暑い夏に咲くホウセンカ(鳳仙花)の育て方【植え方、花言葉、種のはじけ方】

暑い夏、たくましく鮮やかに咲くホウセンカ(鳳仙花)。種から簡単に育てることができます。

小学校の理科で植物観察の教材に選ばれることもあり、親しみがある人も多いのではないでしょうか。

今回は、初心者でも育てやすい丈夫なホウセンカについて、花言葉などと共に紹介します。

ホウセンカ(鳳仙花)の基本情報

学名Impatiens balsamina
英名Rose balsam
その他別名鳳仙花・爪紅(ツマベニ、ツマクレナイ)
科名ツリフネソウ科
属名ツリフネソウ属(インパチェンス属)
原産地インド・マレー半島・中国南部周辺

ホウセンカ(鳳仙花)の特徴

ホウセンカ(鳳仙花)の名前の由来

ホウセンカの名前は、中国名の「鳳仙華」を音読みしたものです。

ホウセンカの華やかな花の姿に、中国における伝説の鳥、鳳凰が優雅に羽ばたく様をイメージして付けられたのでしょう。

ホウセンカは別名で「爪紅(ツマベニ、ツマクレナイ)」とも呼ばれます。

これは、ホウセンカの花びらをもんで、その汁で爪を赤く染めていたことに由来します。花遊びのひとつとして、実際にやってみるのも楽しそうですね。

ホウセンカ(鳳仙花)の花言葉

ホウセンカの花言葉は「私に触らないで」「短気」「心を開く」です。これらは、ホウセンカの種が勢いよくはじけ飛ぶ特徴からつけられています。

ホウセンカの種は、花が終わった後、茎の付け根にできる楕円形の実の中に入っています。

乾燥が進み、熟しきると、種は自然にはじけて周囲に飛び散ります。この様子が少しドキリとする花言葉につながっているのです。

ホウセンカの学名、impatiensはラテン語impatient(がまんできない、の意)に由来していますから、海外でもやはりこの種の飛び方が注目されているようです。

ホウセンカ(鳳仙花)が花を飛ばす理由

ホウセンカはなぜ勢いよく種を飛ばすのでしょうか。理由は、より多くの子孫を残すため、と考えられます。

同じ場所にまとまって落とすのではなく、バラバラの場所にまき散らす方が日当たりや栄養の面から、より多くの種が育つ可能性があります。

また、ホウセンカは連作障害が出る植物で、同じ土に翌年連続して育つことができません。より遠くに飛ばすことで、これを防いでいるのでしょう。

ホウセンカの種の採取は簡単にできます。夏に花を楽しんだら、秋にはぜひ勢いよく飛び出す種の様子を観察してみてください。

ホウセンカ(鳳仙花)の種類

プリンセスサクラ

日本で広く栽培されている、代表的な品種です。大きな一重の花を咲かせます。

草丈は60~80㎝と高めです。

カメリア・フラワード

草丈は60㎝ほどです。他の品種よりも花びらの数が多い、「八重椿咲き」の花を咲かせます。

トム・サム

草丈が20~30㎝ほどと小さいですが、大輪の花を咲かせます。

ホウセンカ(鳳仙花)の栽培・育て方

日当たりと風通しの良いところで育てましょう。丈夫な性質をもっているので、あまり手をかけなくても問題なく育ちます。

ただし、乾燥には弱いです。夏に咲く花なので、水やりを忘れずに行いましょう。

ホウセンカ(鳳仙花)の育て方情報

分類・形態草花・一年草
草丈・樹高30~60㎝
開花の時期6月~9月
花色赤・ピンク・白など
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途鉢植え・花壇向き
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月~5月(種まき)
肥料6月
開花6月~9月

ホウセンカ(鳳仙花)栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しの良い場所が適しています。半日陰でも育ちます。

連作障害が出やすいので、庭植えにする場合は、前年と同じ場所に植えつけないようにしましょう。

水やり

鉢植えの場合、土の表面が乾いたら鉢底から水があふれるほどたっぷり与えます。

乾燥には弱いので、水切れに注意しましょう。庭植えの場合、基本的に水やりは必要ありません。

自然に降る雨だけで大丈夫です。雨が降らず、乾燥する日が続いているようなら、水やりします。

肥料

植え付けの際に元肥を施します。追肥はほとんど必要ありません。

用土

あまり土を選びませんが、水はけがよい土が適しています。市販の培養土を用いれば、問題なく育ちます。

腐葉土

配合する場合は、赤玉土7:腐葉土3の割合で混ぜ合わせます。

温度

夏の暑さによく耐えます。冬の寒さには弱く、秋に枯れてしまします。

ホウセンカ(鳳仙花)を育てるときのポイント

種まき

種から簡単に育てることができます。こぼれ種から発芽するほどです。

移植を嫌うので、花壇や鉢に直まきして育てます。ポットに土を入れてまいてもかまいません。

種をまいたら、種が隠れる程度に土を軽くかぶせます。5~10日ほどで発芽します。(発芽温度20~25℃)

発芽後、元気な苗を残して間引きを行います。

植え付け

ポットに種をまいた場合は、本葉が2~3枚程度になってから植えつけます。根が傷まないよう、丁寧に扱いましょう。

植え付け後、たっぷり水を与えます。

剪定・切り戻し

特に必要ありません。

増やし方

種まきで増やすことができます。花が終わったら、翌年に向けて、種を採取しましょう。

開花後にできた鞘(さや)は、熟すと自然にはじけます。はじける前の鞘を見つけ、手で押し開き、種を採ります。

お茶のパックをかぶせるなどすれば、取りこぼしがないでしょう。

採取した種はしばらく乾燥させた後、封筒や瓶に入れて冷暗所で保管します。

気を付けるべき病気・害虫

病気

うどん粉病に注意しましょう。カビが原因です。

葉がうどん粉をまぶしたように白っぽくなります。

害虫

センチュウにお気を付けください。土の中で、根に寄生して養分を吸い取ります。

殺虫剤・殺菌剤

うどんこ病には、市販のスプレータイプの殺菌剤を散布します。

センチュウはマリーゴールドを嫌うので、コンパニオンプランツとして混植すると対策になります。