ニチニチソウの育て方|種類と気を付けるべき病気・害虫

ニチニチソウは夏のガーデニングには欠かすことのできない草花です。

鮮やかで平べったいかたちの花をたくさんつけるニチニチソウは、毎日花を咲かせる特徴から日日草(ニチニチソウ)という名前が付けられました。

ひとつの花の開花期間は数日ですが、次々と花を咲かせるので春から秋にかけてずっと花を楽しむことが出来ます。

学校や公園などでもよく見かけるように、ニチニチソウはとても育てやすい植物です。

花言葉や栽培管理の方法を詳しくご紹介します。

ニチニチソウの基本情報

学名Catharanthus roseus
英名Madagascar periwinkle
その他別名ビンカ
科名キョウチクトウ科
属名ニチニチソウ属
原産地マダガスカル、インド

ニチニチソウの特徴

ニチニチソウには「楽しい思い出」や「友情」、「生涯の友達」などどこか学校生活を連想させるような花言葉が選ばれています。

毎日、絶えずに花を咲かせるニチニチソウのとてもにぎやかな見た目や、学校などの花壇でよく植えられていた特徴から友達に関連した花言葉がつけられました。

開いた花がいつも正面を向いているように感じさせる花姿も、笑顔のような印象を与えてくれます。

ニチニチソウの園芸品種には「ビンカ」という別名がついていることが多いのですが、これはニチニチソウとよく似た見た目をもつツルニチニチソウの学名です。

ニチニチソウとツルニチニチソウの花の見た目がよく似ていたことから、混同されて名前がつけられたようです。

二つの植物の違いは、ツルニチニチソウが這うようにツルで伸びていく特徴があるので簡単に見分けられます。

ニチニチソウにはわずかですが、全草に毒が含まれています。

さわるだけでは特に影響はありませんが、子供やペットなどが間違って口にしないように注意しましょう。

ニチニチソウの種類

ニチニチソウは園芸品種として、色々な種苗会社が品種改良を行っています。

草丈が高くなる「高性」、横に広がるタイプの「這性」、草丈が低くなる「矮性」があるニチニチソウの代表的な品種をいくつかご紹介します。

「サンダー」シリーズ

耐陰性や耐暑性が強いのが特徴で、花も大きくたくさんつくのでとても見ごたえのある品種です。

濃淡のあるピンクや赤など、多種多様な花の色を楽しむことができます。

「フェアリースター」シリーズ

極小輪の花をたくさんつける可愛らしい品種で、ブルーなどの珍しい花色があるのが特徴です。

「チュチュ」シリーズ

花びらの縁がフリルになっているのが特徴で、切り花としても楽しむことが出来る品種です。

「トコナツ」シリーズ

鮮やかな花色と、大きめの草丈が特徴の高性品種です。暑さに強く、株もしっかり張るのが魅力の品種です。

メディトレニアン

這性の品種でハンギングバスケットや寄せ植えに適している品種です。花も大きく魅力的です。

ニチニチソウの栽培・育て方

ニチニチソウは高温にも直射日光にも強い植物なので、夏のガーデニングにピッタリの草花です。

過湿には弱いので、蒸れないように注意して管理するのがポイントです。

また、肥料を与えすぎると根が弱ってしまうので控えめに施しましょう。

ニチニチソウの育て方情報

分類・形態一年草/草花
草丈・樹高10cm~80cm
開花の時期5月~10月
花色白、赤、ピンク、紫、ブルー
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途庭植え、鉢植え、公園、切り花、開花時期が長い
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け5月~7月
植え替え5月~7月
肥料5月~10月
開花5月~10月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

西日が当たる場所以外の、日当たりの良い場所で管理しましょう。

過湿には弱いので、水はけと風通しのよい場所を選びます。

泥はねによって病気になってしまうことがあるので、盛り土をしたりマルチングをすると効果的です。

水やり

過湿には弱いので、土の表面が乾いてから水やりを行いましょう。

庭植えの場合は、真夏以外は水やりの必要はありません。

用土

水はけのよい土を好みますので、市販の草花用土か赤玉土と腐葉土、ピートモスを5:3:2で混ぜ込んだものを使いましょう。

肥料

肥料成分が強すぎると根が傷んでしまうので、控えめに施します。鉢植えの場合は液体肥料を、庭植えの場合は元肥としてリン酸成分が少なめの化成肥料を与えます。

ニチニチソウを育てるときのポイント

選び方

春から夏にかけて、苗の状態で販売されていることが多いので葉が黄色くなっていないもの、茎が徒長しすぎていないものを選びましょう。

植え付け・植え替え

株と株の間を広くとって植え付けることで蒸れと過湿を防ぐことができます。

また、深植えにすると泥はねから病気になりやすいので浅めに植え付けましょう。

ニチニチソウは一年草なので、植え替えの必要はありません。

花がら摘み

ニチニチソウの花は枯れると落ちて、葉の上などで茶色く変色して病気を発生させてしまうことがあるので枯れた花はこまめに摘み取りましょう。

ふやし方

種まきで増やすことができますので、花が咲き終わったあとにできるさやごと採取した種を冷暗所に保管して、5月から6月にまいて増やしましょう。

種に直接、日が当たると発芽しなくなってしまうので種をまいた後は土をかけましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気:立枯病は毎年、同じ場所に植えることで発生しやすいので連作をしないように注意しましょう。風通しを良くすることも重要です。

害虫:アブラムシやハダニがつきやすいので、春から秋にかけては見つけたら薬剤を散布しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

害虫対策にはスミチオン乳剤やベニカ系のスプレー剤を使いましょう。