
八重咲の品種やフリルの品種など、色だけでなくその形状もバリエーション豊かなパンジーは今や冬の花壇の定番として至る所で見かけるかと思います。
そんなパンジーですが、に多様な花のビオラやスミレとの違いはご存じでしょうか。
この記事ではパンジーの代表的な品種やパンジー・ビオラ・スミレの違いについてご紹介します。
パンジーの基本情報
学名 | Viola x wittrockiana |
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英名 | Pansy |
科名 | スミレ科 |
属名 | スミレ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
パンジーとは?
パンジーは、スミレ科スミレ属の植物です。
パンジーの花期は10月~5月と長く、寒い時期でも次々と鮮やな花を咲かせます。
花の色もたくさんあり、黄、赤、オレンジ、ピンク、青、紫などの単色だけでなく、2色咲きや3色咲きのものもあります。
暑さや寒さに強く、花付きがよい丈夫なお花なので育てやすいのが特徴です。
パンジーとビオラは花の大きさによって区別されています。
現在は交配が進みやや定義が曖昧になってきていますが、花径が5㎝以上のものをパンジー、5㎝未満のものをビオラと呼んでいます。
スミレはパンジーやビオラの野生種ともいえるような存在で、日本国内だけでも50種類以上のスミレが自生しています。
園芸種であるパンジーやビオラと比べるとやや花は小ぶりですが、生命力が強くやせた土地でも繁殖することができます。
パンジーの種類
パンジー、ビオラはとても多くの品種がありますが、今回は花径が5㎝以上の花を咲かせる品種を中心に紹介します。
虹色スミレ
スミレという名前で売られていますが、パンジーの品種です。
虹色の名が指すように紫や青、黄色やピンクなど豊富なカラーバリエーションが人気の品種です。
色幅が豊富で、個体によって様々な色合いを楽しむことができます。
ミルフル
フリルがいっぱいの可愛らしい見た目が特徴のパンジーで、寒さに強く花数も多い品種です。
そのゴージャスな花姿は圧巻で、お店や自宅の玄関に飾ることで豪華な気分を味わうことができます。
ムーランシリーズ
ムーランシリーズは通常の花姿やフリルタイプなど様々な品種があり、黒い花やオレンジとブラウンのグラデーションカラーなど個性的な見た目が特徴の品種です。
ピカソシリーズ
定番のオレンジやイエローをはじめ、全16色のバリエーションがあります。
花径は8㎝と大輪でベーシックな見た目の品種です。
ビオラとは?
ビオラは、パンジーと同じスミレ科スミレ属の植物です。
パンジーと同様、開花期は10月~5月で、暑さや寒さに強く育てやすいのが特徴です。
ビオラの花の色は、以前はパンジーよりも種類が少なかったのですが、現在はオレンジや青、紫、赤、白などさまざまな色があり、2色咲き、3色咲きもあります。
すみれとは?
スミレは、スミレ科スミレ属の植物です。
開花期は3月~5月頃で、花の色は紫、ピンク、白などがあります。
スミレはパンジーやビオラと似ていますが、花の形に少し違いがあります。
スミレの花はラッパ型になっていて先が少しとがっていますが、ビオラやパンジーは幅が広く丸みを帯びていますので、見分けがつきやすいです。
パンジーとビオラの見分け方と違い
パンジーとビオラは同じ植物なのですが、便宜上花の大きさによって区別されています。
花びらの大きさが5センチ以上のものはパンジー、5cm以下のものはビオラと呼ばれています。
大きい方がパンジーで、小さい方がビオラと覚えておきましょう。
パンジーの栽培・育て方
パンジーは太陽が大好きな植物で、鉢植えでも地植えでも栽培することが可能です。
十分な日当たりがないと徒長や病害虫の被害が大きくなります。
日当たりと通気性がしっかりと確保できる場所で育ててあげましょう。
開花期が非常に長いため、適切な管理を行うことで秋~春の終わりごろまで長く楽しむことができます。
パンジーの育て方情報
分類・形態 | 一年草/二年草 |
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草丈・樹高 | 10~30㎝ |
開花の時期 | 10月下旬~5月中旬 |
花色 | 白、赤、ピンク、オレンジ、黄色、青、紫、黒、茶、褐色など多岐にわたります |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 弱い |
特性・用途 | 開花期が長い、初心者でも育てやすい |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 10月下旬~12月中旬 |
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植え替え | 10月下旬~12月中旬 |
肥料 | 11~4月 |
開花 | 10月下旬~5月中旬 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
太陽光を非常に好む植物ですので、日当たりとと通気性が十分確保できる場所で育ててあげましょう。
日光が不足するとひょろひょろとした力のない花姿になる可能性があります。
水やり
パンジーの生育期間は秋から春とやや冷涼~低温な時期になります。
そのため、午後に水やりを行うと夜までに乾かず根が霜でダメージを受ける可能性があります。
水やりはよく晴れた日の午前中に、土の表面が乾いたタイミングで水をあげるように心掛けましょう。
肥料
パンジーは長期間開花するので、多くの栄養分が必要です。
元毛として緩効性肥料を施用し、その後は固形肥料などで適宜追肥するようにしましょう。
用土
水はけが良く、通気性、排水性のよい土を好みます。
市販されている花用培養土を使用するか、赤玉土:腐葉土:牛ふん堆肥=6:3:1の配合で土を用意してあげましょう。
温度
パンジーは寒さに強いため、寒冷地以外ならば露地でも越冬することができます。
パンジーを育てるときのポイント
選び方
苗で購入する際は病気や虫の被害がないかをまず確認しましょう。
葉の緑色が濃く、茎が徒長していない苗が健康的な苗です。
蕾がたくさんついている苗を選ぶことで購入後も長く花を楽しむことが出来ます。
単から選ぶ際は、花壇の完成形をイメージして品種選びをしましょう。
種まき
パンジーの発芽手痕は20℃前後です。
8月後半から種まきはできますが、9月中旬~下旬頃が最も発芽に適した気温帯です。
あらかじめ湿らせておいた土に1㎝感覚で種まきをします。
まき終わったら薄く覆土を行い、種が流されないようにやさしく水やりをしましょう。
直射日光があたらない播種後風通しの良い場所で管理しましょう。
2週間ほどすると芽が生えそろってきます。
植え付け・植え替え
パンジーは日光が大好きな草花です。
日当たりが良く、風通しの良い場所で育てることでがっちりとした花姿になり、花もたくさん咲かせることができます。
剪定
成長して葉っぱが込み合うようになってきたら、少し剪定をして風通しを良くしてあげましょう。
また、咲き終わった花柄はこまめに摘んであげることで病気のリスクを減らすことができます。
増やし方
パンジーは花がらをしばらく放置することで結実します。
市販されているパンジーの品種は多くが交配種のため同じような花が咲くとは限りませんが、得られた種を乾燥させて保存することで翌年も使用することができます。
気を付けるべき病気・害虫
通気性が悪く過湿気味になると、灰色かび病が発生しやすくなります。
気温の低い時期は水が乾きにくくなるので、できるだけ午前中に水やりをするように心がけましょう。
春になるとナメクジやアブラムシが発生しやすくなります。
見つけ次第駆除しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
ベニカXガード粒剤、ベニカXファインスプレー、ナメナイト