
スターチスは切り花としてとてもポピュラーな植物で、花持ちもよくドライフラワーにも適した特徴をもっています。
小さなスカートのような花に見えるガクを茎の先端にたくさんつけるスターチス。
様々な花色があり、中にはひとつの小さな花の中にふたつの色が入っている珍しいものもあります。
スターチスは切り花としても、ドライフラワーとしても、また寄せ植えにしてもとても使い勝手が良い植物です。
栽培のポイントや温度管理について詳しくご紹介します。
スターチスの基本情報
学名 | Limonium |
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英名 | Statice、Limonium |
その他別名 | リモニウム、チース、ニワハナビ、花浜匙(ハナハマサジ) |
科名 | イソマツ科 |
属名 | イソマツ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
スターチスの特徴
"スターチスにはとても多くの花言葉がつけられています。
スターチス全般の花言葉には「変わらない誓い」や「途絶えぬ記憶」など、ドライフラワーにしやすいスターチスの性質からつけられたものがあります。
ドライフラワーにしても、花の色が変わらないことも特徴となっています。
花の色別にも花言葉が当てられていますが、どれもポジティブなものなので贈り物にもピッタリなスターチス。
4/18、5/7、11/17の誕生花がスターチスで、春から秋にかけて開花時期が長いスターチスの特徴から多くの日付が当てられています。
スターチスはドライフラワーにも花束にも適した植物ですので、作り方について簡単に解説します。
スターチスのドライフラワーを作るには、切り花としてカットしたスターチスの細い葉を取ってから風通しの良いところに逆さまつるしたり、水を入れずに花瓶に生けたりして乾燥させます。
風通しの良い場所でなければ、匂いが強くなってしまうので注意しましょう。
ドライフラワーにしても、花の色は大きくは変わりませんが長いこと楽しむと色褪せてしまうことがあるので、できるだけカラフルな色を取り合わせてドライフラワーにするとよいでしょう。
スターチスとともに他の植物もドライフラワーにする場合は、できるだけ乾燥しやすいバラや千日紅、カスミソウなどを選ぶといいでしょう。
100均などに販売されているリースにスターチスを巻いてドライフラワーリースを作るのもおすすめです。
リースにする場合は、乾かさずに生花を巻き付けて、飾ると同時に乾かすことができます。
乾燥した花でリースを作ると、折れやすいので注意しましょう。
スターチスを花束にする場合は、ドライフラワーと異なりスターチスメインではなく添え花として使った方が見栄えが良くなります。
バラやガーベラ、カーネーションなどメインとなる植物に合わせたスターチスの色を選ぶとよいでしょう。
メインとなる花の間を埋めるように、スターチスを配置していくのがポイントです。
スターチスの種類
スターチスには全世界で150種類ほどが存在していて、日本でも色々な品種のスターチスを手に入れることができます。
代表的な品種について、いくつかご紹介します。
ハイブリッド種
園芸品種に適した特徴を、品種改良によって得た品種がハイブリッド種です。花持ちが長い、花弁が大きく鮮やか、茎が枝分かれしてボリュームが出る、などの特徴をもっています。
シヌアツム種
ミックス種として売られていることの多い品種で、一年草で花色が多いのが魅力です。
ベリディフォリウム
宿根スターチスという商品名で販売されていることが多い品種で、ヨーロッパからシベリアの広い範囲に自生する多年草のスターチスです。
スターチスの栽培・育て方
スターチスは乾燥した風通しのよい場所で自生しているので、栽培環境も日当たりのよい場所を選びましょう。
日本の高温多湿には弱いので、梅雨の時期は雨が当たらないように注意することが栽培のポイントです。
また、宿根スターチスは冬場の温度管理に気を付けましょう。
スターチスの育て方情報
分類・形態 | 宿根草/草花 |
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草丈・樹高 | 20cm~150cm |
開花の時期 | 5月~7月 |
花色 | 白、赤、青、黄色、紫、ピンク |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 切り花、ドライフラワー、寄せ植え、花持ちがよい、開花期間が長い |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 10月~11月、3月~4月 |
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植え替え | 10月~11月 |
肥料 | 10月~11月 |
開花 | 5月~7月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
スターチスは日当たりのよい場所を好みますが、直射日光には弱いので夏場は木陰や半日かげなどに置きましょう。
梅雨の雨に当たって高温多湿になってしまうと、病気を発生しやすいので注意します。
水やり
乾燥した状態を好みますので、水やりは土の表面がしっかり乾いてから与えましょう。
地植えの場合は水やりはほとんど必要としません。
肥料
大量の肥料を必要とはしませんので、秋の植え付け時に元肥として緩効性の化学肥料を与えましょう。
窒素成分が多すぎると、徒長した苗になってしまうので注意が必要です。
鉢植えの場合は、春にも液体肥料を与えましょう。
用土
水はけのよい土を好むので、市販の園芸用土か赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたものを使いましょう。
庭植えの場合は、植え付ける前に石灰を撒いて土壌の酸性度を中和しておきます。
温度
スターチスは耐寒性がないので、日本の気候では冬越しが難しい植物です。
暖かい地方では冬越しができることがあるので、霜を避けて根元をワラなどで保温するなど温度管理に工夫して冬越ししましょう。
室内に取り入れる場合は、15℃以下の温度が続かないと花が咲かなくなってしまうので暖房などで暖め過ぎないように注意します。
スターチスを育てるときのポイント
植え付け・植え替え
秋か春の時期に苗を水はけのよい場所に植え付けます。
寒い地方では春に植え付けをしましょう。
根を切られると弱ってしまうので、慎重に植え付けましょう。
庭植えにする場合は、苦土石灰を1週間前に施しておきましょう。
スターチスは一年草ですが、宿根スターチスも近年では販売されています。
宿根スターチスは、毎年花を咲かせるので春か秋に一回り大きい鉢に植え替えを行いましょう。
ふやし方
スターチスは種まきで増やすことができます。
採取した種を9月から10月に、赤玉土かバーミキュライトにまいてふやします。
霜が降りるような場所では、温室や室内にいれて冬越ししましょう。
スターチスの種には毛が生えていて、採取した種をそのまま撒くと発芽率が悪くなってしまいます。
赤玉土などの種まき用土にしっかりと混ぜ込んで、毛を落とすようにして種まきをしましょう。
発芽するまでは、直射日光に当てないようにしましょう。
土が乾いたら水やりを行い、暖かくなって葉が数枚ほど出てきたら移植します。
移植の際に、根を傷つけないよう注意しましょう。
気を付けるべき病気・害虫
病気:立ち枯れ病が発生しやすいので、風通しをよくして枯れた葉を取り除くなどして予防します。
害虫:アブラムシが春から秋にかけて発生することがあるので、見つけ次第、市販の薬で退治しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
アブラムシにはスミチオン乳剤やマラソン乳剤が適しています。