甘い香りの春の花「ストック」の育て方【花言葉・見頃の季節は?】

すらりと伸ばした茎に、ひらひらした華やかな花を沢山咲かせるストック。

甘い香りがあり、春の花壇や切り花に人気の植物です。
今回は、比較的育てやすいストックについて、植え方や育て方など栽培方法を詳しくご紹介します。

ストックの基本情報

学名Matthiola incana
英名Stock
その他別名アラセイトウ
科名アブラナ科
属名アラセイトウ属
原産地南ヨーロッパ

ストックの特徴

春のガーデニングに人気の花、ストック。ストックの仲間は、南ヨーロッパをはじめ、北アフリカ、西アジアなどに分布するものが約50種ほど知られています。

現在日本で栽培されているのは、ほとんどが一年草の「マッティオラ・インカナ種」。
「マッティオラ」はイタリアの植物学者、マッティオリ氏の名前に由来しており、「インカナ」は「灰白色」という意味です。
ストックの茎や葉に細かい毛が生えていて、灰白色をしているのでこの名前がつけられました。

ストックは、すらりと伸ばした茎に、2~3㎝ほどの、ひらひらとした華やかな花を沢山つけます。
草丈は20㎝~80㎝ほどと品種によって幅広く、背の高いものは花壇に植えると豪華で見ごたえがあります。
基本種は一重咲きですが、八重咲きのものが人気があるため、販売されている苗はほとんどが八重咲きになります。

花色は黄、白、紫、ピンク、とバラエティ豊か。花には香りがあり、春の切り花としても活躍します。

ストックの種類

ストックには沢山の園芸品種があります。
代表的なものをご紹介します。

「キスミー」シリーズ

草丈が15~25㎝程と小型の品種で、花壇向きです。
赤、白、ピンク、紫などの花色があります。

「ビンテージ」シリーズ

草丈30~50㎝程の、花壇向け矮小品種です。
ふわっとした柔らかい印象の花を咲かせます。
紫、ピンク、クリーム色など花色が豊富です。

「ベイビー」シリーズ

草丈25~40㎝程で、よく枝分かれして、淡い色の花が沢山つき華やかです。

ストックの栽培・育て方

ストックは比較的初心者でも育てやすい植物です。
秋に苗を植えつけ、冬越しした後に春の開花を楽しみましょう。

暑さに耐えられず、夏には枯れてしまいますが、一年草と割り切ってしまえば特別な手入れもなく、楽に育てられます。

ストックの育て方情報

分類・形態草花・一年草
草丈・樹高20~80㎝
開花の時期3月~5月
花色黄・白・ピンク・紫
耐寒性強い
耐暑性弱い
特性・用途花壇・鉢植え・切り花
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け9月~10月
肥料9月~3月
開花3月~5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと水はけが良く、風通しの良い場所が適しています。
花を沢山つけるには、しっかり日に当てることが大切です。

連作障害が出やすいので、連続して同じ場所に植えつけるのはやめましょう。
一年以上の間隔をあけて植えつけます。

水やり

鉢植えの場合、土の表面が乾いたら、鉢底から流れ出るほどたっぷりと与えます。

地植えの場合、基本的に自然に降る雨だけで大丈夫です。
乾燥が続くようなら水やりしましょう。

肥料

植えつけの際に元肥を施します。
堆肥か、緩効性化成肥料を土に混ぜ込んで与えます。

ストックは基本的にあまり沢山の肥料を必要としません。
追肥を与えるなら、花が咲く時期に様子を見て、液体肥料を与えます。

用土

鉢植えの場合、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
配合する場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合で混ぜ合わせて作ります。

地植えの場合、植えつける場所に腐葉土を混ぜ込むなどし、水はけの良い土を作ります。
弱アルカリ性の土を好むので、植えつけの1週間前までに苦土石灰を混ぜて酸度を調整しておきます。

鉢植え・地植え、いずれの場合も、元肥を混ぜ込んで土づくりを行いましょう。

温度

耐寒性が強いので、暖地では戸外で冬越しができます。
霜が降りるような場合は、霜の当たらない場所に移すか、霜よけの対策をします。

耐暑性はあまりなく、夏には枯れてしまうので、春の間花を楽しみます。
発芽温度は15~20℃、生育には15~25℃が適温とされます。
寒冷地では、春に種まきして、夏の間花を楽しむことができます。

ストックを育てるときのポイント

選び方

苗を購入する際は、蕾が沢山ついているもの、葉の色つやがよく、ピンとして元気なものを選びます。
茎が徒長しているもの、病害虫の跡があるものは避けましょう。

種まき

ストックは種まきからでも比較的簡単に育てられます。
温暖な地域での種まきの適期は8月下旬~10月頃です。
寒冷地は冬が越せない場合があるので、春にまきます。

種まき用土を6cmポットに用意し、種が重ならないように3~4粒まきます。
まいたら、5mmほど土で覆います。

容器の底面から吸水させ、風通しの良い日陰で管理します。
発芽したら、日当たりのよい場所へ移し、元気の良い、八重咲きの芽を残して間引きします。

八重咲きの芽は子葉にくびれがあるので見分けます。本葉2~4枚まで育てて、底まで根がまわったら、10.5㎝ポットに移し替えます。
このときポットの底に肥料を入れておくと良いでしょう。
その後、花が数輪咲き始めたら定植します。

植えつけ

9月~11月がストックの植えつけ適期です。
ストックは直根性(根がまっすぐ下に伸びて育つ植物)で、移植を嫌います。

苗の準備ができたら、植え替えなくていいように最初に植えつけ場所をよく考えましょう。
地植えの場合、株間は20㎝以上とります。

植えつけの際は、根を傷つけないように丁寧に作業します。
ポットから苗をそっと取り出して用土に植えつけ、最後にたっぷりと水やりしましょう。
茎が伸びてきて、安定が悪いようなら支柱を立てて支えます。

剪定

花が終わったら花茎ごと早めに切り取り、次の開花に備えます。

ふやし方

種で増やすことができますが、八重咲きのストックからは採種することができません。

気を付けるべき病気・害虫

病気

苗立ち枯れ病に気を付けましょう。

種まきから育てるときに発生することがあります。
種まきや育苗用土は新しく清潔なものを用意しましょう。

害虫

アブラムシにご注意ください。

殺虫剤・殺菌剤

害虫のアブラムシは暖かくなると発生しやすくなります。
市販の薬剤を使って駆除しましょう。