセンカズラ(風船蔓)の名がつきました。

和名だけでなく英名も「バルーンバイン」という風船にちなんだ名前です。

中には5mmほどの種が3個入っていて、黒地に白いハートのような模様が入っています。
この種の模様が別名の「ハートシード」の由来です。

種のハート模様は顔のようにも見えることから、ちりめん細工の人形の顔として用いられることもあります。

フウセンカズラの花言葉

花言葉の「一緒に飛びたい」「自由な心」は風船のような姿から想像されるものです。
「多忙」はたくさんの実をつけるようすがせわしなく感じられることが由来といわれます。

フウセンカズラの種類

フウセンカズラに園芸種はありませんが、日本で自生している近縁種があります。
また、形状や名前が似ていて間違われることの多い植物もあるので合わせてご紹介します。

コフウセンカズラ

沖縄周辺に自生するムクロジ科フウセンカズラ属の二年草です。
フウセンカズラが両性花(雌雄同花)であるのに対し、コフウセンカズラは雌雄別花です。

野花として道端や林縁などに生息しています。
見た目はフウセンカズラと非常によく似ていますが実の稜(かど)が立っているのが特徴です。

ノウゼンカズラ

中国原産のつる植物です。
夏にオレンジや赤の鮮やかな花を咲かせるため、庭木として古くから愛されています。

フウセンカズラとは名前が少々似ているので間違えられることがありますが、ノウゼンカズラはノウゼンカズラ科でまったく別種の植物です。

フウセントウワタ

フウセンカズラに似た実を付ける一年草で、つるではなくまっすぐ伸びた茎に花を付けます。
フウセンカズラと違い、実にやわらかいトゲがたくさん付いています。ガガイモ科の植物です。

フウセンカズラの栽培・育て方

フウセンカズラ日当たりと水はけのよい場所であれば問題なく育ち、手間もかかりません。
ただし、肥料を好むので施肥はしっかりしましょう。

つる性なのでネットやあんどんなどを用意してあげることも必要です。
成長が早いので早めに準備しましょう。

フウセンカズラの育て方情報

分類・形態草花・一年草
草丈・樹高1m~4m
開花の時期7月~9月(鑑賞期は7月~10月)
花色
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途つる性・暑さに強い
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け5月~6月
肥料5月~9月
開花7月~9月
収穫9月~11月(種採取)

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。
日差しにも強いのでグリーンカーテンとしても活躍します。

日差しを避けたい窓やベランダにネットを張り、這わせるようにして育てましょう。

水やり

乾燥気味を好むので過湿には注意が必要です。
地植えの場合は水やりは必要ありません。

鉢やプランターの場合は表土が乾いたらたっぷり水やりするようにしましょう。

肥料

あまり手がかからないフウセンカズラですが、成長が旺盛なため肥料をよく使います。

植え付け時には元肥として緩効性の化成肥量を施し、植え付け後は月に3回ほど液肥をうすめて施します。
液肥の代わりに化成肥料を置き肥してもよいです。

肥料は窒素の多いものだと葉ばかり繁って花が付きにくくなるので、リンカリ肥料を使用しましょう。

用土

水はけのよい土を使用しましょう。
鉢植えの場合は市販の草花用培養土で問題ありません。

温度

発芽温度は20℃~25℃、生育温度は15℃~30℃と高めなので、十分に暖かくなってから種まき・植え付けをします。

フウセンカズラを育てるときのポイント

種まき

5月ごろにおこないます。
フウセンカズラの種は皮が硬いので一晩水に浸けておくか、皮に小さく傷を付けてからまくと発芽が早くなります。

種は発芽率がよいので、そのまま植え付け箇所に蒔いても大丈夫です。

植え付け

寒さに弱ので5月中旬以降、しっかり暖かくなってから植え付けます。
苗の間隔は20cm~30cmです。
成長が旺盛なので根もどんどん大きくなります。

プランターや鉢の場合は深めのものを準備しましょう。
フウセンカズラは1本だけでは実がつきにくい性質があるので、2本以上植えるようにしましょう。

摘心

本葉が5枚ほどになったら茎の先端を摘み取ると脇芽が増え、枝葉が多くなります。
特にグリーンカーテンにする場合は脇芽が多い方が広い範囲をカバーできるので、きちんと摘心をおこないましょう。

仕立て方

フウセンカズラの代表的な仕立て方はグリーンカーテン、あんどんやオベリスク、フェンスに這わせるなどです。

巻きひげが短いため太い支柱だと巻き付けません。
支柱は細めにし、ネットは網目が10cm以内のものを使用しましょう。

また、成長が早いのでネットや支柱は早めに準備しないとつる同士が絡まってしまいます。

グリーンカーテン

摘心をしたあと出てきた脇芽は地面と平行に広げるように誘引すると、節ごとに脇芽が上に伸びてネットをきれいに覆います。

あんどん・オベリスク

成長が旺盛なので、大きめのもののほうが体裁がよくなります。
巻きつきやすいように下地としてネットを張ったり、麻ひもを渡したりするときれいに広がります。

種の収穫

10月ごろから収穫できます。
果実が茶色くなったら収穫して大丈夫です。

気を付けるべき病気・害虫

病気は特にありませんが、ハダニがつくことがあります。

葉ダニがつくと葉の緑色が抜けて見栄えが悪くなり、最悪は枯れてしまうこともあります。
葉を水で濡らしておくと付きにくくなりますがフウセンカズラは乾燥を好むので、予防殺虫剤を使用するとよいでしょう。

殺虫剤・殺菌剤

ビフェナゼート等が有効です。