
枝豆は大豆が完熟する前に収穫した実を指します。
日本では奈良・平安時代頃から食用とされており、現在においても居酒屋の定番メニューとして我々の食生活に深く根差しています。
枝豆は畑の肉と呼ばれるほど野菜の中ではタンパク質が豊富です。
ビタミンB1やB2も豊富で野菜の中でも特に栄養価の高いものの一つです。
枝豆 栽培の基本情報
学名 | Glycine max |
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英名 | Soy beans |
その他別名 | ダイズ |
科名 | マメ科 |
属名 | ダイズ属 |
原産地 | 東アジア |
枝豆の特徴
枝豆は海外でも寿司や天ぷらと並ぶ代表的な日本食の一つとして認知されています。
日本食レストランなどでは大豆を表す「Soybeans」ではなく「Edamame」と表現されることも珍しくないようです。
枝豆のおいしさに加えてその栄養価が海外セレブの間で注目されたことがきっかけで普及したともいわれています。
そのまま茹でて食べても大変美味しいですが、フライパンで炒めることでより芳ばしさを楽しむことができます。
他にもサラダやてんぷらの材料として様々なアレンジ方法があります。
枝豆の種類
枝豆は莢の毛色によって白毛タイプと茶毛タイプに、種皮の色によって緑豆(一般種)、茶豆、黒豆に分けられます。
最近では独特の甘みと風味がある茶豆の人気が上昇しており、ずんだシェイクの原料として話題になっただだちゃ豆も茶豆の一種です。
枝豆の主要な品種は以下の通りです。
おつな姫
白毛の品種で粒が大きく収量の高い品種です。
食べると茶豆のような甘みと香りが口いっぱいに広がります。
丈夫で育てやすいのも特徴です。
夏の装い
甘み良し、香り良しの黒豆品種。
その風味と独特のモチっとした触感は一度食べると病みつきになります。
莢がパンパンに膨れ上がる一歩手前くらいが収穫のベストタイミングです。
サッポロミドリ
クセがなく好き嫌いが分かれにくい品種で、まさに「昔ながらの枝豆」といった品種。
創成が強く、極早生のため初心者でも育てやすい品種です。
とびきり
枝豆は1つの莢に平均2~3粒の実が付きますが、この品種は3粒の莢が多く取れることが特徴です。
たくさん収穫したいという方にはおすすめの品種です。
湯あがり娘
現在流通の枝豆品種で最もポピュラーな品種の一つ。
茶豆のような風味とその育てやすさが人気の品種です。
枝豆 栽培の栽培・育て方
枝豆は東アジアが原産の植物のため、日本の気候には適した野菜です。
温暖~やや冷涼な気候を好みますが、霜には弱いので日当たりが良く保水力のある場所を好みます。
マメ科の植物には窒素を固定する根粒菌が付着するので、肥料は他の野菜に比べてやや少なめで栽培します。
枝豆 栽培の育て方情報
分類・形態 | 一年草/野菜 |
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草丈・樹高 | 50~80㎝ |
開花の時期 | 6~9月 |
花色 | 紫・白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 食用 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 4~6月 |
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肥料 | 6~9月 |
開花 | 6~9月 |
収穫 | 6~10月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
枝豆は日当たりが良く、風通しの良い場所を好みます。
自宅の庭で栽培する際もなるべく建物の陰にならないように配置しましょう。
水やり
枝豆は乾燥に弱い作物です。
プランターで育てている場合は土の表面が乾いたタイミングで水をたっぷりとあげるようにしましょう。
地植えの場合、基本的に水やりは不要ですが、晴れの日が長く続いた場合は与えるようにしましょう。
特に枝豆の莢が膨らむ時期の水分は重要になってきます。
肥料
マメ科の植物である枝豆は根粒菌の働きによって自身で栄養を得ることができるため、肥料は少なめでも大丈夫です。
葉が黄色くなっていないか、草勢はおとなしくなっていないかを観察して追肥を検討しましょう。
用土
プランターで育てる場合は市販されている野菜用の培土で栽培することが出来ます。
地植えの場合、定職の2週間以上前には1㎡あたり100~150gの苦土石灰を施し、よく耕しておきます。
その後1週間前にはたい肥を1㎏、化成肥料を80~100g、過リン酸石灰を50gほど施用しよく耕しておきます。
苦土石灰と窒素分を含む肥料を同時にまくと化学反応によって窒素分がアンモニアガスとして消失してしまいます。
必ずタイミングはずらすようにしましょう。
温度
枝豆の生育適温は20~25℃で、やや冷涼~温暖な気候を好みます。
枝豆を育てるときのポイント
選び方
品種を選ぶ際は育てやすさや茶豆や黒豆など食べてみたい品種を考えてから選んでみましょう。
苗で購入する際は病気で弱っていないか、虫がついていないかをよく確認してから購入しましょう。
種まき
畑に直接まく場合もポットにまく場合も、直径4~5㎝・深さ2㎝程の穴に3~4粒まき覆土をします。
使用が開き始めたタイミングで間引きを行いましょう。
植え付け・植え替え
ポットまきの場合、種まきから10日~2週間ほどが定職の目安です。
枝豆は生育が早いので定職作業が遅れないように注意しましょう。
収穫
種まきから収穫までの期間は早いもので80~90日、遅いもので90~110日ほどです。
莢が黄色くなり始めると実が固くなり風味も損なわれるため、莢が膨らんで実が固くなる前が収穫のタイミングです。
株ごと引き抜くか熟した莢を潤に収穫しましょう。
気を付けるべき病気・害虫
アブラムシ、カメムシは見つけ次第駆除するようにしましょう。
植物の汁を吸うため、放置すると豆が大きくなれず腐ってしまう可能性があります。
ヨトウムシやマメシンクイガの幼虫は枝豆を直接食害します。
こちらも見つけ次第駆除しましょう。
防虫ネットの利用も一つの手です。
梅雨時期になるとべと病や斑点細菌病にかかりやすくなります。
早めの薬剤散布や通気性の確保に努めましょう。
殺虫剤・殺菌剤
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