カラフルなヒナゲシの花の花言葉や栽培のポイント

透けた和紙のような見た目のかわいらしいお花が風に揺らめくイメージのヒナゲシ。

赤、白、オレンジなど色とりどりの花が、花壇や道端を華やかにしてくれます。
ケシ科の一年草で、英語ではシャーレーポピーといいます。

ケシ科の植物をまとめてポピーと呼ぶこともあります。
ケシというと、その実から麻薬の成分であるアヘンが取れることで有名ですが、ヒナゲシなどの園芸品種はそのような成分はないので心配はいりません。

今回は、そんなヒナゲシの特徴や花言葉、栽培方法など詳しくご紹介します。

ひなげしの基本情報

学名Papaver rhoeas
英名Shirley poppy
その他別名雛芥子(ヒナゲシ)・虞美人草(グビジンソウ)・シャーレーポピー・コクリコ(フランス語)
科名ケシ科
属名ケシ属
原産地ヨーロッパ

ひなげしの特徴

ヒナゲシはヨーロッパの中部が原産の草花で、世界中で親しまれています。

花言葉は、「いたわり」「思いやり」「七色の恋」「感謝」「心の平静」「休息」「別れの悲しみ」などさまざまあります。

古代ヨーロッパでは、ヒナゲシなどの実が持ってる乳白色の液体に、眠気を誘う作用があるとされ、それが「心の平穏」「休息」という花言葉の由来となっているようです。

また、フランスやポーランドでは国花として愛されており、イギリスやカナダ等の国では11月11日の戦没者追悼記念日(リメンブランスデー)に、赤いポピー(のバッジ)を胸に付けるのが習わしとなっています。

ひなげしの種類

最近ではさまざまな種類のヒナゲシの園芸品種が流通しています。
花弁は4枚ある一重咲きヒナゲシや、八重咲きの品種も出回っています。以下に代表的な種類を挙げます。

シャーレーポピー

5月に開花を迎えるポピーで、日本でも世界でも、園芸種として種、苗として流通する主流のポピーです。
もともとは、イギリスのコーンウォール州シャーレー在住の牧師さんが育てたという品種です。
一重咲き、八重咲きがあります。

オリエンタルポピー

和名オニゲシ。
芍薬のような大ぶりの花が付きます。
さまざまな品種があり、花色は赤、白、ピンクなどがあります。
また、濃いオレンジ色のものは、丈夫で育てやすいといわれています。

利尻ヒナゲシ

北海道利尻島の自生している小ぶりのヒナゲシで、きれいな薄い黄色の花を咲かせます。
唯一日本に自生するヒナゲシです。

ひなげしの栽培・育て方

ヒナゲシは植え付け後は丈夫で、あまり手がかからないので育てやすい草花です。

欧米では、雑草のように扱われることも多く、繁殖力が優れています。
日本でも、日当たりがよい乾燥ぎみの場所なら、こぼれ種でもどんどん増えていきます。

ひなげしの育て方情報

分類・形態草花・一年草
草丈・樹高15~100cm
開花の時期4月中旬~7月中旬
花色赤・白・ピンク・オレンジ・淡い黄色・複色
耐寒性強い
耐暑性弱い
特性・用途開花期が長い(一つ一つの花の時期は数日だが蕾が次々に出てくるため)
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け2月~3月・10月~11月
植え替えしない
肥料2月~3月
開花4月中旬~7月中旬

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

ヒナゲシは日光を好むので、日当たりのよく風通しの良い場所に植え付けましょう。
湿度が苦手です。

水やり

乾燥を好むヒナゲシなので、庭植えでは降雨で十分で、水やりはほとんど必要ありません。
庭植えではほとんど必要ないでしょう。

鉢植えの場合は、土が乾いたら、水をあげてください。
ジメジメを嫌うので、水のやりすぎには注意します。

用土

鉢植えでも地植えでも水はけと酸性にならないようにすることが重要です。
酸性土壌の場合は、苦土石灰で中和しておきます。

市販の草花用培養土でもまったく問題ありません。

ひなげしを育てるときのポイント

ヒナゲシの選び方

葉が黄色くなっていない点、また蕾が多くついているものを選びましょう。

植え付け・植え替え

苗は、秋か春に、庭または鉢やプランターに植え付けます。
その際、根を崩さないよう注意します。

複数植えるときは、株間は余裕をもって、15センチ~20センチほど開けましょう。
ヒナゲシは直根性で、場所を移動するのを嫌うので、植え替えには不向きです。

剪定・切り戻し・収穫

花の寿命は短く、3~4日です。

花後に、花がらを摘み取ることで、種をつけることを防ぐことができます。
こまめ行うと開花期間を延ばすことができます。

ふやし方

ヒナゲシは、夏の前に寿命が終わってしまう、一年草です。
花が散ったあとに、真ん中に種ができます。
一つの花から多くの種を得ることができます。
それを保管しておき、9月から10月ごろに種まきを行います。

直根性で移植を嫌がるので、種を直まきするか、ポットに種をまいて育苗を行います。
環境が合っていれば、放っておいてもこぼれ種でふえていきます。

気を付けるべき病気・害虫

ヒナゲシが発芽したあと、苗立枯病にかかることがあります。

また、多湿の場所で育てたり、ジメジメの時期が続くと、灰色かび病にかかることがあります。

3月から5月に、アブラムシが葉などに付くことがあります。

殺虫剤・殺菌剤

病気を防ぐには、日当たりのよい場所で、風通しを良くしてあげること、水をあげすぎないことが大事です。

アブラムシは、春から秋によく観察し、発見ししだいベニカXファインスプレーなどの市販のスプレーで駆除する必要があります。