屋外で冬越し・年越しはできる?ポーチュラカの育て方・切り戻しのコツ

暑さに負けず、色鮮やかな花を咲かせるポーチュラカ。

丈夫な性質をもち、育てやすいことから、夏のガーデニングの定番植物となっています。
今回は、初心者でも失敗なしに栽培できるポーチュラカについてご紹介します。

ポーチュラカの基本情報

学名Portulaca oleracea
英名Potulaca
その他別名ハナスベリヒユ
科名スベリヒユ科
属名スベリヒユ属(ポーチュラカ属)
原産地南北アメリカを中心に熱帯~温帯に広く分布

ポーチュラカの特徴

夏のガーデニングに欠かせない植物、ポーチュラカ。

日本で栽培が広がったきっかけは、1990年に大阪で開催された「国際花と緑の博覧会」でした。
暑い夏の間、最小限の手入れでカラフルな花を次々に咲かせることが知られ、あっという間に全国に普及しました。

その一方で、寒さには弱く、日本の戸外では冬越しすることはできません。
本来多年草ですが、一年草扱いされることが多いです。

ポーチュラカはとても生育旺盛。
地面を這うようにぐんぐん成長するので、グランドカバーとして利用することもできます。
雑草が生える夏の間、役に立ってくれそうですね。

ポーチュラカの花の特徴

ポーチュラカの魅力は、なんといっても花の可愛らしさにあります。
赤、黄、オレンジ、ピンク、と花色が豊富で、カラフルな花が次々と咲く様はとても賑やかです。

花の咲き方は一重咲きが基本ですが、品種によっては八重咲き、絞り咲きなどもあります。
花は日が当たると開きます。

朝咲いて、午後にはしぼんでしまいますが、すぐに次のつぼみができて途切れなく咲くので、見ていて飽きることがありません。
花を長く沢山咲かせるコツは切り戻しです。伸びすぎた枝を切っってあげると、長い期間楽しむことができます。

ポーチュラカの葉の特徴

ポーチュラカの葉は、ヘラのような独特の形をしています。
ぷっくりとした厚みとツヤがある、多肉質です。

葉や茎は水分を蓄えることができ、乾燥に耐えることができます。
多少水やりを忘れても、強い西日が当たっても、この葉や茎のおかげでポーチュラカは枯れずに元気なままなのです。

ポーチュラカの種類

マジカルキューティー

葉に斑が入り、ピンクがかった色をしています。
濃いピンクの花が咲きます。個性的な品種です。

八重咲きポーチュラカベビーピンク・ベビーホワイト

小輪八重咲きのポーチュラカです。
ポーチュラカの強い性質はそのままに、直径2.5~3㎝の可愛らしい、小さな花をつけます。

キャンディーブーケシリーズ

開花時間が長い品種です。
花が沢山つき、株にボリュームが出て、自然と姿がまとまります。

ポーチュラカの栽培・育て方

日当たりと水はけの良い場所で育てます。

乾燥に強いので、他の植物が弱ってしまうような西日が当たる場所でも、元気に育ちます。
庭植えにしてしまえば水やりが必要なく、初心者でも失敗なく育てられます。

ポーチュラカの育て方情報

分類・形態草花・多年草・一年草扱い
草丈・樹高10~15cm
開花の時期5月~10月
花色白・赤・ピンク・オレンジ・黄・紫・複色
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途開花期が長い・グラウンドカバー・ハンギング・花壇・鉢植え
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け5月~8月
植え替え5月~8月
剪定6月~8月
肥料5月~10月
開花5月~10月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所が適しています。
西日が当たる場所でも大丈夫です。

庭植えの場合、水はけのよい場所を選びます。
地面より土を高く盛った花壇に植えつけるといいでしょう。
乾燥に強い性質上、ハンギングにも向きます。

水やり

鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、鉢底からあるれ出るほど、たっぷりと水を与えます。
ただし、過湿に弱く、水をやりすぎると根腐れを起こすので注意します。
多少乾燥させても枯れません。

庭植えの場合、水やりは基本的に必要ありません。
自然に降る雨だけで大丈夫です。

肥料

元肥として、緩効性化成肥料を施します。

鉢植えの場合、さらに緩効性化成肥料を月一回追肥します。

庭植えの場合、元肥以外の肥料は必要ありません。

用土

水はけのよい土が適しています。

鉢植えの場合、市販の培養土で問題なく育ちます。
土を配合する場合は、赤玉土(中粒)5:腐葉土3:酸性度調整済ピートモス2の割合で混ぜ合わせます。

庭植えの場合は、土をよく耕し、地面より高めに土を盛るとよいでしょう。

温度

夏の暑さによく耐えます。
乾燥にも強く、夏越しに特に対策は必要ありません。

寒さには弱く、冬には枯れてしまいます。
冬越しさせる場合は日の当たる暖かい室内に置く必要があります。

ポーチュラカを育てるときのポイント

選び方

葉にツヤがあり、株元がしっかりした、元気な苗を選びます。
花色が豊富なので、ラベルや蕾でよく確認しましょう。

植え付け・植え替え

植え付けは5月~8月が適しています。
8月中旬までには植えて、夏の間大きく育てましょう。

ポットからそっと苗を取り出したら、根鉢をくずさず植えつけます。
植えつけたら水やりします。
しっかり根付くまでは乾燥させすぎないようにします。

鉢植えの場合、7月~9月に肥料を与えていてもあまり成長していないときは根詰まりが起きていると考えられます。
一回り大きな鉢を用意し、植え替えを行いましょう。

剪定・切り戻し

花を沢山つけるためには、6月~8月に切り戻しを行います。

花は枝先につきます。
枝だけが伸びて、花つきが散漫になったタイミングで切り戻しましょう。
伸びた枝の半分程度の長さを目安にし、新芽が出ている少し上の部分を切ります。

こうすることで、新芽の成長が促され、花の数が増えます。
1~1.5カ月に一回切り戻しをするときれいな見た目が保てるでしょう。

また、生育旺盛なので、必要以上に広がってしまった場合は、適宜剪定を行います。

増やし方

挿し木と種まきで増やせます。

挿し木

5月~10月が適しています。
茎を5~10㎝切り取り、下の方の葉を取ります。

培養土に切り口を下にしてさしておくと、簡単に根が出ます。
切り取った茎を水にさしてしばらく置き、根が出たのを確認してから土に植えてもかまいません。

根が出るまでは10日ほどかかります。
発根するまではこまめに水をやりましょう。
本葉が出たら、植え替えます。

種まき

気温が上がった5月~6月が適しています。(発芽温度:20~25℃)

種まき用土に種をまいたら、土で覆わずに芽を出させます。
あまり日が当たり過ぎない場所で管理し、じょうろや霧吹きで優しく水を与えます。]

土が乾ききってしまわないように注意しましょう。本葉が5枚程度出たら植え替えます。

気を付けるべき病気・害虫

病気

特にありません。

害虫

特にありません。

殺虫剤・殺菌剤

特にありません。