
ナズナは果実の形が三味線のバチに似ていることから「ぺんぺん草」や「しゃみせん草」とも呼ばれ、日本では道場などどんな場所でも生えている越年草です。
七草のの一つであるかつての日本では貴重な薬草としても知られていました。
今回はナズナの名前の由来や花言葉、育て方と食べ方まで紹介します。
ナズナの基本情報
学名 | Capsella bursa-pastoris |
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英名 | shepherd`s purse |
その他別名 | 薺・ペンペン草 |
科名 | アブラナ科 |
属名 | ナズナ属 |
原産地 | 中国 |
ナズナの特徴
ナズナはロゼッタ状の葉の中心から茎を伸ばしその先にたくさんの花をつけます。
花は4枚の白い花びらがあり直径3mmほどの小さな花です。
ナズナの名前の由来
ナズナの名前の由来は夏になると枯れることから「夏無(なつな)」や、撫でたいほどかわいい花であることから「撫菜(なでな)」など諸説あります。
西洋のshepherd`s purseは「羊飼いの財布」と訳され、ナズナのハート形の果実の形を昔羊飼いが使っていた財布の形に似ていることから名前がつけられたと言われています。
ナズナの花言葉
また、ナズナの花言葉の「あなたにすべてを捧げます」という言葉は、昔の羊飼いは家に帰ると財布を母や妻へ全て預けていた様子から「あなたを信用して全ておまかせします」ということから、花言葉がつけられたと言われています。
ナズナは春の七草のひとつ
その他にナズナは「春の七草」の一つであるという事でも有名です。
春の七草とはお正月にごちそうを食べすぎて疲れた胃腸を休めるために1月7日の新春の頃に芽吹く野草を入れた「七草がゆ」を食べ、その年の無病息災を祈る歳時記です。
この春の七草から「無病息災」という花言葉も付けられたとも言われています。
ナズナの食べ方
ナズナは青臭さが少なくタンパクな味わいではありますが甘みが強いことが特徴でサラダにも利用することもできます。
その他は基本的には全体的に細かく刻んで料理に使うか、茎や葉は湯がいてからおひたしや和え物に使用したりお味噌汁に入れることもおすすめです。
ナズナの種類
同じナズナ科ですがその他の品種は細かく属性が分かれています。
イヌナズナ
アブラナ科イヌナズナ属。
果実が長楕円形で先がくぼんでいません。
花の色は黄色です。
シロイヌナズナ
アブラナ科シロイヌナズナ属。
果実は長角果の形をしており、花は白色です。
花茎は10~30㎝ほどになります。
グンバイナナズナ
アブラナ科グンバイナズナ属。
果実が楕円形で先がくぼんでいることが特徴です。
葉の周囲がトゲのようにとがっています。
マメグンバイナズナ
アブラナ科マメグンバイナズナ属。
果実は円形か楕円形で先がくぼんでいることが特徴です。
葉の基部に茎がありません。
ナズナの栽培・育て方
ナズナは日当たりのいい場所を好みますが、暑さ寒さに強く環境や土壌を選ばずに、力強く生育します。
道端などでも良く見かけることができますが、自分で育てて料理に活用されてみてはいかがでしょうか?
ナズナの育て方情報
分類・形態 | 野菜・一年草 |
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草丈・樹高 | 10~50㎝ |
開花の時期 | 3月~6月 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 食用 |
栽培難易度 | やさしい |
栽培スケジュール
植え付け | 3月~4月・10月~11月 |
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肥料 | 9月~10月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
日当たりのいい場所を好みます。
真夏の場合は鉢植えであれば半日は日陰に移して管理しましょう。
地植えの場合も夏場の直射日光があまりあたらないように明るい日陰になる場所に植えましょう。
水やり
過湿を嫌うので、鉢植えの場合は土が乾いてから更に2~3日待って午前中に鉢底から水が出るほどたっぷり水をあげましょう。
地植えの場合は水やりは必要ありません。
肥料
肥料は不要ですが、花つきをよくしたい場合は肥料を与えましょう。
肥料は植え付けの時と9月~10月の秋ごろに緩効性化成肥料を数回施しましょう。
用土
水はけのよい土を好みます。
市販の草花用の培養土でも十分ですが、自分で配合する場合は赤玉土7、腐葉土3、パーライト1の割合で準備しましょう。
ナズナを育てるときのポイント
種まき・植え付け
ナズナの植え付けは3月~4月の春か、10月~11月の秋ごろが適しています。
鉢植えする場合は鉢底石をしき土を3分の2ほど入れ種をまきましょう。
その上から軽く土をかぶせて水をたっぷり上げることが大切です。
約一か月程度で発芽します。
増やし方
ナズナは挿し木と種で増やします。
挿し木は花が咲き終わった後の茎をカットし、バーミキュライトなどに挿しておきます。
夏場は暑さで根が出ないことがあるので9月頃まで待って気温が至ったん落ちついてから行い方が好ましいです。
しっかり根付くまで乾燥しないように水やりをおこないましょう。
種はナズナの花が枯れて茎が茶色になった頃に果実を半分に割ると中から種が出てきます。
気を付けるべき病気・害虫
害虫はアブラムシに気を付けましょう。
茎葉に寄生します。
殺虫剤・殺菌剤
食用として使用する場合は、効果が穏やかな野菜用の殺虫剤などを使用しましょう。
また予防として窒素肥料などは使わず風通しのよい環境で育てましょう。