ブライダルブーケとしても人気「イベリス」の栽培方法【育て方のポイントは冬越し?】

イベリスは地中海周辺が原産のアブラナ科の植物です。
愛らしい小花が集まって咲く姿が砂糖菓子のように見えることから別名「キャンディタフト」とも呼ばれています。

かわいらしい見た目だけでなく、甘い香りがすることも特徴です。
花つきがとてもよく、単体で植えても寄せ植えにしても見栄えがします。

イベリスの基本情報

学名lberis
英名lberis
その他別名屈曲花(マガリバナ)・Candytuft(キャンディタフト、砂糖菓子の意味)
科名アブラナ科
属名イベリス属
原産地南ヨーロッパ・北アフリカ・西アジア

イベリスの特徴

イベリスは太陽に向かって伸びる性質があります。

花言葉の「心をひきつける」は太陽にひきつけられるイベリス自身の姿に由来するものです。
和名のマガリバナもこの性質にちなんでいて、日の当たるほうへ茎が曲がっていってしまうためといわれています。

多年草と一年草の品種があり、多年草にはグランドカバーとして人気を集めている品種もあります。
花つきがよく株を覆ってしまうほどたくさんの花をつけるため、小さな花ながら華やかな印象です。

乾燥した地域が原産のためこまめな水やりの必要がないのもうれしいポイントです。

イベリスの種類

イベリス・センペルヴィレンス

白い花を咲かせる多年草イベリスの代表品種です。
とても丈夫で、日当たりのよい場所であれば特別な管理は必要ありません。

草丈が15cmほどと低く、這うように横に広がるためグランドカバーにも利用されます。
近年は「イベリス・ブライダルブーケ」の名称でも流通しています。

イベリス・アマラ

一年草イベリスの代表品種です。
白花で、甘い芳香があるのが特徴です。
他の品種より花穂が大きくボリュームがあります。

イベリス・オドラータ

白花で、アマラ種よりも芳香が強い一年草です。
ニオイナズナという別名でも呼ばれます。

イベリス・ウンベラータ

白だけでなく、濃淡のピンクや紫など花色が豊富です。
草丈が50~60cmまで育つため、切り花としても流通しています。

イベリスの栽培・育て方

イベリスは地中海周辺が原産のため乾燥気味の気候を好みます。

夏は蒸れないよう、風通しよく保つことが大切です。
小まめな水やりや肥料を必要としないのであまり手間がかからず、初心者でも育てやすい植物といえます。

一年草と多年草で少々特性が違うので、違いに気を付けながら育てましょう。

イベリスの育て方情報

分類・形態草花・一年草・多年草
草丈・樹高10cm~60cm
開花の時期4月~6月
花色白・ピンク・紫
耐寒性普通(一年草)~強い(多年草)
耐暑性強い
特性・用途常緑性(多年草の場合)・花期が長い
栽培難易度ふつう

栽培スケジュール

植え付け3月~4月・10月~11月
肥料3月~4月
開花4月~6月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりがよく、水はけのよい場所を好みます。
宿根草タイプは高温多湿に弱いので、風通しの良い場所が安心です。

水やり

春と秋は成長が旺盛なので、表土が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。
夏は蒸れないよう、早朝や夕方に水やりをします。
冬は夜の凍結を避けるため水やりは午前中に終えましょう。

肥料

肥料はあまり必要ありません。
一年草の場合は冬前にしっかり成長するよう、本葉が開いたら液肥を薄めたものを施します。

用土

市販の草花培養土で育てられますが、水はけをよくするため鹿沼土や軽石を2割程度混ぜるとよいでしょう。
多年草タイプには山野草用の培養土が向いています。

温度

生育温度は18℃~25℃です。

一年草タイプは耐寒性が少々弱いので、冬は株元をマルチングで防寒するとよいでしょう。
多年草タイプは耐寒性が強いので寒さ対策は必要ありません。
むしろ暖かい場所で冬越ししてしまうと翌年の花つきが悪くなる可能性があります。

冬は雪や霜を避け、10℃以下の場所で管理しましょう。

イベリスを育てるときのポイント

選び方

葉つやがよく、蕾がたくさん付いているものを選びましょう。

種まき

一年草の品種は秋まきで種から育てます。
ポット等にまいてもよいですが、太い根が1本まっすぐ生えるタイプなので植え付け時期が遅いと枯れてしまうことがあります。
直まきのほうが確実です。

植え付け

多年草の品種はポット苗で流通していることが多いので、花壇や鉢に植え付けます。
根が傷みやすいため根鉢は崩さずにそのまま植えましょう。

切り戻し(花がら摘み)

多年草のタイプは株を元気に保つため、花がらを刈り取りましょう。
多湿に弱いので、株元が過密になってきたら間引いてあげることも大切です。

鉢替え

多年草のタイプは秋になったら鉢替えをしましょう。
地植えは植え替えの必要はありません。

ふやし方

一年草のタイプは種、多年草のタイプは挿し芽や株分けで増やします。
種は秋まで保管しておき、秋にまきましょう。

挿し芽は5月ごろか9~10月ごろが適しています。

気を付けるべき病気・害虫

病気は灰色かび病にかかることがあります。
多湿が原因なので、風通しよく管理しましょう。

害虫はアブラムシやアオムシがつくことがあります。
見つけ次第、早い段階で殺虫剤で処理しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

灰色かび病にはクロチアニジン・フェンプロパトリン配合の薬剤が有効です。
アブラムシとアオムシにはオルトランが有効です。