
ルピナスはブドウのような房の花を、天に向かって咲かせるのが特徴の草花です。
花色もとても多くカラフルで、一つの花弁がグラデーションになっているものもあります。
咲き終わった花を切り戻せば、ワンシーズンに二回、三回と咲くのもルピナスの魅力です。
ルピナスの基本情報
学名 | Lupinus |
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英名 | Lupinus |
その他別名 | 昇り藤・逆さ藤・ハウチワマメ |
科名 | マメ科 |
属名 | ルピナス属 |
原産地 | アメリカ・地中海沿岸・アフリカ |
ルピナスの特徴
初夏に豪華な花をつけるルピナス。
冷涼な地域ではルピナスの花畑を観光名所としているところも多く存在します。
ルピナスの和名である昇り藤や逆さ藤は、ルピナスの天に向かって咲く見た目が由来となっています。
また、ハウチワマメという名前はルピナスの葉がうちわのように大きく広がることと、豆のような種子がつくことからつけられました。
ルピナスには貪欲、というちょっと変わった花言葉がついています。
ルピナスは肥料や水分の吸引力が強く、枯れた大地でも花を咲かせる繁殖力の強さから貪欲という花言葉がつけられたと考えられます。
黄色のルピナスにあてられている花言葉には、多くの仲間というにぎやかなものがあります。
黄色のルピナスの代表的な品種であるキバナルピナスは原産地では群生することが多く、たくさんの花をつける様子が見事だったことが由来しています。
甘い香りの黄色いルピナスが大地を彩る光景は一度見てみたいものですね。
ルピナスの種類
ルピナスは地中海沿岸、アメリカなどを原産としていて200種類くらいの品種があります。
一年草のものや多年草のものがありますが、日本では夏越しが難しく多年草の品種も一年草となることが多いです。
ラッセルルピナス
最もスタンダードなルピナスの品種です。
西日本などの暖かい地方での夏越しは困難ですが、冷涼な地域では多年草として毎年背の高い花を咲かせます。
キバナルピナス
鮮やかな黄色い花を咲かせる一年草の品種です。
甘い香りが人気で、地中海沿岸では食用としている地域もあります。
カサバルピナス
傘のような大きな葉が特徴の草丈の高いルピナスの品種です。
花の色はブルーと白の二ツートンカラーで涼し気な印象を与えます。
ルピナスの栽培・育て方
ルピナスは寒さに強い一方で、夏の多湿には弱いので日本のほとんどの地域では一年草という分類です。
しかし北海道などの冷涼な気候では群生地を作り、観光スポットとなっています。
このような場所では多年草として、毎年花を咲かせるのがルピナスの特徴です。
ルピナスの栽培のポイントは日当たりと水はけをよくすることです。乾き気味で管理すると花が長持ちします。
ルピナスの育て方情報
分類・形態 | 草花・多年草(暑い地域では一年草) |
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草丈・樹高 | 30cm~150cm |
開花の時期 | 4月~6月 |
花色 | ピンク・紫・黄色・白・オレンジ |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 花壇・鉢植え・切り花・食用 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 3月 |
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剪定 | 6月~7月 |
肥料 | 3月~4月 |
開花 | 4月~6月 |
収穫 | 7月 |
栽培に必要な準備・環境
夏の暑さに弱く、日本では一年草としての扱いが大きいルピナス。
日当たりと水はけをよくするのが育て方のポイントです。
まっすぐ根を伸ばす特徴があるので、植え替えをしないように注意しましょう。
日当たり・置き場所
ルピナスを管理する場所は、日当たりがよく風通しがいい場所が適しています。
多湿や暑さに弱いルピナスを長持ちさせるためには、周りの草を抜きすっきりさせておきましょう。
水やり
多湿が苦手なルピナスは乾き気味で管理しましょう。
土の表面が乾いてから水を与えるように注意します。
庭植えの場合はほとんど水を必要としません。
肥料
肥料を多くは必要としないので、植え付け時に元肥として緩効性の化学肥料を与えるだけで十分です。
肥料やけしやすいので、注意しましょう。
鉢植えの場合は、週に一度ほど液肥を与えます。
用土
水はけのいい園芸用土を利用しましょう。
庭植えにする場合は石灰などをまいて、土壌の酸性を中和してから植え付けます。
ルピナスを育てるときのポイント
ルピナスの選び方
ルピナスは種か苗で販売されていますが、初心者には苗で購入するほうが適しています。
株の根元から葉が多く出ているものを選びましょう。
苗を植え付けるときは、根が傷まないように気を付けましょう。
切り戻し
花が咲き終わった後の茎を根元からカットすることで、二回、三回と花をつけます。
種をつけると養分が吸われて弱ってしまうので、種を採取するとき以外はこまめに切り戻ししましょう。
増やし方
ルピナスは種で増やすことができます。
日本の暖かい気候ではほとんどの品種が夏越しできずに枯れてしまうので、毎年花を咲かせたい場合は種を収穫して秋にまきましょう。
花が咲き終わったあと、茶色く変色した房から種を取り出して秋まで冷暗所で保存します。
種をまく前に一晩、水を吸水させると発芽率が上がります。
芽が出たあとは半日蔭で管理し、水を切らさないようにしましょう。
芽が出たら日なたに移動します。
ルピナスの夏越し
日本の暖かい地域では高温や多湿によって夏越しが難しいと言われるルピナス。
しかしまったく不可能なわけではなく、鉢植えにして風通しのいい場所で管理すれば夏越しできることもあります。
枯れた葉をこまめに摘むことで、新芽が出てくる可能性も高くなります。
夏越しの成功した苗は翌年、より大きな花を咲かせることがあるのでぜひチャレンジしてみてください。
気を付けるべき病気・害虫
病気
病気に強いルピナスですが、水をあげすぎると根腐れをおこしてしまうので注意しましょう。
害虫
ヨトウムシがつきやすいので見つけたら除去しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
ヨトウムシなどの害虫がついていた場合は直接除去するのが効果的です。