色鮮やかに咲く!キンセンカ(金盞花・カレンデュラ)の特徴と育て方・種まきの仕方

オレンジや黄色といった温かみのある花色が特徴で、寄せ植えや切り花として人気のキンセンカ(カレンデュラ)。

比較的寒さに強いので、早春から初夏まで長く花咲きます。
今回はキンセンカについて、種まきの仕方や植え方など栽培方法を詳しくご紹介します。

キンセンカの基本情報

学名Calendula officinalis
英名Pot marigold
その他別名金盞花(キンセンカ)・ポット・マリーゴールド・カレンデュラ
科名キク科
属名キンセンカ属(カレンデュラ属)
原産地地中海沿岸

キンセンカの特徴

マリーゴールドのように鮮やかな黄色やオレンジ色で咲くキンセンカ(カレンデュラ)は、花壇や鉢植え、寄せ植えに人気の植物です。
本格的な開花シーズンは春ですが、耐寒性が強い特徴があり、寒い時期から苗が出回ります。
暖地では特別な冬越し対策が必要なく、初心者でも育てやすい植物と言えるでしょう。

キンセンカの原種は地中海沿岸地域に約20種ほどが分布しており、なかでもトウキンセンカと言われるカレンデュラ・オフィシナリス種が日本で主に栽培されているキンセンカです。
花の大きさや色、咲き方などが異なる園芸品種が沢山あります。

キンセンカのもう一つの種、別名ホンキンセンカと呼ばれるカレンデュラ・アルベンシス種は日本に江戸時代に渡ってきたとされるもので、2㎝ほどの小さな花が一株に沢山つく特徴があります。
アルベンシス種は耐寒性が強いので、うまく育てれば、冬から春の長い期間開花し続けます。

なお、キンセンカは食べることのできる花、エディブルフラワーとしても知られています。
食用として利用する際は、農薬不使用の種から育てるようにしましょう。

キンセンカの種類

キンセンカの代表的な園芸品種をご紹介します。

冬しらず(和名:ホンキンセンカ)

名前の通り、冬の寒い時期にも花を咲かせます。
花の直径は2㎝ほどで、開花期間が長いです。

カレン

直径3㎝ほどの小さな花を沢山つけます。
花壇にも切り花にも向きます。

中安

草丈が高い品種です。
切り花に利用されます。

フィエスタ・ギタナ

草丈20㎝ほどの矮性種です。

スノープリンセス

ホワイトカラーのキンセンカです。
草丈30~50㎝程で、切り花にも向きます。

キンセンカの栽培・育て方

日当たりと水はけの良い場所で育てましょう。
とても丈夫な性質をもっているので、地植えしてにしまえば、根付いた後は水やりも必要なく、放任していても花を咲かせます。

キンセンカの育て方情報

分類・形態草花・一年草・多年草
草丈・樹高10~60㎝
開花の時期12月~5月
花色黄・オレンジ・複色
耐寒性強い~やや強い
耐暑性弱い~やや弱い
特性・用途花壇・鉢植え・コンテナ
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け9月下旬~4月
植え替え9月下旬~4月
剪定適宜
肥料9月下旬~4月
開花12月~5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと水はけの良い所が適しています。
日が当たると花が開く性質があるので、開花期はしっかり日に当ててあげましょう。

水やり

鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るほどたっぷりと水やりします。
過湿状態が長く続くと根腐れを起こすので、水のやりすぎには注意します。

地植えの場合、植えつけの際は水やりを行いますが、根付いた後はほとんど必要ありません。

肥料

鉢植えの場合、植えつけの際に緩効性肥料を元肥として施します。
追肥は、月に1回のペースで液体肥料を与えると良いでしょう。

地植えの場合、植えつけ時に元肥として堆肥と緩効性肥料を施します。
その後、追肥はほとんど必要ありません。

用土

鉢植えの場合、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
配合する場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜ合わせます。

地植えの場合、植える場所をよく耕し、元肥をしっかりすき込んでおきます。
弱アルカリ性の土を好むので、植えつけの2週間前までに苦土石灰をまいて酸度を調整しておきます。

温度

耐寒性が強く、戸外での冬越しが可能です。
ただし、強い寒風が吹きつけたり、強い霜が降りる寒冷地では対策を行いましょう。

冬にも花が咲きますが、本格的な開花シーズンは春です。
暖かくなると次々と花が咲きます。
暑さには弱く、夏には枯れてしまいます。

キンセンカを育てるときのポイント

選び方

苗を購入する際は、葉の色つやが良く、元気なものを選びます。
下葉が枯れているもの、病害虫の跡があるもの、株元がグラグラしているものは避けましょう。

種まき

キンセンカは比較的簡単に種から育てることができます。
種まきの適期は9月~10月です。

発芽の適温は20℃前後なので、暑い夏が終わってからまきましょう。
寒冷地では春にまくことも可能です。

種はポットに直まきします。
ポットに培養土を入れて、人差し指大の穴をあけたら、そこに2~3粒ずつ種をまきます。
1㎝ほど土で覆い、最後にたっぷりと水やりします。

5~10日後に発芽するので、本葉が出たら元気な芽を残して一本に間引きます。
本葉4~5枚になるまで育てて、鉢や花壇に定植しましょう。
植え付け場所に直まきして育てることも可能です。

植えつけ・植え替え

キンセンカは秋~春に植えつけることができます。
種から育てた苗、または購入してきた苗を用意し、鉢または花壇に植えつけます。

株間は20㎝ほど取ります。
キンセンカは根がまっすぐに伸びて育つ、直根性の植物です。
根を傷つけるとうまく育たないことがあるので、植えつけの際は根を傷つけないように注意しましょう。

剪定

開花期間が長いので、花が咲き終わったらこまめに花がら摘みをしましょう。
病害虫の予防になります。

また、花がらを早めに摘んで種をつけないようにすると、長い期間次々と咲く花を楽しめます。

花数を増やしたいときには摘心を行います。
花の蕾が付く前の早い時期に、本葉10枚になるまで待ってから、中心にある茎を切り取ります。
こうすることで、脇芽が伸びて株が横に広がり、ボリュームを持たせることができます。

ふやし方

種まきで増やすことができます。
花が咲き終わったら、そのままにしておきましょう。

種ができたら採取し、しっかり乾燥させて保存しておけば、翌年まくことができます。

気を付けるべき病気・害虫

病気

炭そ病、うどんこ病に注意してください。

炭そ病になると、葉に黒い斑点ができます。
うどんこ病は葉や茎にうどん粉のような白いカビが発生します。
どちらも症状が出たら、見つけ次第すぐに取り除きます。
日当たり、風通し、水はけを良くして予防しましょう。

害虫

アブラムシにお気をつけください。

殺虫剤・殺菌剤

キンセンカは比較的害虫が少ない植物ですが、アブラムシが発生したら市販の薬剤を散布して駆除します。