ペチュニアの種類と育て方・栽培方法と切り戻しのコツ|花言葉は「心の安らぎ」

春から秋の長い期間、次々と色鮮やかな花を咲かせるペチュニア。

鉢からあふれる出るほどに沢山の花をつけ、こんもりと茂る姿が魅力的です。
今回は、丈夫で、初心者にも育てやすい人気の植物、ペチュニアの育て方についてご紹介します。

ペチュニアの基本情報

学名Petunia
英名Petunia
その他別名ツクバネアサガオ(衝羽根朝顔)
科名ナス科
属名ツクバネアサガオ属(ペチュニア属)
原産地南アメリカ中東部亜熱帯~温帯

ペチュニアの特徴

成長が早く、株いっぱいに美しい花を咲かせるペチュニア。

薄い花びらは繊細でやさしい印象を与え、満開時にびっしりと花がつく姿はとても華やかです。
春から秋まで長く咲き続けるので、花壇や鉢植え、ハンギングを彩る、必須の植物として、多くのガーデナーに愛されています。

ペチュニアは品種改良が盛んで、種類がとても豊富です。
花色はピンク、白、紫、黄、とバラエティに富み、咲き方も定番の一重咲きに加え、フリル咲き、八重咲き、と実に様々。

毎年のように新しい品種が出ているので、選ぶ楽しみが広がります。
草姿は、こんもり茂る、広がりの少ないタイプや、這うように広がり、垂れるタイプなどあります。
一緒に植える他の植物や植える場所を考えて選びましょう。

ペチュニアの花を長くきれいに咲かせるポイントは、開花中の追肥と摘心・切り戻しにあります。
コツをつかめば初心者でも沢山の花を咲かせることができますので、ぜひ挑戦してみましょう。

ペチュニアの種類

ペチュニアには大輪、中輪、小輪あり、園芸品種は500を超えると言われるほど多様です。
代表的な種類を紹介します。

「バカラ」シリーズ

花弁が厚く、雨による傷みに強い特徴があります。
中輪の品種。開花が早く、コンパクトな姿で咲きます。
花色が豊富です。

「サフィニア」シリーズ

ペチュニアを一気にメジャーにした人気のシリーズ。
丈夫で、花つきがよく、花色が豊富です。

花びらが厚く、大輪、中輪とあります。
種をつけません。
ボリュームが出るので、ハンギングにも向いています。

「ファンタジー」シリーズ

小輪花のシリーズです。

ペチュニアの栽培・育て方

日当たりと水はけの良い場所が適しています。

泥はねに弱いので、鉢植えやハンギングなど地面から離れた場所に植えるのに向いています。
生育旺盛で、ぐんぐん育ちます。

花を長く咲かせるポイントは「摘心」と「切り戻し」です。蒸れを防いで、うまく育てましょう。

ペチュニアの育て方情報

分類・形態草花・一年草・多年草
草丈・樹高10~30㎝
開花の時期3月~11月
花色赤・ピンク・青・紫・白・黄・複色
耐寒性やや弱い
耐暑性普通
特性・用途開花期が長い・鉢植え・花壇
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月~5月
剪定6月~7月
肥料3月~11月
開花3月~11月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりが良く、風通しの良い場所が適しています。
泥はねが病気の原因になりやすいので、鉢を土の上に直接置くのを避けたり、少し高い場所に置くようにします。

庭植えの場合も同様で、マルチングをしたり、一段高くなった花壇に植え付けて、泥はねを防ぐようにします。

一般的に雨に弱い特徴があります。
品種改良が進み、強い品種も出てきていますが、花びらが雨にぬれると花が割けたり、シミができたりすることがあります。

鉢植えの場合は、特に梅雨時期など、なるべく雨がかからない場所に移しましょう。

水やり

土の表面が乾いたら、鉢底から水があふれるくらいたっぷりと与えます。
水やりの際、花びらにできるだけ水がかからないように気を付けます。

花びらが痛むことがあります。ペチュニアは夏の花です。
開花中水を切らさないようにしましょう。

肥料

ペチュニアは花の咲く期間が長いので、追肥が必要です。
液体肥料を1~2週間に一度、緩効性化成肥料を一カ月に一度与えます。

用土

市販されている、花用の培養土で問題なく育ちます。

配合する場合は、赤玉土小粒5:腐葉土3:酸性度調整済みピートモス2の割合で混ぜ合わせます。
水はけが良く、有機物に富んだ土が適しています。弱酸性の土を好むので、石灰などは施しません。

ナス科の植物なので、連作障害が出ます。地植えの場合、同じ場所に続けて植えないようにしましょう。

温度

ペチュニアは、品種によってはマルチングをしたり、室内に取り込むことで越冬しますが、寒さに弱く、冬には枯れてしまうことが多いです。

一般的に、毎年新しい苗を購入して植えつけます。

ペチュニアを育てるときのポイント

選び方

3月頃から苗が出回ります。
葉の色が良く、全体に元気があり、つぼみが沢山ついている苗を選びましょう。
株元がぐらぐらしているようなものは避けます。

植え付け

黄ばんだ葉や花がらを取り除いて植えつけます。
深植えにしないよう気を付けます。

ペチュニアは高温多湿に弱いので、梅雨時期に植えつけるのは避けましょう。

剪定・切り戻し

花がら摘み

開花中、花がらや枯れた葉をこまめに摘み取ります。
病気の予防になり、長く沢山の花を咲かせることができます。

毎日花がらを摘むのが大変な場合は、花がら摘みを兼ねて切り戻しを行いましょう。
風通しも良くなります。

葉が育ち、株元を覆うようになると病気になりやすいので、枝をすいたり、短く切って、風通しを良くします。
特に梅雨時期、株が混み合っていると、蒸れてカビが発生したり、腐ったりすることがあるので注意します。

ペチュニアを長く、沢山咲かせるコツは、「摘心」と「切り戻し」です。

摘心

植え付け約2週間後のタイミングで行います。

株の中央にある芽の先端を摘みます。

こうすることで、脇芽が伸びて、株がこんもりとなり、花の数が増やせます。

切り戻し

ペチュニアの花は伸びた枝の先につきます。

花が外側にしかついておらず、株元の葉がなくなってさみしい姿になってきたら、一度株元から10㎝ほど残して切り戻します。

切り戻して株を更新すると、再び沢山の花がつきます。
切り戻しのときに切る位置は、脇芽の5mmくらい上が目安です。

切り戻しのタイミングは、大きく2回あります。
春先に植えたら、梅雨に入る前が1回目のタイミングです。

全体の半分くらいに切り詰めて株を更新します。
これは梅雨時期の蒸れ対策も兼ねています。

その後、7月頃に再び満開になったら、真夏の8月中に2回目の切り戻しを行います。
そうすると、9月ごろにまた満開の状態を楽しめます。

植え替え・鉢替え

ペチュニアは生育が早く、鉢に根が回って、水が吸えなくなることがあります。
その場合は、大きめの鉢に植え替えを行います。

増やし方

種まきとさし芽で増やすことができます。

種まき

3月~5月、9月が適期です。
9月にまいたものは室内で冬越しさせ、春に植えつけます。

さし芽

3月~7月、9月~10月が適期です。
冬場は室内で管理する必要があります。

気を付けるべき病気・害虫

病気

灰色かび病に注意しましょう。

雨が続くと発生しやすくなります。
特に梅雨時期は注意しましょう。

花びらに褐色の小さなシミのような斑点ができたり、葉や茎に灰色のカビが生えます。
花がらや枯葉をこまめに取り除き、風通しをよくして予防しましょう。

害虫

アブラムシ、オオタバコガ、ハスモンヨトウに注意が必要です。

アブラムシは新芽や茎、葉について吸汁し、株を弱らせます。
ウイルス病を媒介するので見つけたら駆除しましょう。

オオタバコガ、ハスモンヨトウは、夏から秋にかけて、幼虫が蕾や花を食害します。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシの駆除には市販のスプレー剤などを使用します。